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HONGO22515のこれまでとこれから(その5)

タケガタはこれまでにいろいろな地域活動に関わってきました。現状でスタッフとして参加している活動には次のようなものがあります。

【文京まちたいわ】
文京区で活動するメンバーがお互いにゆるくつながるための活動
【B-ぐる友の会】
文京区のコミュニティバス「B-ぐる」を勝手に応援する会
【みんなのアルバム】
古い写真に残された地域の風景や人物をデータ化して残す活動
【ずうむ友の会】
スマホの相談会を通じて高齢者が孤立しないように繋がりを作る活動
【トーキョーコーヒー】
学校に行かない子どもと会社に行かない大人の居場所づくり
【RUN伴+文京区実行委員会】
認知症サポーターを増やすために当事者と支援者が伴に走る(歩く)イベントの企画運営

まぁちょっと、明らかにやり過ぎなんですが、最終的に目指しているのは「地域で楽しく暮らすための仕組みづくり」なんです。そんな話をあちこちでしていると「政治家になったらいいんじゃないの?」とよく言われますが、僕は世の中を変えるのは政治ではなくテクノロジーだと思うのです。それが良いかどうか人によって意見があると思いますが、実際に起こっていることを見ると、政権が変わっても世の中が変わることはなく、その一方でインターネットや携帯電話・スマートホンの普及で社会の様相は大きく変わってきたように思います。

僕が高校生の頃、世界史の授業は板書をほとんどしないでボソボソ喋るスタイルの久保先生という方でした。授業を聞く生徒はほとんどおらず、寝るか、早弁か、予備校の宿題をする時間に宛てるという感じでした。僕は何とはなしに聞いていることが多かったのですが、ある時、久保先生が「人間とは死に向かって生きる存在です。死んだ時が人生の完成なのです」と言うのを聞いて衝撃を受けたことを今でも覚えています。それ以来、人生は最後が一番大事だと意識しながらこれまでやってきました。今やっている地域活動も全部そこにつながっています。

今僕の中で最も大きな課題感があるのは「高齢者を家族で介護する負担が大きすぎる問題」です。特に認知症が悪くなった家族がいると家で介護するのは本当に大変です。介護施設に入れてしまえば良いという考え方もありますが、良い施設に入るにはそれなりのお金がかかり、安く入れる施設は誰もが入りたくなるような場所ではありません。介護事業の仕事をしている友人に話を聞くと「決められた時間で相当な量の作業をこなす必要があり、利用者の要望を聞いている余裕がない」と言います。人生の最後の時期がそんな雑な扱いで良いのでしょうか?

今後、高齢者の割合がますます増え、一人当たりにかけられる福祉の予算はどんどん減っていきます。お金で介護の問題を解決できるはずがありません。介護がビジネスである限り、状況を良い方向に反転させることは、どうやっても無理でしょう。ならばどうするか。

「地域の中でお互いさまの精神で助け合う」ことが唯一の解決策だと僕は思います。僕ら日本人は「お金持ちだけが良い暮らしをする」社会が良いとは思っていません。なんでもかんでも「お金で解決すればよい」と思っている人は多くないはずです。ところが、お互いさまで助け合うための地域のつながりがとても弱くなってしまっています。玄関に表札を出す人が少なくなり、隣に住んでいる人の名前を知らないということも少なくありません。どうやったら地域のつながりを再生できるか、僕はコンピュータ・エンジニアなので、システムの視点からこの問題を長い間考えてきました。

その結論として、今取り組んでいるのが「ストリート・ライフ・プロジェクト」です。これは「誰にでも使いやすい地域SNS」と「地域の人が孤立しないための居場所」と「お互いさまで助け合う潤滑剤としての地域通貨」を組み合わせて「住んでいる地域を楽しくしよう」というものです。コロナ感染症で思うように仕事に出られない時期が続いたので、ピンチはチャンスと部屋に引きこもり、システムの開発を始めました。手持ち資金と政府からの給付金を使い果たし借金をしてようやくSNSの試作版が完成したのが去年の5月の連休明けぐらいの頃でした。

ストリート・ライフ・プロジェクト

実は以前にもSNSを作ったことはあったのですが、ユーザーのコミュニティを作ることがどうしてもできずに頓挫してしまったという苦い経験があります。それもあってコミュニティ作りを重要な課題と位置づけ、地域活動にも積極的に参加しているわけです。ただ、システム開発とコミュニティの維持と活動資金のための金稼ぎ仕事を同時にやっていくのはかなり大変で、この2月にはとうとう資金が底をついて家賃が払えなくなり、個人の銀行口座を公開してカンパを募るという事態に追い込まれます。

3ヶ月を立て直しの期間として必要な運転資金150万円を目標にお願いしたところ、快くカンパに応じてくれた仲間80人から合計で約168万円を支援していただき、2月、3月、4月はそのお金でなんとかなりました。去年受注してほぼ終わっている3ヶ月分の仕事の売上が5月には入ってくると見込んでいたのですが、これがちょっとどうなるか危うい感じになっています。しかし、80人から応援してもらっている身なので後に引くわけには行きません。ここがふんばり所です。

つなぎ資金を少し借りて、しばらくは受注仕事を増やすなどしないといけませんが、まだまだ粘ります。システムの開発もしばらくストップしてしまっていましたが、なんとか再開しようと思っています。プレゼンの壁打ちもするのでお時間のある方は付き合ってください。来年は還暦です。50代最後の老体に鞭打って頑張ります!

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