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あなたは自分の「火葬」を望みますか?

こんにちは。うつ病休職エンジニアの三十郎です。

このタイトルを見て「気は確かか?」と感じる方も多いでしょう。しかし、明治時代の火葬率は30%程度で、土葬の方が主流でした。火葬の一般化は、浅い歴史なのです。明治政府は神道派の要請を受け1873年に火葬禁止令を出しました。しかし、土葬用の土地不足と伝染病拡散の危惧から1875年に撤廃しました。

扉絵はインドのバラナシの火葬です。定番の観光ルートです。火葬を観光資源にするなんて、こっちの方が気は確かか?と感じます。人間が燃えている様子を平気でカメラで記念撮影しているのですよ。倫理観がぶっ飛んでいませんか? 葬儀の火葬もバラナシの記念撮影も「皆がやってるから、自分もやるのだ」と極めて思考停止な日本人的回答をするのでしょう。本当に自分の頭で考えていますか?

今回は、この宗教的タブーを考えます。

1.何故、火葬するのか?

生まれたときから当たり前すぎて、ちゃんと考えた人は少ないかと思います。日本において、皆が火葬をするようになった歴史は先ほど述べたように比較的浅いです。

現在のように火葬がメインとなったのは、「遺骨を手元に残したい」遺族の思いと、「火葬炉」の技術が進んで、こちらの方が喪主にとって安上がりに済む(埋める土地代が馬鹿にならない)金銭的理由も大きかったようです。

現在、行政では環境衛生面から火葬を勧めています。いわゆる「お願い」ですが、逆らうと飛行機から降ろされる事件となる国なので、なかば強制に近いのでしょう。

日本人は葬儀や法事の時だけ仏教徒面するジングル・ベルな国民のため、故人がクリスチャンであっても、世間体を重視して一般的な葬儀を選択する場合が多いようです。日本には1%弱のクリスチャンがいますが、ハリウッド映画のような葬儀を目にすることはありません。葬儀は、極めてセレモニー色が強く、葬儀業者の言いなりに従っていた時期もありました。しかし、不透明な料金体系から敬遠され、昨今では、リーズナブルな葬儀料金を選ぶ遺族が増えています。私も2度ほどリーズナブルな葬儀を主催しました。お坊さん代も明朗会計です。

何故、火葬にするかをまとめますと、(1)公衆衛生の面から国土の狭い日本では土葬可能な土地が限られていることと、(2)皆が火葬するようになり「同調圧力」が働いていること、が主な要因と考えます。

2.諸外国の葬儀事情

USAは、クリスチャンがメインなので、火葬3割、土葬7割です。「死後の復活」の願いを込めて、土葬する前にはエンバーミングという、血液と防腐剤を入れ替えてから埋めます。ゾンビ映画が多いのも、そのためですか?

欧州もキリスト教圏ですが、火葬が主体か、土葬が主体かは国によって様々なようです。やはり「死後の復活」を信仰しているので火葬はタブー視されます。でもカトリックは絶対土葬ですが、プロテスタントは火葬がメインな国もあります。死体が生き返るなんて信じないから、現実的な選択をするのでしょう。

中国は儒教の教えより「死んだら土に帰る」の考え方なので土葬でしたが、人口の密集、都市化に伴い、埋める場所に困り火葬へと移行しているようです。中国共産党が推進しているようです。

インドはヒンドゥー教徒が多いので、火葬がメインです。扉絵のバラナシが良い例です。屋外で薪で燃やされます。

イスラム教は土葬が基本。死後は自然に帰るのが理想とされます。

仏教は火葬が基本です。でもチベット仏教のように鳥葬(鳥に捧げる)もあり、日本は、かつて土葬だったり、お国事情で様々です。<訂正>仏教における本来の火葬は、「九相図」で表現されている、肉体が腐敗して骨だけになってから、骨を灰にするための火葬です。今の焼き肉とは違います。肉は自然に帰すのが本来の思想です。

途上国のキリスト教圏では、土葬がメインです。「死者復活」の教えを忠実に守っているようです。

独自の宗教を持つ少数民族の間では、土葬が多いようです。自然と共に生き「自然に帰る」の思想が根強いのでしょう。

こう見ると、「火葬」は世界的に少数派のようです。アフターコロナで感染症のリスクが増えても、この傾向は宗教が根ざしているので変わらないと思います。

3.私の死生観

私は、一般的日本人なので無宗教です。死んだ後は、故郷の北海道の土に戻ることを希望します。山にでも埋めるか、放置するかで十分です。ただ、事件性が出てくると周りに迷惑をかけるので、騒ぎにならないような埋葬を希望します。

私も「ヒトは自然の一部」の考えなので、虫の餌になってでも自然に帰りたいです。死んだ後は、二酸化炭素になって地球を温めるより、豊かな大地に戻りたいです。

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