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2023/12/19ふむふむ体験型ワークショップ/講演~大阪府立阿倍野高等学校~

みなさん、こんにちは。
"ちがい"をたのしむ「ふむふむ」ですヾ(≧▽≦)ノ

大阪府立阿倍野高等学校の全校生徒のみなさんを対象にげんのすけによる講演をさせていただきました!
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全校生徒(約820名)を対象とした、約45分間の人権学習です。
げんのすけは人権学習ご担当の先生と会議室にスタンバイ。
今回はパソコンを通じて画面越しに全校生徒さんに語りかけるというスタイルでした。
各HR教室にはChromeBookが1台ずつ設置してあり、教室前方のスクリーンにはげんのすけの顔が映し出されます。
そして、CromeBookのカメラを通して、げんのすけは各HR教室の様子をリアルタイムに確認できるというシステムです。
特に公立の学校ではWi-Fi環境に不安があるというところが少なくありません。ただし、この阿倍野高校スタイルであれば使用するPCは各クラス分+αと負担が少なめです。
また、大人数が一同に会する対面形式では、どうしても講演者の表情や所作が遠くて見え辛く、参加者の気が逸れる要因の一つにもなります。しかし、今回の講演終了後には「講演者がとても近くに感じられ、自分に語りかけてもらえているという雰囲気・緊張感の中、終始生徒が集中して学習に取り組んでいた」というお声を頂戴しました!
オンラインの利便性は十分に感じているつもりでしたが今回の感想をいただいて改めてオンライン学習の大きなメリットに気づくことができたことはとても大きな成果でした!ありがとうございました^^

また、ふむふむ講演としては短めの、所要時間約45分で講演依頼をいただいたため、どこまで生徒さんの”心に響く”講演を実施できるか不安ではありましたが、前述のオンライン学習による効果もあってか、いただいた感想を読んでいると、受け取ってもらえたことも多かったのではないかと思います!

さて、整ったオンライン学習環境で約45分間の人権学習はどのようなものだったのか…?
それでは、今回のラインナップです。

これから体験型WSや講演の実施をご検討のみなさまに、本記事が参考になれば幸いです。


今回のテーマは
「”ちがい”を知ろう
~感じて、知るLGBTQIA+と差別~」

まずは「お馴染みの」問いかけからです。
ふむふむでは、生徒さんや先生方が人権や差別について自ら考える力を持ち、そして今後も考え続けてもらうことを目的としています。
ふむふむの活動がそのきっかけになればと思っておりますので、今回も講演の冒頭で阿倍野高等学校の全校生徒さんに質問をなげかけてみました。

「差別って何だと思いますか?」

いきなりそう問いかけられても、難しいですよね…^^;
そこで、今回は差別にはどのようなものがあるのかを簡単に説明し、生徒さんに差別に対するイメージを持ってもらいました。
短時間でサッと集中して考える姿勢になってもらうための導入です。

さらに質問は続きます。
「差別をする人と差別をしない人のちがいって何だと思いますか?」
「差別からくる行動と嫌いからくる行動の”ちがい”は何だと思いますか?」

以上のような質問をしたうえで、今回はものすごく短時間ではありますが、”差別疑似体験”をしてもらいました。
方法は簡単。
げんのすけがいくつかの質問をに投げかけます。
たとえば、「朝ごはんにご飯を食べてきた人?」「朝ごはんにパンを食べてきた人?」というように。
それぞれの質問に対して挙手をしてくれているのが画面越しに伝わってきました。
ところがその後、げんのすけから思わぬ発言が…
「日本人のクセにパン食べるんですね」
そして質問は続きます…。

こういった短時間でできる”差別疑似体験”を受けてもらった直後に、さっそくワークをしてもらいました。


ペアワーク
~差別をする人としない人の”ちがい”は何?
「差別」からくる行動と「嫌い」からくる行動の”ちがい”は何?

短時間でできる”差別疑似体験”をしてもらった後、今回はHR教室内の座席の関係上、ペアワークをしてもらいました。
あらかじめ各担任の先生方に横の列の人と机をつけておくように指示していただき、2人に1台のChromeBookがある状態にしてもらいました。

ふむふむでは、個人が人権や差別についてしっかり考えられるようになることを第一の目的としていますが、一方で自分の考えや想いを人とシェアすることで自分の考えを整理したり、新たな気づきを得たり、また自分とはちがった考え方や意見があることに気づく体験も重視しています。

なかなか十分な時間は確保できませんでしたが、それでも講演中で最も時間をかけて取り組んでもらったのがペアワークでした。

先にげんのすけが投げかけた2つの質問について話し合ったうえで、それぞれの感想を提出してもらいました。

短時間のワークでしたが、次々に提出される感想は奥が深いものから、ユニークなものまでさまざまで、限りある時間を有効に使ってもらえということが分かる内容の濃いものでした。
短時間の”差別疑似体験”もかなりみなさんの心に残ったようでした。


”ちがい”を知る講演

①LGBTQIA+とは?

「LGBT」についてはすでに阿倍野高校の人権学習でも取り扱われており、生徒さんの中でも認知度が高かったので、簡単にお伝えしました。
ただし、「QIA+」についてはまだまだ認知度が低いようでしたので、少し解説を加えました。

②当事者の人たちはどんなことに悩むのか?

次に、それぞれの当事者別に、実際にどのような悩みを抱えている人がいるのかを紹介しました。
セクシュアルマイノリティの方々は「LGBTQIA+」と総称されていますが、その悩みは多様であり、全くちがうものであるということを具体例を挙げながら説明していきました。

ここでたいせつなポイントを3点お伝えしました。
1.「LGBTQIA+」はあくまで単語
2.なにがたいせつかは1人1人ちがう
3.単語からはいらずに、まずは本人の話をしっかり聞く

③仲間と差別について

ところで人が”仲間”と認識できる人数は何人でしょうか?
ダンバー数として有名な数字を使い、仲間以外の人が差別を受けていることを知ったとき、自分には何ができるかを考えてもらいました。

「”仲間”以外の人が誰かから差別されていたら
 あなたはどうしますか?」

これはかなり難しい問題です。
もちろん、大人にとっても大変難しい問題です。
全ての人が自信を持って「助けます!」とはなかなか言えないのではないでしょうか。
少しきつい言い方になりますが、言うだけなら誰でもできます。
実際に行動に移せるかどうか、どこまでだったらできるか、誰かに力を借りることならできるか、…
そうして掘り下げて「考えてみる」ということがだいじです。
これまで考えもしなかったような問を立てて想像をめぐらせてみることはとてもたいせつな活動だと思います。

④差別と言葉について

ふむふむの講演では、「差別はダメだ」「差別をしてはいけない」という一般論を伝えることだけを目的とはしていません。
ふむふむが重視しているのは、あくまで「自分で考える」、そして「その考えを共有する」ということの大切さについて再度見つめ直してもらうことです。
そのためにも、ふむふむがきっかけ作りをさせてもらうということに重点を置いています。

たいせつなポイント
1.言葉の意味は時代によって変わる
2.同じ言葉でも受け取る人によって意味は変わる
3.自分から出た言葉を誰が聞くのかをしっかり考える


さいごに
~全部自分で決められる~

「差別」がなくなり、すべての「人権」が守られるのが理想の世界です。
しかし、現実に「差別」はなかなかなくならず、悲しいニュースを耳にすることも後を絶ちません。
残念ながら大人、子ども関係なく「差別」をする人が現実に存在するのです。

ただし、誰もが一度は聞いたことがあるはずです。
「差別をしてはいけない」と――。

では、なぜ「差別」は起こるのでしょうか?

意図的に「差別」をしている人もいれば、意図せず人を傷つけてしまう「差別」を行ってしまっているという人もいると思います。

では、意図していない「差別」は許されるのでしょうか?

こちらもさまざまな意見があるかとは思いますが、基本的に差別は許されるものではありません。
ただし、意図せず人を傷つけてしまうことは誰にでも起こり得るものです。
ここでたいせつなのは、傷つけてしまった後のリカバリーをどうするか?です。
黙って知らぬ顔を貫くこともできるでしょう。
しかし、それでは差別を容認している人だと受け取られてもおかしくありません。
間違いなくその人自身の評価を下げてしまう行動でしょう。
悪いことをしてしまったとわかったとき、きちんと謝れる自分でありたいものです。

そうは言うものの、差別をする人になるのか、差別をしない人になるのか、差別を目の当たりにしたら助けられる人になるのか、見て見ぬふりをするのか、知らぬ間に人を傷つけてしまったときに謝れる人になるのか、目を背けて生きていくのか…すべては自分で決めることができます。
自分の考え、自分の言動は自分で決められるのです。
そこも含めてこれからもしっかりと考え続けられる人になってほしいとお伝えし、今回の講演のさいごメッセージとさせていただきました。


いかがでしたか?
今回はオンラインで約45分間という時間でしたが、オンラインだからこその利点もあり、短い時間ながらに生徒さんにしっかり考えてもらえるきっかけをご提供できたのではないかと思います。
実施前は不安もありましたが、今回の講演を通じてわたしたちも勉強させてもらいましたし、気づきがたくさんありました。

各学校における研修では、設定時間や形態なども含めて臨機応変に対応しますので、研修をお考えの場合はお気軽にご相談ください^^


今後もふむふむの活動をとおして、人権学習を身近に感じてもらい、ひとりでも多くの方が自ら考える力を身につけ、すべての方が安心して生活できる社会をめざしていきたいと思います。


困ったことや、周りには言えない悩みがあったり、自分なりに考えたことを伝えたくなったりしたら、いつでもご連絡ください。
ふむふむはみんなからの連絡を待っています^^

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