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ドイツ人はがしゃどくろ。でも人の心がある。

みなさんこんにちは、にかです。
がしゃどくろをご存知でしょうか。
浮世絵に出てくる、サムネイルのがいこつおばけです。

ドイツ人って、基本的にみんな身長が高いです。僕より背の高いドイツ人をみると、いつも瞬間的にこう思います。「うわあ...がしゃどくろだ...

そう、悍ましく背の高い彼らは、まさにこのどくろに似たものに思えます。もちろん、いい意味ですよ。僕はがしゃどくろが好きなので。

人の心なんてないような浮世絵にドイツ人の表象を見出してしまいましたが、そんな彼らがしゃどくろにも人の心はあります。なんと、日本人以上に。

どういうことかというと、まず、日本にもたくさんいますね、「物乞い」。

中世の物乞い

多くの日本人は、駅に佇む彼らをみても、何もしない人が多いと思います。見て見ぬふりです。ぼくもそうです。彼らの周りは、まるで人の住んでいない大きな虫籠のような雰囲気です。

しかし、ドイツ人はどうでしょう。

先日、道端に一人の物乞いがいました。もちろん僕は無視して通り過ぎようとします。

すると、目の前に通りかかったのは、彼にコインを与える青年。さらにキャンディーを与える少女。

ドイツはこんなにも、物乞いに優しい世界なのです。いえ、母数は2ですから、僕の見た光景が稀だったのかも知れません。日本にも物乞いに優しい人はいるかも知れません。

『おくのほそ道』の中で、路傍に捨てられた号泣する赤ちゃんを見ても、それが運命と捉え敢えて助けなかった芭蕉ですが、こうした意識はドイツ人の心にはないというわけです。この是非を問うているわけではありません。

しかし、僕は突然、ドイツ人の隣人愛の強さをまざまざと目の当たりにしたのです。 

見知らぬ人に対する愛は、こんな白昼に、こんなにも人々の食卓や寝椅子に近く、力強く羽ばたいていたのです。少なくとも僕の今まで生きてきた日本ではありえない光景です。
そんながしゃどくろであるはずのドイツ人のさりげないしかし強かな動きは、僕のこころにけざやかな影を落としていきました。

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