震災から11年
今回の読むTHINKは、2011年10月に実施された写真展について、写真家の藤代冥砂さんをお招きしてのトークを、アーカイブから掘り起こします。2011年、震災から7か月後の広島での写真展『福島』。当時の生々しさが蘇ります。話の中で「コンセントの向こう側を想像する」という言葉が出てきます。あれから11年が経過した私たちの生活は、あの時想像したものとどう変わっているのでしょうか。
谷尻誠(以下、谷尻)
今日のゲストは、写真家の藤代冥砂さんです。東日本大震災のあと、ご自身で現地に向かわれて撮影された写真やそこで現地の人と話されたことを、各地で伝える活動をされていて、今回広島にお越しいただきました、よろしくお願いします。
ガイガーカウンターを持って単独福島へ
藤代冥砂さん(以下、藤代)
今日は自宅のある葉山から来ました、ある意味では、沖縄から来ました、とも言えます。東京での暮らしに疑問を抱き、放射能から避難するように沖縄にも暮らしを構えて、2拠点で生活しています
いま紹介に合った通り、震災から4か月後に福島に約1週間ほど滞在してきました。そこで撮影した写真を見ていただきます。
やはり放射能が心配だったので、ガイガーカウンターを持って、ひとりで行きました。
加えて、Twitterで得られた人脈を手掛かりに人を訪ねて、福島の人と対話の中で写真を撮影していきました。今日はそれをご覧いただきながら、現地の人たちが語ってくれたことをお伝えしたいと思います。
(藤代さんの朗読の最後の部分)
「福島を見て感じた、ざらり、とした口の中の感覚は数年、もしかしたら10年先も残るかもしれません」
その後、谷尻さんと藤代さんのトークが始まった。