誰でもすぐにはじめられるSDGs! 夏を乗り切り、地球にも優しい「節電」とは
「クーラーや扇風機が使えなくて、部屋が地獄のように暑い!」
「冷蔵庫が使えなくて食材が腐ってしまう」
「温かいお風呂に入りたいのにお湯が出ない」
こんな生活になったら嫌じゃないですか?
毎日、当たり前のように使っている「電気」ですが、もしこれが使えなくなったり、不足したりするとどうなってしまうのでしょうか?
先日、話題となった「電力需給ひっぱく注意報」。東京電力管内に出された注意報により、さまざまな影響が仕事や暮らしの場面に変化をもたらしました。今は解除されましたが、今夏は全国的に電力需給が厳しい状況が続くと見られており、政府が節電を呼びかけるという今までにない事態になっています。
今回は、まさに身近なテーマである「電気」に注目して、節電の方法やSDGsについても知り、個人や家庭で何ができるのか、将来のために今やるべきことは何かについて考えていきたいと思います。
「節電」を通して、ムダをなくしコストも削減できる理想的な「サスティナブルな暮らし」、お財布にも地球にも優しいQOLを目指してみませんか?
1.SDGsの目標7「エネルギーをみんなに。そしてクリーンに」とは
*「エネルギーをみんなに。」とは
*「そしてクリーンに」とは
* SDGs目標7の目指すこと
2.誰でもすぐにはじめられる!SDGs目標7のため、私たちにできること
* 夏を乗り切る「節電」術
* 選べる電力
3.目指したいのは「地球に優しいQOL」
* QOLとは
* 節電はお財布にも、地球にも優しい
4.まとめ
1.SDGsの目標7「エネルギーをみんなに。そしてクリーンに」とは
SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略で、日本語では「持続可能な開発目標」と訳されます。つまり、「サスティナブル」=「持続可能」という意味になります。
SDGsは、2000年の国連サミットにおいて、国際社会の目標として安全で豊かな世界を作るために合意されたMDGs(ミレニアム開発目標)を前身としたもので、2015年、国連サミットにおいて採択されました。
全部で17の目標が、このように設定されています。
1. 貧困をなくそう
2.飢餓を0にしよう
3.すべての人に健康と福祉を
4.質の高い教育を全ての人に
5.ジェンダー平等を実現しよう
6.安全な水とトイレを世界中に
7.エネルギーをみんなに。そしてクリーンに
8.働きがいも経済成長も
9.産業と技術革新の基盤をつくろう
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられるまちづくりを
12.つくる責任 つかう責任
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさを守ろう
16.平和と公正をすべてのひとに
17.パートナーシップで目標を達成しよう
SDGsは地球に生きる誰一人として取り残さないことを目的としています。それを達成するためには、国や政府、企業だけが取り組むのではなく、世界中の全ての人々が未来の自分のために課題に向き合い、ゴールを目指して取り組むことが大切です。
今回は、目標7「エネルギーをみんなに。そしてクリーンに」に焦点をあてて、暮らしのなかの節電から世界のエネルギー事情、将来にむけて今からできることを考えていきたいと思います。
* 「エネルギーをみんなに。」とは
部屋の灯り、テレビやゲーム、掃除洗濯、調理など日々の暮らしは「電力」によってほとんど支えられています。通勤や通学など移動に使う車や電車、会社や学校、医療機関など人々の暮らしをさまざまな場面からみてみると、その端々に電力エネルギーの存在が大きく関わっていることにすぐ気づくことでしょう。
このように、ふだん当たり前のように電気を使っている私たちには、「電気が使えない」ということがどれだけの問題を引き起こすのか、いまいちイメージできないかと思います。
電気が使えないと、産業や経済はもちろん、医療や教育の分野の発展が遅れてしまうことになり、結果として電気が使える地域と使えない地域との格差が広がってしまいます。
また、電気を使えない地域では、森林伐採など自然環境破壊につながる薪や石炭などのバイオマス燃料にしてしまう傾向があり、確保するための伐採だけでなく燃料使用時に発生する煙による健康被害など、さまざまな問題があります。
SDGsの目標7にある「エネルギーをみんなに。」という言葉には、このように地球に暮らす「みんな」が良いエネルギー・電気を使うためにはどうしたらよいか、という問題意識が込められています。
*「そしてクリーンに」とは
2021年、経済産業省資源エネルギー庁によると日本の電気事業者が発電している電気の多くが、液化天然ガスや石炭などを燃料とした火力発電からくるものであり、全体の発電電力量のうち液化天然ガスが37.6%、石炭が29.7%も占めていて、火力発電に大きく依存している現状だということがわかります。
これは日本だけでなく、電力消費量の多い海外の国々、例えばアメリカ合衆国や中華人民共和国などでも同じ傾向がみられます。
液化天然ガスや石炭などは化石燃料と呼ばれ、長く主要な燃料として使用されてきましたが、それらは植物や微生物の死骸が長い年月蓄積したものから作られており、近い将来には枯渇するだろうという問題が指摘されています。また、火力発電は発電時に二酸化炭素(CO2)を発生させるため、地球温暖化の原因としての問題も大きく注目されています。
これらの視点から、必要なエネルギーを生み出す方法として、地球環境に優しく資源も守ることができる「クリーン」なエネルギーへ変換させていくことが大切です。
* SDGs目標7の目指すこと
今までにあげたさまざまな問題を解決する鍵となるのが、「再生可能エネルギー」と呼ばれるものです。再生可能エネルギーとは、太陽光や風力、地熱、水力、海波、バイオマスなど自然界にある「有限ではないエネルギー」のこと。化石燃料とは違い、枯渇しないこと、さらに発電時に二酸化炭素(CO2)を排出しないという特徴があります。
再生可能エネルギーのもう一つのメリットとしては、自然界にあるエネルギーを使うため、発展途上国においても電気が使える環境をつくることができる、ということがあげられます。
これらの理由から、SDGsの目標7「エネルギーをみんなに。そしてクリーンに」が掲げられており、その実現のためのキーワードが「再生可能エネルギー」なのです。
2.誰でもすぐにはじめられる!SDGs目標7のため、私たちにできること
* 夏を乗り切る「節電」術
先ほど述べたように、私たちの暮らしは「電気」の恩恵を受けて便利で快適なものとして成り立っています。電気のムダづかいをなくし、一人ひとりが、それぞれの家庭が節電に取り組むことが、エネルギーのムダをなくし貢献する大切な一歩になります。
例えば、次のような節電術があります。今日からすぐに、実践できるものがたくさんあります!ぜひ取り組んでみてください。
① エアコンの設定温度は低すぎない設定で
② 冷蔵庫はものを詰めすぎず、冷却効率を下げないように
③ テレビ画面の明るさを調節する
④ 照明は消費電力の少ないLEDにとり替える
⑤ 衣類はできるだけまとめて洗濯し、回数を減らす
⑥ 乾燥機はまとめて使用し回数は減らし、自然乾燥も活用
⑦ 暖房便座は温度設定を低めにするか、季節によって使用しない
⑧ 電源プラグはこまめに抜いて待機電力をカットする
⑨ 照明とテレビはこまめに消す
⑩ エアコンはこまめに電源をオンオフしない
* 選べる電力
個人や家庭で節電を考えるとき、簡単にはじめられて効果的なのが「電力会社の切り替え」です。電力会社は選べる時代。現在契約している電気料金プランを再生可能エネルギー比率の高いタイプのものに切り替えるだけで、二酸化炭素(CO2)削減と再生可能エネルギーの普及に貢献することができます。
最近はたくさんの電力会社が選べるようになり、各社がさまざまなプランを販売しています。実質的に再生可能エネルギー100%の電気が使えるプランや、比率は低いけれど料金が手頃なプランなど、さまざまです。
自分や家族にあった物を選べば、電気代の節約から環境問題解決への貢献まで、幅広くプラスになる選択ができることになります。
3.目指したいのは「地球に優しいQOL」
* QOLとは
QOLとは「Quality of LIfe」の略で、「生活の質」「人生の質」などと訳され、私たちが生きる上での満足度を表す一つの指標とされています。日々の暮らしや、医療や教育の分野など生き方に関するさまざまな視点を見つめ直し、毎日が充実して、心身共に満たされた生活を目指そうとする考え方です。
今回は「節電」に注目してきましたが、使用する電気量を減らすことは暮らしの質を下げたり、便利や快適をガマンしたりするマイナスなことではなく、ムダをなくしてシンプルで豊かな暮らし、サスティナブルな暮らしを送ることにつながります。
* 節電はお財布にも、地球にも優しい
さらに、節電することでさまざまな場面でムダな電気を減らすことができ、結果として電気料金のコスト削減につながります。広い視野で見ると、エネルギーの消費量を減らすことは、自然環境を守り二酸化炭素(CO2)の放出も減らし、地球温暖化をとめることにまでつながっており、節電はお財布にも地球にも優しい、プラスなことばかりと言えます。
5.まとめ
シンプルでサスティナブルな暮らしを手に入れるヒントを見つけるために、今回は「電力」に注目し、その問題と解決策のため「節電」について考え、お財布にも地球に優しい暮らしについて考えてみました。
このように、日々の暮らしのなかには、SDGsの目標につながる要素がたくさんあります。小さなことから一つずつでも、SDGsの視点を暮らしの中に取り入れてみてはいかがでしょうか。ムダのないシンプルな暮らしは心を豊かにし、結果として地球に優しいサスティナブルな暮らしへとつながっていきます。
SDGsを追求すればするほど、生活の質が向上し、さらに家計もラクになります!余った分のお金で、美味しいものを食べたり、旅行に出かけたり、大切な人と大切な時間を過ごすのに使ってみてはいかがでしょう。
身近なことから始められるSDGs「節電」。まずは、一歩踏み出してみませんか。
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