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バンド「TOKIO」が教えてくれたこと

人生で初めて観たライブは、TOKIOのツアーだった。

自分よりはるかに大人びたお姉さんたちの歓声に囲まれながら日本武道館で目の当たりにした5人の音は、当時小学生だった私に大きなパワーをくれたこと、今でも鮮明に覚えている。グッズのジェット風船もうまく膨らませられないくらいの年齢だった。

当時、私はアイドルという概念もよくわからず、TOKIOがジャニーズだということすら知らなかった。周りの友達は嵐やV6が好きな子が多く、あなたは珍しいねとも言われた。きっかけが違うだけだと思うが、私はTOKIOが好きだった。

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初めて買ったCDは「AMBITIOUS JAPAN!」。JR東海のコピーやCMにも採用され、今でも新幹線の車内チャイムに使われている、あの名曲。希望に満ちあふれたサウンドが、お気に入りだった。顔も姿も知らなかった「バンド・TOKIO」の音に、私は惹かれていった。

お小遣いをくずしながらレンタルCDショップで過去の作品を借り、数曲だけ小さなプレイヤーに入れていたことも、しっかりと覚えている。部活や塾の帰り道に少しずつ聞いた。曲はもちろん、TOKIOの"ライブ"が好きだった。

 武道館の反対まで真っ直ぐ通る長瀬くんの声。
 松岡くんのしなやかなドラム。
 優しく丁寧に響く山口くんのベース。
 ぴょんぴょん跳ねる太一くんのキーボード。
 超かっこつけてクールなリーダー。

プレイヤーからしか聞こえなかった音が、実際に目の前で演奏されているーーその感覚は幼かった私にとって新しく刺激的で、全身が震えた。進路に悩んだ日も、悲しいことがあった日も、TOKIOの音楽を聞いたら底なしの元気が出た。

大学生になった頃、一通の葉書が届いた。昔のファンクラブ会員宛にライブツアーに遊びに来ませんか、という内容だったと思う。高校生になってから、ファンを辞めたとかではなく、自然に、気づくと離れてしまっていたのだが、葉書を手に取った瞬間「行きたい!」と思い、すぐにチケットを申し込んだ。

ーーでも、そのライブに行くことは叶わなかった。3月下旬に予定されていた東京公演が、東日本大震災の影響で中止になったからだ。葉書が届いてから数ヶ月、昔のCDを引っ張り出し、買ったばかりのスマートフォンに曲を入るだけ入れて予習していたものだから、残念な気持ちになった。でも、また次のライブに行ければいい。今はそれよりも大事なことがある。
そう思っていたのに、その「次のチャンス」は私には訪れなかった。

2013年。当時、私はとても辛い出来事を乗り越えようとしていた。そのときたまたまテレビで観たのが「泣くな、はらちゃん」だった。ドラマの最後に流れたのが「リリック」。
久々に聞いたTOKIOの音は、一瞬で心を包み、気がついたら泣いていた。音楽で泣くのは、この時が初めてだったと思う。

叶うのなら、もう一度。
TOKIO5人の音を、生で、聞きたかった。

タオルを振り回しながら「SONIC DRIVE!」を。会場全体で「LOVE YOU ONLY」を歌いたい。ライブ映えするセクシーな「Julia」もいい。長瀬くんの声が響く「Yesterday's」にも浸りたい。ついリズムをとりながら口ぐさんでしまう「花唄」も。毎公演違う「城島SONG」はワクワクするし、アンコールの「JUMBO」で最高にはっちゃけたい。
そして、私を救ってくれた「リリック」を、一度で良いから、生で、聴いてみたかった。

TOKIOが教えてくれたのは、音を楽しむということ。そして、ライブの楽しさ、高揚感。
どんなに落ち込んでいても、音楽で前を向けるというポジティブな気持ちだった。

だから、私は落ち込まない。
あれから気づくと時は経ち、いろいろな形が変わってしまうことはとても寂しいけれど、前を向く。
そして、5人が紡いできた音楽を、これからも大切に大切に、傍に置いておきたいと思う。

新しいことに挑戦していくTOKIOを、心から応援したい。
そして、きっと私もまたTOKIOの音楽で元気になって、新しいことにチャレンジしていくのだと思う。

これまでと同じように、何度でも。

新しい事始める時は いつも脅えているもの
海に飛び込む あの時と同じ気持ち
遠慮しないで もがけバタバタ 見てくれなんかシカトで
形にとらわれず それが信じた道なら
真っ直ぐ行こうよ 自分らしく
笑って一歩進み出そう
ーー「ロースピード」TOKIO

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食べる、書く、聴く、が好きな企画広報OL。早稲田大学 文化構想学部卒。ビールの売り子をしていたほどの野球好き。香港と日本のハーフ。女性雑誌のオンラインサイトをはじめ、ライターとしても活動中。
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