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大企業の破綻が招くインパクト

破産や民事再生、休業、廃業といった会社が増えてきているようです。

3月頃から新型コロナウイルスに関連して破綻した企業がネットニュースでも報じられるようになりました。

そんなニュースが報じられると、新型コロナ以前に経営が悪化していた、健全な財務ではなかったから新型コロナ破綻ではない、などという意見が散見されます。

そうした意見というか指摘をする意味が私には理解できないので細かいことはスルーしますが、私の考えとしては、最後のダメ押しが新型コロナなら新型コロナ破綻として取り扱って問題はないと思っています。

経営状態が悪化、もしくは決してよくはなくなんとか踏ん張って経営している企業なんてたくさんあると思います。

大手企業ですら浮き沈みがあります。何かをきっかけに企業の価値が大きく下がり業績が悪化するなんてことは珍しいことでもないですし、またそこからV字回復を遂げる企業も決して少なくありません。

つまり、昨年から今年にかけてあまり業績がよくない企業が新型コロナという予期せぬ疫病の影響で倒産や休業、解散なんて普通に起きてしまうことは素人目でも分かります。個人と同じで法人であっても、収入が極端に下がり支出はこれまで通りとなればいずれ破綻します。

現状では、元々体力(資金力)が少ないところがまず倒れていっている印象です。

緊急事態宣言ないし同等の自粛が今後1カ月続けば、2カ月続けば……
恐らく次のフェーズは、固定費(毎月の支払い)の大きい企業が倒れはじめるでしょう。それは、健全な経営をしている企業や、大企業問わずです。

誰もが知っているような大きな企業がある日突然新型コロナの影響で倒産となれば、その業界のみならず、日本社会に大きなインパクトを与えることでしょう。

インパクトは話題性ということだけではありません。企業規模が大きくなればなるほど関連企業への影響も大きくなるということです。

つまり、大きな企業が倒れてしまうと、その周辺の関連企業も倒れることになり、さらにその周辺も…と、連鎖していきます。

そして次のフェーズです。大きな企業に関連していた中小企業はもちろん、固定費が少なくなんとか踏ん張っていた中小企業も倒れはじめると、中小企業を支えている大きな企業にもじわじわと影響もあたえ、ある日突然別の大きな企業が倒れてしまい、またその周辺の関連企業も倒れるということも考えられます。

ファーストフェーズでは元々経営が厳しい企業
セカンドフェーズでは固定費の大きな企業と関連企業
サードフェーズでは多くの中小企業とそれを支える企業

もちろんそうならないように国も企業に対して支援を実施していますし、企業も融資の枠を広げるなどの対策もしていることでしょう。

ただ、そもそも論として営業はしないでください(厳しい自粛要請)、でも固定費はかかります、となれば支援や融資の枠をはるかに上回る影響が出てしまい、思っているより簡単に倒れてしまうかもしれません。

新型コロナウイルスとの戦いは長期戦になるという見方も多く、私もそう感じます。たとえ終息らしき状態になったとしても、これまで通りの社会には戻れないという見方や、新型コロナウイルスを根絶することはほぼ不可能なため今後はほかのコロナウイルスやインフルエンザのように付き合っていかなければならないのではないかといった見方もあります。

現時点での緊急事態宣言はひとまず5月6日までですが、ほぼ間違いなく延長されると思います。もし仮に解除されたとしても、恐らく政府や都は当面の間は同等の自粛を要請するものだと思われます。

それは、感染者数が減ったからといって油断すれば簡単に感染拡大するという事例が国内外問わずあるからです。

この状態が3カ月続くのか、半年続くのか、もしくは感染拡大のリスクはあるものの、経済を破綻させないような対策に切り替えるのか…

いずれにしても夏までにある程度の終息が見えなければ企業がバタバタと倒れてしまってもおかしくないのではないかと思います。

逆に企業は破綻まで待つのではなく、早めに休業や廃業を決めてしまう選択肢もあるのではないでしょうか。3カ月後に負債まみれになるのか、今のうちに廃業してしまうのか…

これから暖かくなりウイルスの感染力が弱まってくれればという期待は抱きたいですが、今回の新型コロナウイルスは暖かい地域でも感染していることを考えてるとそれも望み薄なのかなと思ってしまいます。

このピンチをどのように乗り越えるのか。ピンチをチャンスに変えることができるか、ピンチをピンチのままで潰れてしまうのか、経営者の手腕の見せどころです。

https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20200423_04.html


ところで、航空会社大手のANAやJAL、とくにANAのピンチっぷりは取り上げられていますが、テレワークや外出自粛により電車の乗車率も極端に下がっており、鉄道各社の収益も相当落ち込んでいることは想像にたやすいです。JRはともかく、私鉄や地下鉄はどうなんでしょう?鉄道系は不動産事業があるのでグループとしてはなんとなるのかな?と思いつつ、百貨店事業とかはもろに影響を受けてますよね?などと考えるとやっぱりどうなんだろ??という心配があります。

航空会社も鉄道もインフラなので簡単にはなくならないでしょうが、人の移動が制限される状況が続けば、それはつまり移動手段の必要性がなくなるということですから、最低限しか残らないという未来もあるかもしれません。

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