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恋の残り香vol.3 : 「愛おしい」なんて言われたら忘れられなくなってしまう

嘘じゃなかったって思える
最後の記憶はどれなんだろう

なくなっていくことにすら
流れていくことにすら
変わっていってしまうことにすら
気付けなかった私だから

嘘じゃなかったかどうかすら
曖昧になってしまう

一つだけ
きっと本当だったと信じられるものがあって

貴方が「愛おしい」と言った
あの日の体温だけ
ずっと信じられるの

もしかしたらあれが
貴方が覚悟した日だったのかもしれない
あれはきっと今までで一番
ロマンチックな夜だった

何日なのかも
いつなのかも
もう思い出せないの
もっと大事にすれば良かったのかな

ありえないぐらい
暑い夜だった
あの日の体温はきっと嘘じゃない

バカみたいな夜だった
大切にしてくれてたってこと
信じてられるの

少なくともあの日
あなたにとって私は大切だったって

重くて熱くて
幸せだった

肌寒い日だった気がする
不自然に暑いロフトの上のお話

間違いなく幸せで
大切だった

あの日確かに、
私は貴方にとって彼女だった
それだけでもう十分だと
言える女でありたいの

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