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【えーる】懐に忍ぶ相棒

山口県周南市鹿野を応援する地域団体「まちづくり応援団えーる」としての活動を開始したのは平成21年のこと。元号が変わる年にちょうど10年、令和3年2月で丸12年が過ぎた。

気が付けば干支が一周するほどの間、ひたすら地域情報紙を発行し続けているのだが、長く続けていくうちに自分なりの心構えというか、そういうものを確立するに至った。

今回、「わたしの舞台裏」というお題をいただくにあたり、その中から特に「機材」に焦点をしぼって書き綴ってみたいと思う。

また、今回は脇道に逸れてしまうため詳しくは紹介しないが、こうした活動を始めたきっかけなどについては、プロフィール設定しているこちらの記事を参照いただきたい。

ひのきのぼうで魔王は倒せない

弘法筆を選ばず、という言葉があるが、そうは言ってもきちんとした機材をそろえることは、凡人たる自分には必要なことである。某RPG風に言えば、見出しの言葉のようになるだろう。装備は大事なのだ。

活動開始した当初は原稿作成はMicrosoft Wordを使用し、写真は携帯電話("スマホ"ではない)のカメラ。印刷機は、公民館の輪転機だった。もともと飽きっぽい性分だから、どのくらい続くのかわからない活動にそれほど金を割く度胸もなかったのである。

だが、長くやっていると、よりハイレベルなことをしたい、鮮明な画像がほしい、と欲が出てくるものである。いろいろと買いそろえてしまった結果、初めて作った地域情報紙と最新版は、以下ほどの差異がある。

もちろん、wordなどでも熟練することでかなり素晴らしいレイアウトを作成することができるが、当時はまだ技術が追い付いていなかった。
グリッドも合わず、写真に文字をかぶせるといった、今では基本として使っているスキルも持っていなかったから、ことさらに「Wordじゃ変な感じになるから厳しいな……」という思いがあった。
その後、DTPソフトを経て、今はAdobe製品にいきついた。
当時の自分にとっては、Photoshopであるとかillustratorであるとか、そういうものは何か別次元の人間が使いこなす伝説のアプリのようなイメージだったが、気が付けばそれらを駆使して写真を編集したり、ロゴを作ったりしている。
とはいえ、まだ100%使いこなせてはいない。これからも精進あるのみ、である。

カメラも、当時の携帯電話は200万画素程度しかなかった。画素だけが全てではないが、今のスマホは1200万画素だったはずだから、現在の1/6の画素数で記事を作っていた。
少しでも引き延ばすとノイズがすさまじく、すぐに粗が見える写真になってしまっていたものだから、今の一眼レフカメラを構えるようになってからは、その性能差と技術の進歩に感心するばかりだ。
少なくとも、まともにピントを合わせて適切に撮影できれば、画像の粗さで悩むことはまずなくなった。

印刷についても、当時はカラーではなく輪転機の黒インクで作成していた。
とにかく安く仕上がるのがありがたいのだが、紙面はものすごいことになる。写真が濃い色ばかりだと、最悪の場合黒一色のベタの塊ができることもあり、何度かインク濃度を調整しながら作成しなければならなかった。
公民館で提供されているものだから、時間制限や、場合によっては使用待ちをすることもあった。
活動初期を支えてくれたありがたい設備ではあるのだが、これも続けるうちに欲が出てきて、いつの頃からかネット印刷に切り替えた。
鹿野は人口が極めて少ないから、新聞折込で配布する地域情報紙自体も1000部も印刷していない。両面フルカラーにしたところで、何万円も支払う必要はないから、小遣いの範囲内でも十分に対応することができるのだ。
なにより、深夜に完成した原稿を家にいながら入稿までもっていけるのは大変ありがたい。

最強の機材はスマートフォン

だが、Adobe製品をインストールし、ネットにつながって入稿までできるパソコンにしろ、鮮明な画像が撮影できる一眼レフカメラにしろ、例えばそれを常時持ち歩くのか? といえば、それはNOだ。
パソコンはノート型だが、大型のため持ち歩いて使用することはほぼない。一眼レフカメラは取材のたびにもちろん備えてはいるものの、仕事でも使っているのでうっかりすると忘れてしまう可能性がある。

なので、自分はスマートフォンに並々ならぬこだわりを持っている。

取材のネタはいつどこから現れるかわからない。いかに一眼レフカメラが優れていようとも、手元にないなら使用することはできない。
だが、いくらなんでも、この現代社会においてスマートフォンを携帯しない、という日はまずない。
仕事の日も、休日のお出かけにも、ほぼ間違いなく携帯しているものだ。

現在は、冒頭の写真にもあるgalaxy note9を愛用している。確か、2019年の夏までには手にしていたような記憶があるので、2年以上はこの機種を愛用している。
これを選んだ理由は、
・画面にペンでメモが取れる(取材時にノート代わりに使える)
・状況しだいで一眼レフカメラを凌駕するカメラ性能
・それらがコンパクトにまとまっている
と、まさに常時携帯し、取材に備えるための機種だ。

実際、ペンでメモがとれ、カメラが高性能であることが、この機種を選んだ理由なのだ。スマートフォンとしては高額な部類に入るが、それに見合った性能で取材活動を支えてくれた。

実ははるか昔からgalaxynoteを愛用していて、note2、edge、8、9と、取材のためだけにこのシリーズを選択し続けている。note8までは一眼レフカメラを持っていなかったこともあり、スマホだけで取材に飛び込んでいたのを覚えている。

今は、メインの撮影こそ一眼レフカメラに譲っているが、メモ機能は現役であるし、カメラ機能もサブカメラとして活躍している。実際、noteにも、いくつかスマホで撮影した写真を掲載している。

弘法筆を選ばず、さりとて我、弘法にあらず。
そんな凡人の自分は、懐に忍んだ相棒にもこだわりを持っているのである。

#わたしの舞台裏

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