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口に出すこと大事~今期の日本語学習サポート始まったのはなし。

久しぶりに日本語学習サポートのはなし。

前に行っていた小学校で担当していたタイ人の女子は、来日1年未満なのに吸収がとてつもなく早くかった。
数ヶ月で「継続の必要なし」と学校側と話して終わった。
彼女にとって日本語のクラスに出席するということは通常のクラスから離れること。自分がいない授業で何をやったのかとても気にしていたようで担任の判断でもあったのだ。
彼女は日本語の授業が始まる前、入室してからずーっと話す。
間違っていないかなとか考えることなく、とにかく「口に出す」ことをずっとしていた。
私がどうのこうのと話す隙を与えないくらい、こないだあったこと、今日の気分、今感じたことなどなど・・・
こうやってばぁーっと吐き出して話しまくる事で、彼女のアタマの中はとてつもない事になっているのだろう。
脳の回路というのか、思考とか、細胞?毛細血管?シナプス?よくわからないけど、言語の情報網みたいなのが作り出されていく感じがして。

もちろん授業なので一方的ではなく、こちらの事にも耳を傾け、読み書きも取り組む。

「言葉を口に出す」ことがどれだけ力があるのか目の前で見たのである。
合っているか間違っているか、なんて考えずに自分なりの表現で思い切り言う。

その勇気と度胸(←私は間違えることにびびっていたのであえて勇気、度胸という。)、特に小学生、中学生の時の私にほしかった。

彼女自身が学校生活や友人関係に早く慣れたいという気持ちが強いからこそ前向きに取り組んでいたのかなと思っている。
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しばらく空いて今期より担当2校になり、2名の女子を受け持つことになった。
一人はフィリピンの5年生でもう一人はパキスタンの3年生。

フィリピンの子は出生国が日本なので会話に関してはほとんど通じて、苦手なのは漢字と表現のバリエーションといったところだろうか。

パキスタンの子はなんと在日1ヶ月、なのでほぼ話せない。
英語も簡単な単語しか通じない。
現地の言葉はわかる人がむしろレア(ちなみにウルドゥー語)、ジェスチャーも限界がある。

挨拶程度は言えるようになったと事前連絡を受けていたので、どんな感じか私はそわそわして挑んだのだが、実際に会ってみると、ニコニコと近寄ってきて拒絶感が感じられなかった。

あ、なんかうれしい。

瞬時にそう感じたのだが、コミュニケーションでは難度が高すぎて・・・。
「私でいいのだろうか」と思ってしまった。


お国の話でいうと、パキスタンはイスラム教の国なので女性が男性と部屋で二人きりはNGなのだ。リタイアしたおじさんとはマンツーでできないのだ。

お互いコミュニケーションに困ったのだが、彼女、うんうんとうなずいてくれたり、自分の名前を何度も伝えてくれたり、指で指し示したり、色々やってくれて・・・
お互い必死・・・(笑)。

こんな感じなので通常クラスでは到底ついて行けないから特別クラスに通っている。

現地の言葉だってこれから学ぶことが多いであろうにその途中で異国に来て慣れていくのは大変だ。


これはいきなり「あ」ではなく、幼稚園児がやるような、線を引くとか鉛筆運びからだなと感じた一回目のクラスであった。

読んでくれてありがとうございました。

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