読むTHINK #118 / ゲスト:米澤文雄さん(レストラン NO CODE オーナーシェフ)
今月は、2022年8月26日(金)に行われた最新のTHINKをダイジェストでお送りします。(写真追加しました)
今回のゲストは、シェフの米澤文雄さん。現在42歳で、高校卒業してすぐにレストラン業界に修行に入り、すでに25年近くの経験を持つ米澤さんは、コロナウィルスで業界が苦しい最中の2022年の7月にご自身初となるオーナー・レストラン、no code を西麻布に開業。THINKでは、ホストの谷尻誠との軽妙なやり取りの中で、抱腹絶倒のエピソード、ハッとさせられるモットーや、仕事をするうえでの大切にしていることなどが語られ、会場のオーディエンスも楽し気な表情で笑い声が絶えないトークになりました。
40万円持ってとりあえずニューヨークへ
まずは、やはり謎の多いニューヨーク時代のエピソードに話題の中心が移っていきます。米澤さんは2002年に、ノープランで単身ニューヨークに渡ります。所持金は40万。「いま考えるとなんでそんなお金だけで行けたんだろうと思いますけどね」と笑って当時のご自身のチャレンジを振返る米澤さん。しかも、その時はニューヨークで料理の仕事に就こうとは全く思っていなかったのだそうです。「英語も全然話せなかったし、ニューヨークいってちょっと英語でも勉強するか」くらいの気持で渡米...
米澤文雄さん(以下、米澤):
「楽しくて、2週間くらい経って、『あれ、お金が続かないかも』って」
それで、知り合いがレストランを紹介してくれて、これまでの日本での修行の甲斐あってその場で出された課題を難なくこなし一発合格。否応なくビザで許される範囲でレストランで働き始めたのがあれよあれよという間に、ミシュランの星が付く高級レストラン「Jean-Georges」の日本人初のスーシェフ(副料理長)に抜擢されるまでに。
谷尻誠(以下、谷尻):
「それで、どうやってジャンジョルジュのスーシェフになれたんですか?」
米澤:
「向こうには、当時スタジエ制度というのがあってですね、レストランが修行したい人を受け入れてくれるんです」
スタジエ制度は、今は無報酬労働になるからあまり聞かなくなったそうですが、要するに、あるレストランで働いている料理人が、もっと凄いところのレストランに修行に行けて、ひょっとしたらそっちが雇ってくれるかも?というアメリカンドリーム的な一面もあるようです。米澤さんも、料理をするつもりで渡米しなかったのにそこはやはりご自身の料理人としての好奇心が徐々に彼を本気にさせます。いろんな店に週末ごとに出入りし、或る時、意を決して「Jean-Georges(ジャンジョルジュ)」の門をたたくのです。
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