#秋
秋に含まれる夏の成分割合は //210924四行小説
腕に触れる風がヒヤリとしている。そんな日が何日か続いて、すっかり秋だなと肺を澄んだ空気で満たす。
しかしながら日差しは肌を焼き、歩けば汗が首筋を伝った。
夏と地続きの秋を感じつつ、眩しい朝を往く。
煮たくなる時期 //210920四行小説
涼しい日が続いて、夜には秋の虫が聴こえる季節になった。季節の食物━━例えば南瓜や茄子などを手にとって、気の向くままに料理を作れば自然と鍋に水を張っていた。
豚汁を作ろう、温かいものを舌が欲しているようだから。
出来上がった鍋から白い湯気が立ち、塗りのお椀を用意する。仕事のない休みの日なので、自分を甘やかすつもりで豚肉を多めに入れるのだった。