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読むTHINK #118 / ゲスト:米澤文雄さん(レストラン NO CODE オーナーシェフ)

今月は、2022年8月26日(金)に行われた最新のTHINKをダイジェストでお送りします。(写真追加しました)

告知資料より:
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THINK 118
日時:8月26日(金)開場 19:00~
開演 19:30~21:30
会場:広島市中区舟入本町15-1 サポーズデザインオフィス3階
会費:1,000円(予約不要)
FacebookイベントページURL→ https://www.facebook.com/pg/SupposeDesignOffice/events
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Profile
米澤文雄 / FUMIO YONEZAWA
株式会社No Code代表取締役 イタリアンの草分け的存在である「イル・ボッカローネ(恵比寿)」で経験を積んだ後、2002年に単身ニューヨークへ。人気の日本食レストランなどで働いた後、同年ミシュラン三ツ星レストラン「ジャン・ジョルジュ」に。その類稀なる感性がスターシェフのジャン・ジョルジュの目に留まり、絶大な信頼を受けわず3年で、日本人初のスー・シェフに抜擢される。2007年の帰国後は都内のレストランでシェフ歴任。2013年Jean Georges Tokyoのシェフ・ド・キュイジーヌ(料理長)に就任。2018年には「The Burn(ザ・バーン)」をオープン。また、障害者施設や社会貢献活動に対してシェフという立場で食を主軸にボランティア活動をしながら支援をし続けている。2020年7月に広尾にオープンした「EAT PLAY WORKS」で中東系ベジタリアン「Salam(サラーム)」レストランとNYミシュラン1つ星のメキシカン「Oxomoco(オショモコ)」のプロデュースを手掛ける。現在はモダン・アメリカン料理 No Codeを2022年7月にオープン。著書にシェフとしては日本でも初めてのVegan Recipeも出版。Dean&DelucaのFood Directorとして、メニュー監修も手掛ける。またオンラインサロン[closetable]主宰。
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今回のゲストは、シェフの米澤文雄さん。現在42歳で、高校卒業してすぐにレストラン業界に修行に入り、すでに25年近くの経験を持つ米澤さんは、コロナウィルスで業界が苦しい最中の2022年の7月にご自身初となるオーナー・レストラン、no code を西麻布に開業。THINKでは、ホストの谷尻誠との軽妙なやり取りの中で、抱腹絶倒のエピソード、ハッとさせられるモットーや、仕事をするうえでの大切にしていることなどが語られ、会場のオーディエンスも楽し気な表情で笑い声が絶えないトークになりました。

ーー定期購読マガジン THINK BOOK について
THINK BOOK は,読む "THINK" です.Suppose Design Office の谷尻誠が毎月魅力的なゲストを招き「"考える"ことを考える場所」として開催しているイベント"THINK"を読み物として再構成してまとめています. 多彩なゲストとの間で繰り広げられる本音のトークはここでしか聞けないヒントがたくさん詰まっています.過去100回以上に及ぶ記録資料などの掘り起こしを含め,月に2回程度,定期購読マガジンとして掲載します.ぜひ定期購読していただいて,皆さんの日常をTHINK するきっかけにしていただければ幸いです.(谷尻誠,西尾通哲:共同編集)

40万円持ってとりあえずニューヨークへ

まずは、やはり謎の多いニューヨーク時代のエピソードに話題の中心が移っていきます。米澤さんは2002年に、ノープランで単身ニューヨークに渡ります。所持金は40万。「いま考えるとなんでそんなお金だけで行けたんだろうと思いますけどね」と笑って当時のご自身のチャレンジを振返る米澤さん。しかも、その時はニューヨークで料理の仕事に就こうとは全く思っていなかったのだそうです。「英語も全然話せなかったし、ニューヨークいってちょっと英語でも勉強するか」くらいの気持で渡米...

米澤文雄さん(以下、米澤):
「楽しくて、2週間くらい経って、『あれ、お金が続かないかも』って」

それで、知り合いがレストランを紹介してくれて、これまでの日本での修行の甲斐あってその場で出された課題を難なくこなし一発合格。否応なくビザで許される範囲でレストランで働き始めたのがあれよあれよという間に、ミシュランの星が付く高級レストラン「Jean-Georges」の日本人初のスーシェフ(副料理長)に抜擢されるまでに。

谷尻誠(以下、谷尻):
「それで、どうやってジャンジョルジュのスーシェフになれたんですか?」

米澤:
「向こうには、当時スタジエ制度というのがあってですね、レストランが修行したい人を受け入れてくれるんです」

スタジエ制度は、今は無報酬労働になるからあまり聞かなくなったそうですが、要するに、あるレストランで働いている料理人が、もっと凄いところのレストランに修行に行けて、ひょっとしたらそっちが雇ってくれるかも?というアメリカンドリーム的な一面もあるようです。米澤さんも、料理をするつもりで渡米しなかったのにそこはやはりご自身の料理人としての好奇心が徐々に彼を本気にさせます。いろんな店に週末ごとに出入りし、或る時、意を決して「Jean-Georges(ジャンジョルジュ)」の門をたたくのです。

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2020年1月で109回を迎えたTHINK。 これまでのアーカイブを読むTHINKとして届けていきます。 活躍する方の思考の共通項と差異を客観的視点から考察します。

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