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第11講 メディアに掲載される 〜お金をかけずに記事にしてもらう

 雑誌や新聞といった紙媒体、ラジオやテレビの放送、インターネットのニュースサイトなど様々な媒体に展覧会を掲載してもらうには大きく2つの方法がある。ここでは雑誌に絞って説明する。

1 広告

 料金を払って誌面を買い取る。希望を伝えてレイアウトなどを指示することができる。広告主体はクライアントである広告主である。アーティスト個人が出稿することは少なく、多くは展覧会を企画する画廊や百貨店が広告予算を確保して出稿する。

 画廊(百貨店)は広告費をかけることで広く展覧会を告知し、顧客やコレクターにアピールするとともに、アーティストに対しても影響力を示すことができる。

 雑誌に定期的に出稿したり、展覧会ごとに出稿する画廊は社会的信用や業界内でのステータスも高い。美術雑誌を見るときは記事だけでなく広告もチェックしよう。

2 記事

 展覧会がプレビュー(告知記事)として展覧会の情報コーナーに載ったり、ニュースのコーナーやグラビアページで紹介されることがある。記事執筆の主体は編集部もしくは編集部員であり、料金はかからない(月刊美術の場合)。

 記者は寄せられたり自らキャッチした情報の中から厳選して(ときに取材して)記事を書く。執筆するかどうかは展示の話題性、作家の格や将来性、画廊との関係、誌面の都合などが加味されて決まる。
 プレビュー記事での告知はパブリシティ(広報)とも呼ばれる。

※ざっくりいうと有料なのが広告、無料なのがパブリシティである。「有料の記事」もあるがここでは深入りしない。

3 プレスリリースを書こう

 展覧会、イベント、新商品の発売などのニュースの掲載を期待して媒体向けに配信する文書をプレスリリースという。展覧会の場合は、会期・会場、展覧会のテーマといった客観的資料のほか、作家のコメントや見どころなどアピールポイントをまとめて作る。美術館、画廊、広報業務を委託されるPR会社は日常的にプレスリリースを作成して各所に配信している。
 無料なので、かけだしのアーティストは美術雑誌や美術新聞、地元の新聞などに送って告知の協力を求めることを薦める。編集部にDMを送っても「見にきてほしい」という意図は通じるが、「誌面に載せてほしい」という意志表示にはならない。プレスリリースで初めて掲載希望の意志が伝わる。

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