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【レポート】Twitchストリーマー勢力図2024【白書】


 冬休み中に、突然気になったのでTwitchの配信者を分析してみました。Twitchはいくつかのコミュニティに分かれており、視聴者も特定の配信に偏る傾向があるのではないかという仮説を立て、それを検証しました。
 検証のためには、Twitchで配信しているおおよそ80人の配信者を分析し、その結果を比較しました。

検証手順

 検証手法としては、Twitchの過去の配信チャットを分析しました。具体的な手順は以下の通りです。

  1. 各配信者の過去5回の配信から初めの1時間の全チャットを取得しました。

  2. 各配信のコメントを行った視聴者を抽出しました。

  3. 以下の式を用いて、配信者の共起度を計算しました。

  4. 共起度を利用してクラスタリングを行い、配信者の派閥を分析しました。

  5. 平均共起度を分析することで視聴者数からはわからない視聴者の内情を明らかにしました。

$$
\frac{配信者Aと配信者Bの重複視聴者数}{\sqrt{配信者Aの視聴者数*配信者Bの視聴者数}}
$$

 なお、分析対象の配信者については、ハイパーゲーム大会参加者やVCR参加者から適当に聞いたことのある名前を81名ピックアップしました。
 ※筆者はデータサイエンティストでも何でもないため、誤りがある可能性も考えられます。もし誤りがある場合は、コメント等でご指摘いただけると助かります。

分析対象配信者(81名)

加藤純一です,stylishnoob4,fps_shaka,はんじょう,おにや,らっだぁ,もこうやで,Jasper7se,ゆゆうた押忍,だるまいずごっど,ファン太,k4sen,ボドカさん,スタンミ,赤見かるび,バトラ,Kamito_JP,叶ちゃんねる,dj_foy_foxx,MOTHER3rd,たいじ_たいちゃんねる,sasatikk,布団ちゃんと申します,よしなま27歳,濃いめのあかりん,おぼです,ラプラスダークネス総帥,みゃこだよー,SPYGEA,しんじさん,えなこ,Euriece,ow_uruca,柊ツルギ,けんき,yunocy,橘ひなの,ハイタニ,ごっちゃんマイキー,CR_rion,むらまこ,一ノ瀬うるは,im_mittiii,ありけんです,ta1yo_tv,DaigoTheBeasTV,kokujintv,はりーシ,蛇足,すももですよ,Zerost_s,恭一郎,dj___shige,夜よいち,ヘンディー,TENNN,Killin9Hit,SqLA,onadan,するがモンキー,Yoshimyan,ミチャーコ,渋谷ハル,らむずっきゅん,生駒どぐらデビル,鈴木ノリアキ,clutch_fii,天月です,mansayasama,franciscoow,ゆふな,yamatonjp,立川,IAM_XQ,bobsappaim0304,MaruTake_A,あばだんご,岸大河,ろびんびん,takejfps

検証結果

配信者視聴者数

 まず最初に、各配信者の視聴者数です。今回はチャットしている視聴者を計上しているため、正確にはアクティブなチャットユーザーです。上位5名は以下の通りです。

  1. 加藤純一です(10875人)

  2. stylishnoob4(7890人)

  3. fps_shaka(7226人)

  4. はんじょう(7070人)

  5. おにや(6324人)

 1位は加藤純一となりました。2位と3位には元DTNの2名がランクインし、4位および5位には加藤純一のコミュニティに属する2名がランクインしていました。
 それ以下については、下記の画像の通りです。

アクティブチャットユーザ上位20位

共起度計算結果

 共起度は、1組の配信者の配信に重複する視聴者が多くいるほど高くなります。つまり、1組の配信者の共起度が高い場合、それぞれの配信で同じ視聴者が多くコメントをしているということになります。
 共起度については、各配信者ごとに計算しました。詳細については後述します。
 例として、加藤純一の共起度上位5名は以下の通りです。

  1. はんじょう(0.2738216735)

  2. おにや(0.2497293205)

  3. もこうやで(0.2192465535)

  4. ゆゆうた押忍(0.1811668489)

  5. みゃこだよー(0.1056186623)

 はんじょう、おにや、もこうなど、普段から関わりのある配信者の共起度が高く算出されていることがわかります。加藤純一の共起度上位20位は以下の通りです。


加藤純一の共起度上位20名

 この結果から、配信者が配信中に関わっている配信者には同じような視聴者がよくいることがわかりました。

クラスタリング結果

 次に、算出された共起度に基づいてクラスタリングを行いました。クラスタリングの結果を以下に示します。

配信者クラスタリング結果

 結果から、クラスタ3には加藤純一界隈の配信者が分類されていることがわかります。また、布団ちゃんやむらまこなどの梨民もクラスタ3に分類されているため、梨民と衛門の一部が重複していることが明らかです。
 外国人視聴者を多く抱えるよしみもクラスタ3に分類されています。これは、よしみスタンプを入手するために多くの衛門や梨民がよしみの配信をサブスク乞食のために訪れていることを示しています。
 また、クラスタ1には釈迦や赤身カルビなどVCRに積極的に参加している配信者や、ラプラスダークネスや一ノ瀬うるはなどVtuberが分類されていることがわかります。
 ウメハラやどぐら、ハイタニなどの格ゲー勢は全員がクラスタ0に分類されていることがわかります。クラスタ0には現役や元プロゲーマーが多く含まれているように見えます。
 クラスタ2にはtakejのみが含まれています。これはtakejが他の配信者ではコメントをしていない視聴者を多く抱えているということがわかります。

平均共起度

 次に、各配信者の平均共起度について算出してみました。この値が高いほど、他の配信者と共通の視聴者を多く保持しているということになります。
 つまり、アクティブなチャットユーザーが多く、平均共起度が低い配信者は、自分の配信しか見ていないコアな視聴者が多くいるということにもなります。逆に、アクティブなチャットユーザーが少なく、平均共起度が高い配信者は、他の配信者のバーターとして視聴している視聴者が多いという可能性があります。つまり、視聴者数は多く見えるが独自のファンを獲得できていない可能性があります。
 
平均共起度の上位20名を以下に示します。

平均共起度上位20位

まとめ

 本レポートでは、Twitchにおける日本のストリーマーに対する共起分析を通じて、各配信者間の関係性を明らかにすることができました。
 共起度に基づくクラスタリングを行うことで、Twitch配信者の派閥についての理解を深めることができました。
 また、平均共起度とアクティブなチャットユーザー数を比較することで、隠された視聴者の傾向についても考察できました。
 最後に、計算結果(Googleスプレッドシート)に関するリンクを有料で共有いたします。この計算結果では、各配信者間の共起度を確認することが可能であり、配信者ごとにどの配信者の視聴者が他の配信者を多く視聴しているかを把握することができます。ご興味がございましたら、ご購入をご検討いただければ幸いです。
 今回の結果が2024年初頭の状況ですから、今後時間をおいて新しいデータで検証を行う場合は引き続きスプレッドシートを更新していくかもしれません。

結果スプレッドシート

計算結果スプレッドシート

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