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旅の記憶 アジア〜沖縄「栄町」

アジア諸国の旅を紹介する番組や雑誌などで、

「古き良き時代の、日本の原風景がそのまま残っている」

というような表現を聞くことがある。


「古き良き時代」が指す頃に生きた年代ではない(はず)だが、

言いたいことはなんとなくわかるような気がする。


 昔、インドネシアのランカウイ島で立ち寄った

伝統的な染めもの「バティック」屋さんの

トタン屋根のシンプルでレトロな店がまえは

「昭和っぽい」感じがしたし、


タイの田舎町で商店街を歩いた時は、

売店のおばさんたちの明るい声と笑顔になごみ

いつの間にか会話も弾み「おまけしとくよ」とサービスしてくれた。



那覇市にある「栄町社交街」は、

そんな雰囲気を体感できる場所である。


県内でも歴史が古く

観光客もたくさん訪れるが、

地元客も多く集う。



歩いていると、

店番をしている明るいおばさまたちが

気軽に親戚のように話しかけてくれる。


「ねえさん、何探してるの〜?」

「あっちの店は行ってみたね!?野菜たっぷりでいいよぉ」


その店で買い物をしなくても

いつの間にか自然な会話が生まれている。


デパートやショッピングモールは

広い敷地で清掃が行き届き

たくさんの店が並び

欲しいものはなんでも揃う。


しかし、そこには栄町のような

人との出会いや自然な会話が生まれる空気は流れていない。


もちろん、馴染みのお店ができて店員さんと仲良くなることもある。

でも、何かが違う。



その「違い」は何か。

それを探るために、また栄町を歩いてみたくなる。


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