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講義「アーティストになるための武器」

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過去に美術大学で講義した内容をもとに、画家・美術家になる方法を解説しています。ステートメント、CV、バイオグラフィーの書き方、ギャラリーの分類、展覧会の開き方など、アーティストと… もっと読む
美術雑誌の編集と美術コンクール運営の経験をもとに、画家・美術家をめざす方が知っておくべき事柄をまと… もっと詳しく
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#プロの画家になる秘訣

広島市立大学 濱元祐佳さん 【番外 ステートメント演習1】

広島市立大学での「ステートメントの書き方」の講義のあと、任意提出の課題「自作のステートメントを400字で書こう」を課した。 提出された第1稿に対して、西村がメールで質問し学生はやはりメールで答えた。一度に2〜3の質問、それに答える形式で数回に分けて質疑を往復。そのあと、学生は書き直して第2稿とし、西村は同じ情報から執筆してさらなる吟味の材料とした。 広島市立大学 濱元祐佳さんの第1稿「parent and child 」キャンバス、油彩 116.7×80.3cm 西村から

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東北芸術工科大学 伊藤百香さん 【番外 ステートメント演習2】

東北芸術工科大学での「ステートメントの書き方」の講義のあと、任意提出の課題「自作のステートメントを400字で書こう」を課した。提出された第1稿に対して、2〜3問ずつの質疑応答を往復し、書き直してもらった。西村も例となる文を書いて今後の参考としてもらった。 東北芸術工科大学 伊藤百香さんの第1稿《cogito ergo sum》 綿布、紙、和紙、アクリル絵の具、岩絵具 縦約3m 西村からの質問とそれに対する伊藤さんの回答第1信  質問1 モチーフは何ですか? 花なのか、

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第4講 CVとバイオグラフィー 〜客観的に自分を説明する

1 CVとは​何か

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第5講 ポートフォリオは2種類作ろう

1 ポートフォリオとは何か? 語源はイタリア語のPortafoglio(ポルタフォリオ)で「札入れの財布」のこと。そこから転じて英語のPortfolioは「書類を運ぶためのケース」を意味する。書類を綴じる前段階の状態であり、内容をまとめながらも、部分的に差し替えることを前提にしている。  場面や相手に応じてコンテンツを差し替えることが含意されている。 (金融用語でポートフォリオといえば、預金、株式、不動産といった資産の一覧を意味し、株のポートフォリオといえば所有・売買する銘

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第6講 名刺とポートレイト 〜アートをビジネスに変えるチャンスツール

 名刺はビジネスの第一歩である。  大企業ほどデザインを凝らすだけでなく、渡すときのマナーや扱い方にも気をつけて指導している。会社のイメージを左右するからである。アーティストの場合はデザイン力、独創性、画力、コミュニケーション力、人間力を示してチャンスを作る格好のツールである。 1 良い名刺とは何か?​ ・自分を覚えてもらう​名刺 ・連絡しやすい​名刺 ・仕事を依頼される​名刺 2 自分を覚えてもらう工夫とは? アーティストとして覚えてもらいたいのは名前、作品、顔である。

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第7講 画廊を知る 〜まずは見に行こう

 2回に渡って画廊について説明する。前編が「画廊を知る」、後編は「画廊にアプローチする」。 1 画廊の種類 画廊・ギャラリーは以下に分かれる。 ・商業画廊 ・百貨店の美術画廊 ・オルタナティブスペース ・貸画廊 ・その他(金融系ギャラリー、企業ギャラリー、店舗をもたない画商、オンラインギャラリー) 2 商業画廊 英語でいうコマーシャル・ギャラリー。企画展を催して作品を販売し、作品の売上で経営している。東京では銀座・京橋・日本橋・新橋エリアが最大の画廊街で、表参道、六本木の

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第8講 画廊にアプローチする 〜パートナーの選び方

前回の「画廊を知る」に続く後編です。ここでは商業画廊の取扱い作家になる道筋を説明します。 1 アーティストにとって画廊はエージェントでありパートナーである  作品を販売するだけならば、画廊(商業画廊、以下画廊)に頼らずとも作家自身でできなくはない。しかしそれができたとしても社会性に乏しく、アーティストとしての世間的認知はないに等しい。  画廊で展覧会を開き、作品が市場で流通することでアーティストとしての地位を築くことができる。(自分でプロモーションする方法については別に説明

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第9講 展覧会を開く 〜作品を買ってもらう

 幸運にも商業画廊で展覧会が開催できることが決まったとしよう。何をし、何に気をつけるかを説明する。 1 展覧会のプラン 展覧会はアーティストの主戦場であり、作家活動そのものといっていい。以下にしたがってプランを立てよう。 1 展覧会のテーマ、タイトルを決める​ 2 作品のサイズと点数​を割り出す 3 販売戦略を立てる 4 展覧会用のステートメントを書く。 2 会期前 作家の仕事は作品を制作することだけではない。画廊と相談しながらも、画廊任せにせず、日程に合わせて1つずつ

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第10講 DMハガキ 〜デザインに気持ちを込める

1 DMの役割 展覧会の案内を一般にDMという。個人宛の宣伝・告知の意で、ダイレクトメールの略である。紙のハガキをDMハガキと呼ぶ。最近は電子メールのDMも増えているが、ハガキの方が圧倒的に効果が大きいので、ハガキは現在でもDMの主流である。 (ちなみにSNSなどのDMはダイレクトメッセージの略で意味が異なる) 2 オーソドックスなタイプ 作品画像を裏面にメインに据えて、宛名面に会期​・会場・テーマ・コンセブト・略歴を配置することが多い。見やすく、好感がもてる。

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第11講 メディアに掲載される 〜お金をかけずに記事にしてもらう

 雑誌や新聞といった紙媒体、ラジオやテレビの放送、インターネットのニュースサイトなど様々な媒体に展覧会を掲載してもらうには大きく2つの方法がある。ここでは雑誌に絞って説明する。 1 広告 料金を払って誌面を買い取る。希望を伝えてレイアウトなどを指示することができる。広告主体はクライアントである広告主である。アーティスト個人が出稿することは少なく、多くは展覧会を企画する画廊や百貨店が広告予算を確保して出稿する。  画廊(百貨店)は広告費をかけることで広く展覧会を告知し、顧客

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第12講 お客様・コレクター 〜「見る」から「買う」への飛躍

 作品を買ってくれるお客さんとはいったいどのような人たちか、考えたことはあるだろうか。人が美術品に何を求めるのか、コレクターは何に惹かれているのか、考えてみよう。 1 美術好き=コレクターではない  美術品の購入者が美術ファンであることは当然だと思うだろう。しかしその逆は成り立たない。美術が好きな人のなかで、作品を購入する人はごく一部だからだ。美術館めぐりをする人は入館料を払って名品を鑑賞し、図録や画集や美術本を購入する立派な美術ファンである。大学で美術史を学んでルネサンス

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美術の本 【アーティストになるための武器 番外】

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第13講 表紙画・挿絵、絵本、カレンダー、画集

「小説の表紙を自分の絵で飾りたい」「挿絵を担当したい」「絵本を作りたい」「企業のカレンダーに採用されないだろうか」と願う画家は多い。そのほか出版に関わる疑問も多いようだ。どうすればいいだろう。 1 出版社に問い合わせる? 美術雑誌の編集者はよく、「出版社の知り合いの方はいませんか?」「小説などの本の表紙に起用されるにはどうすれば?」と聞かれる。結論からいうと、知り合いはいるが、私にもその人にも特定の画家の絵を表紙にしてあげる力はない。  理由は簡単で、仮に私が書籍の担当編

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第14講 英語は現場で覚える

 コンテンポラリーアートの中心はニューヨークとロンドンという2つの都市である。中国を除くと主要なアート先進国はほぼ英語圏と重なる。アジア圏のアートの中心が香港、シンガポールといったイギリスの影響下にある都市であることも偶然ではない。海外に出たり取引したい場合、必須となるのは英語である。英語をどう身につければいいだろう。 1 学校で学んだ英語 日本では中学3年、高校3年、大学4年の計10年間英語を勉強するが、それだけで英語を話せる人は数少ない。理由は簡単で、学校で学ぶのは話す

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