上海乗り継ぎが難易度高過ぎな話

※この記事の内容は2019年4月末の出来事です。

私たちがパリへ向かう為に取った航空チケットは中国乗り継ぎのものだった。
上海空港で乗り継ぐのだが、中国東方航空の便からエールフランスに乗り換える為、一度チェックインし直さなければならないというもの。
乗り継ぎ時間は2時間半。
旅慣れている方ならわかると思うが、かなりハードである。

中国に降り立つのは初めてだったが、どのサイトを見ても上海空港の乗り継ぎは難易度が高いだとか、中国東方航空の評判の悪さとか、我々の過去の旅の前科(飛行機も新幹線も乗り逃し経験済み)とか…まあ簡単に言うと「ヤバそう」という感じだった。

飛行機が少しでも遅れようものならこの世の終わり感があった為、定時に成田空港を離陸した時にはかなり安心したし、Nとは「待て待て安心するのはまだ早いぞ」とお互いに危機感を持たせ合った。

無事に上海空港に着いた。さて、2時間半で私たちがしなければならないことは、

①入国審査
②預けた荷物ピックアップ
③搭乗手続き(再度荷物預ける)
④手荷物検査
⑤出国
⑥搭乗

まあ当たり前なんだけどやることが多い。
しかも①〜⑤までどれも並んで待ちの時間がある可能性大。スリルあるぅ！

結論から述べると飛行機には乗れたが、上海空港マジで本気過ぎました。
今後「2時間半で上海乗り継ぎするんだ〜」って言ってる人いたら「上海空港はガチだよ」って教えてあげたい。

＊指紋認証で頭が狂いかける

上海空港に到着してすぐ、入国する前に指紋認証の機械が設置されていた。パスポートと指紋を合致させるらしい。未だに中国以外の国ではこんなのやった事ないが、とりあえず全てにおいて焦らないと怖かったので、周りの日本人達に流されるように訳も分からず機械の元へ。

言語を日本語に設定し、まずパスポートをスキャン。機械の音声ガイダンスに沿って指紋を取る。

「左手の、4本の指をかざしてください」

「右手の、4本の指をかざしてください」

「両手の、親指を、かざしてください」

………完了。

指紋認証機(?)が何台も並んでいるのと、音声ガイドの音がバカみたいにデカいのと、日本からの飛行機だからというのも相まって、このカタコト日本語ガイダンスを一生分聞いた。

少し歩いて、入国審査に並ぶ。
順調だ、よしよし…いけるぞ…と思っていた矢先、

「左手の、4本の指を…」

待ってあの声……また聞こえる…？？

幻聴か？聞きすぎて耳が狂ったか？と思ったけどぜーーーーんぜん幻聴じゃなくて入国審査時にまた指紋認証するというシステムでした。(さっきのは登録で、今回が本番みたいなイメージ？)まじで頭おかしくなったかと思った。

※ちなみに私は何故か入国審査時の指紋認証が上手くいかず、税関のおじさんに出来ねぇな…みたいな顔された後各国でやる普通の顔認証されてハイOKって言われました。指紋認証の意味〜！

＊進む気配のない列と叫ぶフランス人おばさん

預けていたスーツケースをピックアップして搭乗手続きをしようとカウンターへ向かうと、一ヶ所のカウンターしか空いておらず人がわんさかいた。とりあえず私たちの便のカウンターはここで間違いなさそうなので並ぶ。

ここまで順調だったのと、並んでいるときにソワソワしても仕方ないので普通に待っていたが、明らかに列が進んでいなかった。周りもおかしくね？と思いはじめたのかザワつきは段々大きくなる。
この辺りから私たちも不安になりはじめ、色々と探り出した。とりあえず分かったことは、

・深夜便で従業員が少ないからなのか、やっぱりカウンターは1ヶ所しか空けておらず、4人体制。
・にも関わらずそろそろ搭乗手続きしなきゃマズくね？っていう便が5本くらいある。(私達の便も込みだし、私達より前にシンガポール行きの便もある)
・カウンターの人達が何を言ってるかわかんないけどとりあえず機械の調子が超ーーー悪そう(パスポートスキャンされてから待ちの時間が長い)

ということでここに来て何も進まない。ヤバーーーーい！時間は刻々と進んでるし、出発時刻まで平気で1時間切ってる。
とは言え私達より先に出発するシンガポール便もあるし…なんだかな…と思っていると、私達よりもだいぶ前に並んでいたフランス人ぽいおばさんが声を張り上げた。

「間に合わない！！！！私を先に行かせて！！！！！！」

……それはここにいる人全員の気持ちなんだけど、このおばさんがどの便なのかも分からなかったしあまりの勢いに圧倒されておばさんは最前列までショートカットした。強い。

とは言えそのおばさんの搭乗手続きも長くかかっているし、ここにいる皆マズイ。

近くに穏やかそうな日本人の家族がいたので「なんかこれ凄いですね」と話しかけると「私たちシンガポール行きであと20分くらいで出発なんですよね〜(微笑みながら)」と言い出し私達は驚愕した。飛行機乗り逃し経験者の私たちは「マジで時間無いので係の人に言ったほうがいいですよ！！！！！」と見知らぬお母さんに指示を出して先に行かせた。

そしていよいよ本格的に私たちもヤバくなり、挙手してショートカットさせてもらい、超大急ぎで手荷物検査と出国審査を通過、走りまくって出発10分前に飛行機に滑り込んだ。(ここらへんの記憶はもはや無い)

飛行機に乗ると、さっきの大騒ぎしていたフランス人おばさんがいた。同じ便かよ！！！！

年寄りのフランス人の我が先魂を感じたし、中国のマイペースさも学んだし、日本人、もっと主張しないとマズイよ乗り逃すよ…と思った。

もともとサイトで見た「上海空港乗り継ぎ難易度高い」の内容とはかなり隔離してたと思うが、私たちは私たちで何かと大変だった。

結論:上海空港で乗り継ぎ時間2時間半は絶対に辞めておいた方がいい。です。

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