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金に転んだ天才を惜しむ

投稿し忘れた少し古い話です。

2022年末、W杯にからめてサッカー記事ばかり書いていました。

少し飽きて、2023年にはもう余程の出来事がない限り2024年の欧州杯までサッカー話は封印、と思いました。

が、しかし、気が変わって、ポルトガルのスーパースター、クリスティアーノ・ロナウドのサウジアラビアへの超札束移籍についてはやっぱり書いておこうと決めました。

ロナウドは年俸2億ユーロ、日本円にして280億円でサウジのアルナスルと契約しました。

は?と聞き返しても金額は変わりません。バカバカしいと怒っても現実は現実です。怒るのは羨望ゆえの気の歪みに過ぎません。

もっとも怒っていたのは筆者ではありません。

筆者はため息をついているほうです。ロナウドのキャリアの終焉と、サウジアラビア人の途方もない金銭感覚を嘆いて。

ロナウドは昨年のW杯では監督に盾ついて干されました。それは残念な“事件”でした。

ロナウドほどの選手は、負傷していない限りたとえ何があっても試合に出るべきだとそのとき思い、今もそう考えています。

当時のポルトガルからの情報では、民意ははじめ監督に同情的でしたた。だがまもなく、やはりロナウドを出場させるべき、と変化したといいます。

しかし時すでに遅く、ポルトガルは準々決勝でモロッコに敗れました。

ロナウドの思い上がった態度が軋轢の原因だったらしい。それは遺憾なことですが、監督はぐっとこらえてロナウドをピッチに送り出すべきだったのです。

なぜならロナウドは全盛期を過ぎたとはいえ、依然としてひとりでゲームをひっくり返すほどの力量を備えた選手でした。

監督がプレイをするのではありません。監督の仕事は選手を鼓舞して試合に勝つことです。ならば何としても勝利を呼び込む力を持つ選手を外すべきではなかったのです。

何が言いたいのかといいますと、筆者は天才メッシと並び称されるこれまた天才のロナウドが、まだまだ欧州のトップリーグの第一線で活躍できるのに、5流リーグのサウジアラビアに行ってしまったのが悔しいのです。

彼は所属していた古巣のマンチェスターユナイテッドとも対立していました。だがW杯で活躍してさらなる飛躍を遂げるだろうとも見られていました。

しかしW杯でベンチを温めることが多かったため機会は訪れず、チームも敗退しました。結果彼は、金だけが魅力の中東のチームに去りました。

欧州や南米のスーパースターの多くは、キャリアの終わりには米国や中東の3流以下のリーグに移籍して大金を稼ぐのが当たり前です。中国や日本に流れる選手もいます。

従ってロナウドがサウジアラビアのチームのオファーを受けたのは驚きに値しません。莫大な年棒も彼の広告塔としての価値を考えればうなずけないことはありません。

彼が作った移籍金や年棒の記録は、今後メッシやネイマールはたまたエンバペなどによって更新されていく可能性が高い。

なので筆者はそのことにもあまり違和感を抱きません。

繰り返しになりますが、筆者はCロナウドという稀代のサッカーの名手が、“早々”とキャリアを終わらせたことが残念でならないのです。

37才のロナウドのキャリアはすでに終わったと考えるのは間違いです。

選手寿命が伸び続けている現在、彼は少なくともあと数年は欧州のトップチームで躍動し続けることができたに違いありません。

イタリア・ミランのストライカー、ズラタン・イブラヒモヴィッチの例などがそのことを示唆しています。

返す返すも残念です。



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