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いのちを受けて健やかに幸福に生きるーエリクソンのライフスタイル・モデルに学ぶー」(佐々木正美著書・神奈川LD協会発行)の要約解説

こんにちは。西村です。

このコラムを見ていただき、ありがとうございます。

今回は、「いのちを受けて健やかに幸福に生きるーエリクソンのライフスタイル・モデルに学ぶー」(佐々木正美著書・神奈川LD協会発行)の要約解説です。最後に私の感想ももありますのでご参照ください。


それでは、目次です。

0.エリクソンのライフサイクルモデルとは

エリクソンが生涯をかけて研究したライフサイクルモデルは、「人間が一生涯、健康に幸福に生きていくためには、こういった手順を踏んでいくといいですよ」、というものです。

エリクソンは多くの人々と出会う中で、「特定の時期に特定の問題を踏み外すと、いろいろな意味で精神保健上の困難がやってくる、幸福に生きることを妨げられる」と感じました。

また、同じ意味ですが、「一つ一つの順序のある道筋を積み上げていくこと。『発達に飛び級はない』。見せかけの前進はあっても、それはからなず後戻りしてしまう。抜かしてきたことをやり直ししなければ健全な社会人として歩んでいくことはできない」とも言っています。

さて、その道筋とは、次の9つの段階があります。
1.胎児期
2.乳児期
3.幼児期前期
4.幼児期後期
5.学童期
6.思春期・青年期
7.若い成人期
8.壮年期
9.老年期
なお、「1.胎児期」はエリクソンのモデルに著者が非常に重要なので加えたものです。

それでは、順番に段階ごとに解説していきます。

1.胎児期(羊水時)

乳児期の発達課題は、「母の心身の安定」です。そこから、子どもに影響を与えます。そのために関わる大人はにとても配慮しなければなりません。

2.乳児期

発達課題は、「基本的信頼」です。基本的信頼とは、人を信じる力のことです。母親を信じることができれば、人を信じることができます。人を信じることができれば、自分を信じることができます。自分を信じることができれば、希望をもって生きていく力になります。※希望をもって生きるの反対は、引きこもって生きる(失望ではない)。そのためには、子どもが望んでいることに一生懸命になってあげること、それを共に楽しむこと一緒に喜ぶを楽しむこと。そうすることで、一緒に悲しみを感じられるようになります。凶悪事件の原因は、相手の悲しみを感じられないことにあるのです。この基本的信頼がもっとも重要と考えます。

3.幼児期前期

幼稚園に入る前(2〜3才くらい)の段階です。発達課題は「自律性」です。すなわち、セルフコントロール、自分を律する力のことです。

4.幼児期後期

4〜5才あたりの段階です。発達課題は、「自発性・積極性」です。そのために、エリクソンは遊びを重視して考えています。

5.学童期

発達課題は、「社会的勤勉性」です。仲間から学ぶ、仲間に教える、ことで身につきます。違う言い方をすると、「仲間と、道具や知識や体験を共有し合うこと」です。質より量、友達と関わることが重要です。

6.思春期・青年期

発達課題は、アイデンディディの確立を目指すことです。徐々に自分を客観的にみれるようになってきます。それに伴い、自分と他人とを比較することができるようになってきます。例えば、小学生の時の夢がプロ野球選手だった子どもがいたとします。徐々にまわりがみれるようになってきて、無理だと思い始めます。そのため、思春期はあまり幸福ではない人が多いです。ですから、できるだけよい評価を与えてくれる人を求める傾向があります。少なくても気の合う仲間といることが増えます。なお、思春期に多い性的問題やいじめ、自殺などは、基本的信頼の欠如が大きく関わっています。

7.若い成人期

発達課題は、「親密性」です。困難を納得して引き受け、人生を生きていく時期です。結婚、職場、グループなどで親密な関係を作っていき、その中に幸福を感じることができます。

8.壮年期

発達課題は、「世代性」です。次世代に引き継いでいくことに努めます。最初は先代の知恵を真似るところからスタートし、徐々に自分カラーにしていくように努めます。

9.老年期

発達課題は、「統合」です。自分の人生に満足できるか。幸福な生涯とは、最後の最後に、これでよかったと自分の人生に満足、感謝できることです。

10.感想

この本を読んで、改めて感じたことがあります。
・私たちは、18歳まで教育したらそれで終わりではないこと
・18歳までは人生全体の1/5だけであること
・18歳以降の4/5のことを考えて関わっていくこと
・これから生きていくために必要な基礎的な愛情の基盤を与えるように関わること
・一人ひとりの得意技を見出してあげるようにすること、です。
具体的にどうすればいいのか、自分自身でもよくわかっていませんが、長い人生のことを視野に入れて関わっていきたいと思います。

今回は、「いのちを受けて健やかに幸福に生きるーエリクソンのライフスタイル・モデルに学ぶー」(佐々木正美著書・神奈川LD協会発行)の要約解説と私の感想についてまとめました。

あなたの生活に少しでも参考になれば嬉しいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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