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どこに自分を置くのか〜障害の社会モデルから考える

今日は環境を選ぶ重要性について。

まずは一見関係ないことのように思える
トピックについて取り上げますが、
とても大切なお話です。

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障害の社会モデル

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福祉の世界には
「医療モデル」と「社会モデル」
という言葉があります。

医療モデルは
障害や疾病は皮膚の内側に原因がある
という考え方。
足が不自由で動きづらい
目が見えづらい
発達障害を持っているため生きづらい
など、これらはその人の障害に
問題があるという考え方です。

一方、社会モデルは障害や疾病は皮膚の
“外側“に問題がある
という考え方です。

例えば、車椅子で移動している方は
段差のある通路を移動することができません。
問題なのは段差がある通路を作った社会の方。
このような考えが社会モデルです。

例えばディスレクシア(読字障害)の
人たちは文字や文章を流暢に読むことが
とても苦手です。

通常の学校教育ではテストの問題文を
読んで答えるパターンがほとんどです。

ディスレクシアの子供たちにとっては
とても不利な条件となります。

しかし、問題文を読み上げてもらえば、
つまり「聴く」ことができる条件であれば
しっかり問題を解くことができる可能性が
高いのです。
(フリースクール時代の私の教え子が
そうでした。)

こういった教育の問題も
もしかしたら社会の側(取り巻く環境)に
問題があるのかもしれません。

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「印刷物障害」という新しい概念

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障害の社会モデルのいい例が
「印刷物障害(Print Disability)」という
概念です。

これは紙の印刷物(本や新聞など)が
情報を伝える媒体として
広く使われていることにより、
紙の印刷物にアクセスすることが難しいひとに、
その不利益が生じている障害を指します。

先にあげたディスレクシア(読字障害)が
一つの例ですね。

これは色々な対策によって
解決することが可能です。

例えば情報を紙媒体ではなく電子ファイルなどの
形式にすることでその障害をなくすことができます。

情報が電子化されれば、
たとえ「読み」に困難があったとしても
読み上げ機能などで「読み」の困難も
解決することが可能です。

視覚障害、肢体不自由、読み書き障害という
従来の障害名で障害を捉えてしまうと
その障害は個人の身体や特性によってもたらされるように
捉えられてしまいます。

しかし,印刷物障害という概念は,
障害を社会の側の問題として捉えることで
別の視点で見ることができます。

治らないものを障害と呼ぶため、
障害を個人の問題と捉える限り障害を
無くすことはできません。

しかし障害を社会的に捉えると、
社会やその仕組みを変えれば
障害はなくす可能性もあると言えます。

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世界一有名な恐竜博士

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環境によって障害も障害でなくなる。
環境によっては才能を発揮することができる。

自分に合う環境
自分の力を発揮できる環境を
選ぶことがとても大切です。

合わない環境のせいで
実力を発揮できないこともあります。

例えば
世界一有名な恐竜研究者である
ジャック・ホーナー氏は
ディスレクシアのため
読み書きに困難さがあり、
自身の親からも将来を
悲観されていました。

しかし、自分に合った
学び方を実践することにより
世界一有名な恐竜研究者として
その名を轟かせました。

映画版ジュラシック・パークの
全作品のテクニカルアドバイザーを務め、
物語の主人公アラン・グラント博士のモデルは
ジャック・ホーナー氏です。

それ以外にも
例えばスティーブン・スピルバーグ監督も
トム・クルーズもディスレクシアだといいます。

今では世界中にその名を
轟かせている人たちです。

元々才能があったのでしょう。

しかし、自分に合った環境、
自分の力を発揮する環境に
配置転換したからこそ、
世間をアッと驚かせるような
結果を手にしたのだと思います。

自分を一番活かせる環境はどこか。
常に自分に問いかけることが
重要だと思います。

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