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通りに面した1階の事務所に一目惚れ

住んでいる所には寝に帰るだけというのではつまらなすぎると思いませんか?住んでいる街が楽しければもっと充実した毎日になるはずです。ではどうしたら楽しい街になるのか。いろいろな方向から考えてみましたが、活気のある商店街がどうしても必要だろうというのが結論です。商店街は大規模なショッピングモールやネットの通販に押されて寂れていく一方ですが、いろいろな方法を試して再活性化に成功しているケースもあります。僕はやり方次第だと思っています。

ただ、そんなことを考え始めた当時はコンピュータのシステム開発の仕事をしていて(まだ今もしていますが)商店街活性化のノウハウなどまったくありません。とりあえずあちこちの商店街をうろうろ見て回ったり、何冊か本も読んでみたりしたのですがどうもピンとくる話に出会えずしばらくは悶々としていましたがそんなある日、壱岐坂を上がりきったあたりの横道にテナント募集の案内が貼られた空き事務所を見つけます。間口は4mほど、奥行きは結構ある感じで床面積は10坪ぐらいでしょうか。通りからガラス越しに中が見えます。通りの先にはイオングループのスーパー(まいばすけっと)があり、細い道にしてはそこそこの人通りがあります。こんな所でいろいろ試してみたら面白いだろうなと思いましたが、通りに面した1階に事務所を借りるなど当時の僕にはかなりのハードルでした。

はじめてその物件をみたのは2月頃だったかと思います。その後も気になって気になって何度も偵察に行き、そのたびに借り手がついてないことを確認してホッとするなど3ヶ月あまり、とうとう5月の連休明けに意を決して問い合わせ先の番号に電話して賃料を聞いたところ、税込みで月額129,600円、礼金敷金各2ヶ月分とのこと。それから悩みに悩んで借りることを決断したのは1ヶ月後の6月でした。6年前のことです。

通りに面した1階に10坪の事務所など言うまでもなく、1人でITの仕事をするにはめちゃめちゃ贅沢です。しばらくは家賃を払うために必死に働くき、たまに知人を呼んで事務所で飲み会をするといった日々が続きました。並びのスーパーは夜12時まで開いていて酒もつまみも程よく揃っています。商店街の近くに飲み会ができる事務所というイメージどおりの場所はゲットしました。次はそこからどうやって仲間を集めるかが問題です。文京区に戻ってきて4年ほど経っていましたが、当時は区内に知り合いがほとんどいませんでした。手当たり次第というか、いきあたりばったりにいろいろなことをやってみてもどうも仲間ができません。ある日、宮崎県に住む大学同期でかつてのバンド仲間のキヨタケ君から声がかかります。地域活性化なんて東京より田舎の方が分かりやすいんじゃないか?と。それならということで宮崎へすっ飛んでいきました。「人を巻き込めないと悩んでる奴はとりあえず何でも巻き込まれてみろ」というわけです。キヨタケ君に合うのは30何年かぶりです。さてさて、どんなことになりますことやら。

(続く)

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