【詩】サービスエリア
雨降る夜のサービスエリアで
君とホットコーヒーを飲みたい
ヘッドライトの乱反射に目を細めて
過剰に熱いコーヒーを啜って
雨音と水蒸気にけむる景色を君と楽しみたい
きっと心は寄り添って
布越しの体温がどんな時より愛おしい
言葉少なにコーヒーを啜る
パーキング横の遊歩道
少し歩くのもいいじゃないか
茂みの闇のあたたかさ
差し込む光が闇を強める
葉から溢れる雫の音に
深く呼吸する
傘はささずに車に戻る
照明灯に照らされて
霧雨がベールのように
僕ら二人を包み込む
なぜだか君の顔は見られない
このサービスエリアで
ずっとこうして雨に濡らされ
温もりに寄り添っていられたら
なぜだか何も話せない
目的地なんて忘れて
ずっとこうして景色を眺めて
コーヒーを啜っていられたら
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?