とある駅での話

彼が今日おやすみだった。
謎の2連休。

私も仕事が夕方からだったので
カーテンから差し込む光を無視して
ふたりで午後2時まで寝た。

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ぼちぼちと起きて仕事の準備をする。

家を出る5分前
まだベッドですやすやしてる彼に
「私もう出るね」
と声をかけた。

「まって!俺もすぐ準備するから!」

と飛び起きて5分で支度を終える彼。

うーん。
男の人は化粧とかなくて
すぐ家出られるの羨ましい……。

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「今日はなにするの?」

ときいたら、

「ジーパン欲しいんだよね。
今まで持ってたやつ穴あいちゃったからさ
見てこようと思って」

「ふぅん」

昼過ぎの電車の中は
とてもガラガラ。

コロナ対策として開いてる窓

2つとなりの席に座る淑女は
ブックカバーのついた本を読んでいた。

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職場の最寄り駅についた。

「じゃあ行ってくるね」

と私が彼に言うと

「○○ちゃぁん……
離れたくないよぉ……」

うーん……??

「たった数時間だけだから!
何時間後かには会えるんだから!ね?」

「(´・ω・`)」

なぜ

そんな

目ができる?

そんな彼を
愛おしく感じてしまう私も私である。

最後は
「いってらっしゃい」
と見送ってくれる彼

見えなくなるまで
私を目で追いかけてくれていた。

彼の見た目からは想像できない
甘えん坊さんな部分。

まぁここは
私だけが知っていればいいかな。