見出し画像

【5分で読めます】知らないと損⁈スーパーなどお買い物で「高い・安い」と言った価格の違いは質の違いだけじゃ無かった⁈

スーパーなどお買い物する際に、「高い・安い」と言った価格の違いで、購入したり、購入を躊躇ったりしたことはありませんか?

もちろん質が良い、それほどでもないにより、価格の違いが生まれています


しかし、見えている価格の違い、つまり高い、安いと言った違いは、実は原産国など貿易上の影響により、顕著に価格の違いが生まれます

ポイントは原産国、関税(関税率)、経済連携協定(自由貿易協定)です


もっと平たく言えば、国と国の関係性によって、価格に大きく影響を与えるくらい変わるという事です


※原産国については、前に投稿したこの記事を参照ください


◆比較対象事例1 〈牛肉〉 オーストラリアとアメリカ


少し前の事を思い出してください

随分と前から、オーストリアの牛肉(オージビーフ)は、アメリカの牛肉と比べて安いと思ったことはありませんでしたか?


牛肉の関税率は、本来38.5%です

何があったのかと言うと

時は2015年1月、日本はオーストラリアと経済連携協定である日豪EPAを結びました

これで何が変わったかというと、本来関税率38.5%が冷蔵30.5%、冷凍32.5%と劇的に引き下げとなったのです

その後も関税年々引き下げとなり、オーストラリア牛肉のシェアが広がり一般的になり、消費者価格に転嫁されて、結果的にどんどん安くなっていったのです


時は2018年12月、オーストラリアと日本の両国も入っていたTPP(環太平洋パートナーシップ協定)が結ばれた事で、さらなる関税の引き下げとなりました

※当初アメリカも入っていましたが、離脱して後に日米貿易協定を単独で結ぶことになります 詳しくは後述

当時をよく覚えている方にとっては、オーストラリアの牛肉が、アメリカと比べて、価格の違いとしてより安く見えたと思います


※その後、時は2019年1月、日本はアメリカと日米貿易協定を結びました

これにより、同じく本来の関税率38.5%から、 28.5%まで(当時のオーストラリア産牛肉の関税と同じ率まで)一気に関税が引き下げられました

※今現在のオーストラリアとアメリカにかかる牛肉の関税率は、共に25%(TPPと日米貿易協定にかかるもの)となりました


それまで大きく価格の違いがあったオーストリア産牛肉とアメリカ産牛肉に、これで違いとなる大きな要因だった関税が引き下げられた事で、結果的に、今現在はオーストラリアとアメリカ双方の価格に、結果大きな違いはなくなったのです


資料リンク1 日豪EPA(経済連携協定)

https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000044357.pdf

資料リンク2 日米貿易協定

https://www.maff.go.jp/j/chikusan/shokuniku/lin/attach/pdf/index-396.pdf

資料リンク3 TPP

https://www.maff.go.jp/j/kokusai/tpp/pdf/2-1_5hinmoku_kekka.pdf



◆比較対象事例2 〈ワイン〉チリとフランス・イタリア等のEU諸国


これも少し前の事を思い出してください

随分と前からチリのワインは、フランスや・イタリア等のEU諸国と比べて、安いと思ったことはありませんでしたか?

安いということは、質が良くないとか思っていませんでしたか?

実はこれも、経済連携協定による関税と原産国が関係していたのです


ワインの関税は、本来「15%又は125円/lのうちいずれか低い税率」です

2007年9月に日本とチリによる日・チリ経済連携協定が結ばれ、12年間での段階的関税撤廃として、年々関税が引き下げられ、2019年4月には関税撤廃つまり関税が0%になったのです

これにより、結果的にチリワインのシェアが一気に広がり、フランス・イタリア等のEU諸国と比べても、更ににはそれ以外の国と比べても、消費者価格が下がった様に見えた為、かなり安く感じられたのです


※その後、2019年2月にフランス・イタリア等EU諸国と日欧EPAが結ばれ、15%又は125円/lのうちいずれか低い税率から、こちらは即時撤廃され、関税が0%になりました

このことにより、チリ、フランス・イタリア等のEU諸国共に、関税が0%となった為に、全体的に小売価格が安くなったと感じられる為、関税の影響による価格の違いは無くなりました


資料リンク 日チリ経済連携協定

https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/j_chile/pdfs/gaiyo.pdf

資料リンク 日欧EPA

https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000415752.pdf


結論

今皆さんが見えている高い・安いと言った価格の違いは、一概に質の違いとは言えず、往々にして原産国、経済連携協定、関税(率)の理由が大きく関係しています


つまり国と国の関係性が、思っている以上に、私たちが見えている価格に大きな影響を与えているという事です


高い・安いと言った価格の違いがあり、かつ原産国に違いがある場合は、質の違いではなく、この国と国の関係性の違いによる影響だと安心して購入して頂ければ良いかと思います。

知って頂いた事により、今後迷う事が少なくなるだけでなく、お子さんやご家族に対しても、なぜこれを選んだかを説明できる様になれば、ご自分の選択に対して自信と確信になると思います。


最後まで読んで頂きまして、ありがとうございました


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?