【文化】「伝説」は「民族観」の最たるもの――温泉伝説について


温泉にも伝説があることをご存知だろうか。

「動物伝説」 湯のなかで動物が傷を癒しており発見された説

「宗教伝説」 弘法大師が杖をたてたら湯が沸いたという説

「山仕事伝説」 山仕事の人が源泉を発見した説

おおよそ3ジャンルに分かれる伝説が残っており、

これら全てに「自然信仰」「仏教信仰」が関わっている。


そして、温泉は日本人にとって特別な存在である。

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日本の温泉は、環境庁が名簿で登録・管理している。

登録数は「約2400か所」だが、実際には未登録の温泉も多く、

実数は5000か所にのぼると予想する登山家もいる。


実はドイツも温泉大国と呼ばれているのだが、

温泉の総数は約200か所である。

しかしながら「温泉療法」に非常に関心の高いことが有名で、

日本の大分県「直入町」とドイツの温泉都市は姉妹都市を結ぶほどの仲である。

ただし、混同してはならないのは、

日本の温泉が「霊的」な存在なら、ドイツの温泉は「医療」なのである。

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一方で、日本と同じ火山大国のニュージーランドは、

ドイツより日本に近い感覚で、温泉文化を持っている。

なぜならば、先住民族「マオリ族」の文化として継承されているからである。

しかも、現地の人々は有料の温泉施設には行かない。

森や山の中にある、源泉にわざわざ浸かりに行くというのだ。

皆さんもお察しだろうが、マオリ族は「自然崇拝」である。

霊的な温泉を抱えるニュージーランドの人々とは、通じ合うものがあるかもしれない。



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