記憶の中の女の子

みなさん病院は好きですか?
好きだと言う人はそうそういないと思うけど、私は病院に愛着があると思う。

私は口蓋口唇裂という未発達な状態で生まれてきた。だから手術の為に、入退院を繰り返してきた。

今日はその入院してた時の話。

私の隣の病室に、私よりも少し年上の女の子がいた。
私は当時小学2年生、だから多分相手は小学6年生?ぐらいかな。

何故かはよく覚えてないけど、その隣の病室の女の子と仲良くなった。
もう名前も顔も覚えてないけど、3つ程印象的な記憶があって、
1つ目が、その女の子は、プーさんのパジャマを着てたこと。
2つ目が、私が病室のテレビが見れなくなっちゃったから、一緒にその女の子の病室のテレビで『名探偵コナン』を見た事。
そして3つ目が、母親とその女の子と一緒に病院内にあるピアノの伴奏を聴きに行ったこと。

たまにその女の子を思い出す。

話は少し変わるけど、『僕らがいた』という漫画をご存知だろうか?
『僕らがいた』という漫画の登場人物である矢野が、こういうセリフを吐く。
「人間の記憶なんていい加減なんだ 色のついてないものにも色を見たり 勝手に脚色したり 美化したり… 実際にあったこと以上の意味を与えたりする …だからオレは 「美しい思い出」なんて信じねー…」
というものだ。

この記憶に残ってる女の子も、もしかしたら嘘かもしれない。
本当はプーさんのパジャマなんか着てないで、Tシャツだったかもしれないし、一緒に『名探偵コナン』なんか見てないかもしれないし、ピアノの伴奏を一緒に聴いたのは母親だけだったかもしれない。

その女の子自体が、もしかしたら私のイマジナリーフレンドだったのかもしれない。
本当の事はその時じゃないと、分からないものだね。

もし、今もその女の子がどこかにいてくれたら、元気で過ごしてほしいなぁと思う。

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