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【感想文】Prelude 第10回本公演「AM2:54」③ Aチーム観劇(前半)

#AM254

Aチームの公演
2日目と4日目に観劇しました。
この作品を客観的に感じてみたかったので。
観た感想を、書き残しておきたいと思います。

ちょっとかなりネタバレを含んでいます。

千秋楽終わったけど、内容を知るのは…という方は見ないようにしてください。



1.1回目の通し稽古


初めてAチームを観たのは自分達がまだ通し稽古をやってない時期でした。
通し見に行ったら、秋山役の龍さんと楓役の紗菜ちゃんもいて、ベリー役の美怜ちゃんも遅れてやってきて、めちゃくちゃ嬉しかった。
作品作りに積極的な人がこんなにいる座組、ほんと今までなかったのだが❓となった。

しかし

しかしなぁ

Aチームまじでな

クッッッソおもろくて、ビビり散らかしたのを覚えています。
こちとら自分の役ともまだ仲良くなり切れてないのに、Aチームったらもう舞台に上げれるんでねーかってくらい完成してたんですもん。訳わからん。なんでやねん。

特にビックリだったのは、余計な事が何も無くて、とてもシンプルだったこと。
あとは、役のパワーバランスが全然違うこと。

特にエグいと思ったのは直人役の鈴木さんと那由他役の岩永さん。
2人が、作品を引っ張ってるように見えた。そんなパターンある❓とおもた。

直人のキレがまじエグくて。音ゲーうますぎん❓西村さんのディレクション秒で出来たんやろなぁって、見てて分かった。一人のシーンもみんなとのシーンも、直人が持っていくんよ。確実に。強かった。

那由他さんの宙に浮いてるみたいな独特の動きと存在感は、まじでこういう演出家いそうって思って、おもろきもかった。めちゃくちゃエンタメの人に見えたし、別にそんなにおもろいシーンじゃないはずなのに謎に爆笑シーンになってたのが何事すぎた。

メイとプロペラの百合感は凄かったなあ〜〜ん。
でも秋山さんとメイさんの関係性も素敵だった。長年一緒に劇団をやってる感が強くて。そこにしっかりとした信頼関係が見えた。

レモンと葵の仲良し度合いも凄かった。いやめちゃくちゃ親友やんてなった。2人を踊らせた西村さんの気持ちが今なら分かる。Aの2人にしか出来なかったと思う。

つっえ〜〜な。うっめ〜〜〜人しかいね〜〜〜んか。Preludeには。と。
笑い飛ばすしかごぜーやせんでした。

Aチームのミドリ役ゆづるちゃんの、ミドリを見て、自分が全然しっくり来てなかった台詞をどうすればハメられるのかをめちゃくちゃ参考にしました。
そうやればよかったんだ‼️が、めちゃくちゃありました。
めちゃくちゃ助かった〜〜〜。ダブルキャストの相手がゆづるちゃんで本当に良かったって、この時もう既にめちゃくちゃ思ってました。
出演確定する前から同じ役になるのはゆづるちゃんってもう聞いていて、最初からすんごい楽しみだったんですけどね。
やっぱりめちゃくちゃ素敵な女優さんだなって。

とはいえ完成度の高すぎるAチームを見せ付けられた私は焦り散らかし、どうしたらいいのだBチームは‼️こんなにまとまりないよ‼️助けてメイさん‼️ってなってメイ役のみずきちゃんと帰り道にいつも話し込んでました。ゆいいつ帰る方向おんなじだったからね。

今思い返すと、そんなみずきちゃんとのやり取りも、うちの劇団のメイとミドリっぽくて。なんかよかったなーって。

2回目の通し稽古も見に行ったんよね。
その時は私の他にレモン役のみのりちゃん、ベリー役の美怜ちゃん、楓役の紗菜ちゃんがいて。
通し終わって外でたら他のみんなもいて。
増えてて草。みんな必死だったのかも。


いやAチームの話をしに来ているのに自分とこの話になっとるやんけ



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2.公演2日目


ゲネプロと初日ははちょっと集客に時間を使いたかったので遠慮しました。
劇場での初見は2日目。うちの直人、我聞と一緒に観劇した。
座席は1番後ろ。

全員もれなく嫌いになりました。
全員が浅はかで汚い人間に見えました。

何のために演劇やってんの?
という疑問は、この作品と関わり初めてからずっと脳みそにあったのですが。

全員に対して思った。きしょすぎた。

最初の楓と直人のシーンは、あー長いんだろな、熟年感あっていいな。って思ってたのだけど。

次の那由他とミドリのシーンが、もう。嫌なやつすぎませんかミドリ……こんなに言葉キツかったんだ………って、改めて思いました。

まじでなんで本番後にこんな思いせなあかんねんって思いました。
いや自分も同じ作品やっとるんだがな✋今思えば我ながら理不尽すぎてわろてますが。

それくらい本当に嫌な気持ちになる作品でした。



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3.公演4日目


もう一度、絶対に観ようと決めていたので、まもなく満席って聞いて焦って予約してもらいました。
お金払ってでも見たかった。なんでそんな嫌な思いしたのにって思うでしょ。なんでかって、分かってたからです。

2回目の解像度がえぐ上がることを。

これガチ

わし根っからのオタクで10代の頃から行きたいと思った舞台は全ステする気で通うタイプだったんですよ

ダブル、トリプル、フォースキャストとかだったら好きな俳優さんが出演してない回まで全チーム見て合計何回観たんやってくらい何度も通うタイプで。
DVDも買って永遠に見続けてその世界観から離れないタイプで。いやめちゃくちゃオタクで草

見る度に作品の印象って変わるんですね、舞台って。
それは舞台が生物(なまもの)だからというのもあるのですが、知ってる事が増えると、単純に人の脳は、目は更に多くのことを拾おうと視野が広がります。

オタクの自己紹介はこのへんにして。笑


劇場で見る2回目のAチーム。

この日(土曜日)のBは実は、みんな疲れが出ちゃったなって感じでした。自我出まくりでした。めちゃくちゃ反省した。

私もドっと疲れが来て、脳みそ1ミリも働いてない状態で、台本の内容を忘れて、今舞台上で起きてるストーリーを純粋に追うことが出来ました。いいのか悪いのか笑


・まずオープニング

オープニングカッコよすぎるんよ。

フワッと始まるから台詞聞こえる前からなんとなく役者に注目しちゃうし、かと思ったら急に始まって一気に引き込まれて。

かっこよすぎた〜〜〜。ほんとおしゃれ。くそー

爆音のオープニング曲からの


・楓直人の日常シーン

は、ガッツリ集中してるからこそナチュラルに入ってくる。
前回見た時も思ったけど、めっちゃ仲良いの、可愛い。Bの2人とは全然違うけど、このカップルもいい。
直人が楓めっちゃ好きなん伝わってくるんよねぇ、かわいい。


・那由他とミドリのシーン

いや大人だな〜〜〜‼️爽やかに進んでく仕事の話。。

なんか自分らの那由他ミドリってネチョネチョしてるっていうか笑笑
たぶん演じてる私らがお互いに関西人やからなのではと思ってるけど笑笑
味が濃いんよ‼️笑

流石にどうしても比べてしまって、爽やかでおしゃれでカッコイイ会話が、ほんと真逆過ぎて笑ってしまった。

しかし台詞が刺さる。サラリと進んでいくから嫌味には感じないのだけど、あー、自分もそう思われていただろうなって。

演劇を仕事だとちゃんと思っているミドリにとって自分の劇団は、アットホームで緩い空気感の自劇団が居心地いい反面、物足りないのだろうなと。

那由他はミドリをうまいこと使ってるけど、自分のやり方をすんなり受け入れるミドリは都合が良くて、近くに置いときやすかったのかなって。



・劇団のシーン

直人が褒められる所はもう鉄板。
直人のキレの見せ所その1です。
まじおもろい。何なんあの人。

メイさんのまとめ役感がすごい。
秋山さんがトップで、メイさんが2番手、あとのみんな、っていう関係図が明確で、みんながみんな謙虚で劇団という居場所を大切にしてるからこその空気感なんだろうな。

私にとってBは珍獣の集まりなので、メイさんはもはや苦労人の猛獣使いでした。笑
そう見えてはないと思うけど😂😂😂

いやしかし

この差が本当に面白かった。
まじでまったく別の劇団だったし、それぞれのいい所が全然違うから、作品自体の印象が変わる。
演出を分けるとは聞いていたけど、本当に別作品になった。



・楓と直人のシーン②

直人のキレの見せ所その2。笑
うめーーーんだまじで。日常が日常すぎる。



・メイとプロペラ

わしこのシーンめっちゃ好き。
大人の女性なんよ2人とも、なんか。

てかメイさん可愛すぎね?
染明色からずっと言ってるけど坂井ちゅん可愛すぎね???

恋話のターンは、秋山とメイが付き合ってるのが容易に想像がついて。いや絶対デキとる。ってなった。
プロペラの探り方もなんか可愛くて。

座組内の恋愛とかまじでキショいのでやめた方がいいよと思いながらも、まぁあるあるだなぁって、なりました。

恋人役のこと本当に好きになっちゃうとかね。
よく見かけました私もね。
ほんと小劇場あるあるすぎて笑った。



・劇団のシーン②

やっぱなんか爽やかだこの劇団‼️‼️‼️😭笑

楓の目の怪我に対する直人の反応こそ
直人のキレの見せ所その3です。
勢い凄すぎて笑ってしまう。何なんまじおもろい笑

その怪我に対するミドリと直人の温度差も、おもしろい。
だってまじで、女同士ってそうかも。どんだけ心配でも余っ程長年の親友とかでもない限り直接的には聞かないし、触れられたもんじゃないし、自分から話してくれるまでそっとしておくよね。

みんなに付き合ってるのバレてないから、直人がただのデリカシーない奴扱いされてるのも面白い。


オーディション落ちたのくだりもめちゃくちゃおもろだったなー!
その後の、殴られ目撃パワハラフラグまでの繋ぎの直人がまたこれ、キレキレパートで。

レモンが不安になるのも、葵が当たり前のように秋山さんを庇うのも分かる。
パワハラ目撃したって言われたところで、ずっと信じてる演出家をすぐに疑ってかかれるわけないんよね。
新人に何言われたって、そんな事する訳ないって言い切れるくらい信頼出来る主宰なのもすごいけど。


・那由他の稽古シーン

ねえずっとおもろいの何なの?那由他さん。笑笑
俳優からしたらまじでふざけんなって思うレベルのディレクションなんだけど、伝え方が緩くて笑ってしまう。

違うのでやってみてって何だよwwww違うのってどこだよそれを言えよwwwwwwwwとなった。
ただ声小さいって言われるのと台詞変えないでって言われるのは普通にダサいと思う。俳優として。

ミドリと、レモンとプロペラで対立するところは、もーめちゃくちゃ分かるなあ。
どっちも別に意識は高いんだろうけど、現場のやり方に合わせられるかどうかって役者それぞれだなって。

現場によってシーン作りの仕方の違いがあるのは当然なんだが、演出のやり方によって不安になる俳優さんは確かに多いよなぁと感じる。

方向性だけでも「これでいいんだ」って思いたいよね。でもダサいよねそれ。
いいともだめとも言われてないなら稽古でやらせてもらえる時に試し続ければいいし、違うって言われた時に調整すればいいし。
安心したい人って、シーン作りじゃなくて、自分の練習がしたいだけの人なんだよ。って最近思うようになった。

私も昔あったなあ。ずっと演出補佐の方しか稽古場にいなくて、やっと最後の1週間くらいだけ演出家が来たのだけど、まじで何もディレクションされなかった現場。
何度も上演されている作品だったから、メインの俳優で作品のクオリティがまぁ6割くらい担保できていれば、チョイ役は自由にしてもいいって考えだったのかな。

でも、私もミドリと同じように、俳優が安心するための稽古って稽古じゃないと思うようになってきた。
家でやって来いよって、思う。空き時間に合わせとけよって思う。自分に対しても思う。うん。凹んできた……。



・楓と直人のシーン③

れみちゃんが「ただいま」じゃなくて「おかえり」って言ってる!!!笑笑

じゃなくて

直人の愛が楓の唯一の救いだ‼️(大声)

じゃなくて


「私がいることで座組に迷惑かかってるんだよ。芝居もロクにできないのに」
これ入りがちだよな役者〜‼️‼️‼️

心当たりありすぎて無理。
迷惑かけてるなって思い始めると芝居のこと考えられなくなって思考停止して、悪循環になる。

演出家につめられても誰も助けてくれない。
黙って見てるだけの共演者はみんな私のこと下手くそだと思ってるようにまで感じてくる。

私もずっと自分のこと芝居できないと思い込んでた。
今は出来てると思ってるとかじゃないよ。
そう思い込んでたから、余計に本当に頭打ちの芝居しか出来てなかったように思う。

教えてくれる先輩がいたのは有り難かった。
でも教えられてる時点で私は共演者じゃない。一緒に作ってないもん。
先輩に迷惑かけてまでそこにいるのは、ずっと辛かった。

「教える」じゃなくて「一緒に創る」をやってくれる俳優さんと出会えたのは、私にとって俳優人生が変わった瞬間だった。


楓を追い詰めていたのは、お金だったから。
きっと劇団のみんなにできることなんてたかが知れてるのだけど。
ちゃんと味方でいること、一緒に創ることだけでも、きっと楓は救われたと思う。



・秋山とベリーのシーン

全然メイさんじゃなかった〜‼️‼️‼️‼️‼️
てか女おるんか〜〜〜い‼️‼️‼️
しかも関係者じゃないっていうか職業なに〜‼️‼️‼️

てか大人のカップルすぎん?
落ち着いてんね……?あれ❓
ベリーってこんないい女なの⁉️

っておもった。



・秋山のパワハラ

秋山さんが抱えてるストレスが伝わってきて辛かった

言い方どうにかしろと訴えるミドリの気持ちも分かるけど、出来ない俳優に合わせて妥協しなきゃいけない演出家のストレスは、俳優には知る由もないことがほとんどなのだと気付いた。



昨今世でパワハラと告発される物の中には、実際この作品で行われた稽古中の様子も含まれるのだと思います。

声を荒らげたら、誰かにストレスを与えたら、受け手が嫌な思いをしたら、それはもうハラスメントになるそうです。

圧を与えないで創作をする方法があるなら教えてほしいと、多くの演出家が思ってるのではないかと、思います。


「いくらダメ出ししても伝わらない子とかもいるじゃないですか」
演出家に能力があっても出演者に技術がなければ、演出家が望むようないい作品は作れません。

「君達はもっと自信持って!緊張すると思うけど。大きい声出して、大きく動いて!」
ただ、出演者に技術がなくても、それを逆手にとって作品を見れるものにする能力のある演出家は、います。

「ダメ出しは一回で消化しない、稽古時間になってもダラダラしてアップもしてないから声もでてない、役の解釈もしてきてない。セリフもまともに入ってない」
やって当たり前の事をやってこれないのは俳優の怠慢です。しかしやってこれない精神状態に追い込んでるのが演出家である場合もあります。


本当に悪いのはパワハラ演出家だけなのでしょうか。
ストレスを与えるやり方は変えなきゃいけないけど、演出家だけが悪いとされるのは、違うと思いました。

被害者だと名乗り出た者の言ったもん勝ち、みたいな状況が、本当に気持ち悪い。(この作中にはそんなシーンはなかったけど)



・YouTuber 雄二

こいつだけはまじで圧倒的クソ。
いやまぁ全登場人物みんな揃ってクソではあるのだが。

人の不幸で商売すんなまじで‼️
面白がってんじゃね〜〜‼️
としか思えない。

ミドリが持つ未熟な正義感とは真逆なんよ。
人の心がないんか。と。

雄二を演じている望月さんがうまいからこそ余計にそう思う。よく出せるよなあの胡散臭い感じをあんなにも。望月さんと一緒にシーン作ってみたいが過ぎる。染明色の時から言ってたけど。役割の果たし方がえぐい方。こういう俳優さんになりたいし、一緒にやりたい。




・那由他とベリーの病院シーン

那由他さん出てくるだけで喜んじゃう身体になってしまいました。なに居るだけでおもろいって。ずるい。

すっごい人生楽しそうなんだけど人としての深みもちゃんとあるのが凄い。
ベリーのこと全然相手にしてないくせにちょっと手出そうとすんのも。

うちのベリーもだけどこのシーンのベリーめっちゃ可愛いよね。年相応って感じがして。
龍村さんのベリーは、若さゆえにちょっとバカっぽいけど地頭は良さそうなのがとても良かった。


このシーンで那由他さんが語る長台詞こそ西村さんの言いたい事なのだろうなと思っている。
「役者も演出家もクリエーションするレベルじゃない」っていうのが日本の演劇のリアルなのだと思う。


那由他は小劇場をすごく下に見ているようだけど、「みんな遊び半分で集まってさあ… お芝居続けたくても、続けられないやつもいるんだけどな」というところには、言ってくれてありがとう。という気持ちになった。



・チャプター①のおわり 稽古場シーン

バラバラになった劇団。
私はもう秋山の気持ちもミドリの気持ちも分かりすぎて、最後の最後まで悩んで苦戦したシーンだった。

客観的にAチームのを見てもやっぱり辛かった。
やっぱミドリに感情移入したけど、きっとそうならない道もあったのに、何年も一緒にやってきた仲間がバラバラになっていく様は、本当に辛かった。


秋山の「あのな、被害者はこっちなんだわ、勝手に穴開けられて、集客も減ってさ」ってのも、ごもっともなんよ。
まじで何があっても降板は迷惑なんよ。金銭的に責任を背負うのは劇団の主宰だから。潤沢な資金があるならまだしも、小劇場の劇団なんていつもギリギリで回してるし、次回公演が当たり前に打てる団体なんてないのよ。
折角やってた稽古も全部無駄になって1から作り直し。稽古時間だって無限にある訳じゃないし、そもそもただでさえ限られた時間で稽古してたのに。本来やりたかった事が出来なくなるフラストレーションは、演者側のストレスとは全く別のストレスだ。

とはいえ。

出演者側としての意見もごもっともすぎて。
プロペラの心が折れたのは、そりゃそうだよなって。




え。まって???


ね〜〜。。。。

ちょっともう7000文字越えなのだが……
まだチャプ①終わりなのだが……(T^T)

ブログなげー(笑)
って言われちゃうよこんなん

はい

ちょっと、分けますね。すいません長々と。

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