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小さな旅に出かけよう

旅が好きで、時間を見つけてはよくあちこちへと出かけた。

海外へ行くと、目に入るもの全てが真新しく、日常から離れてたくさんの刺激を味わうことができる。

そこで過ごして得た感覚や記憶は自分の内面に深く刻まれ、日常生活に戻っても何かの瞬間にふと蘇る。

その瞬間、意識だけが非日常の世界へ翔び、短い旅に出ることができる。

時間としては短く、ほんの一瞬のことであっても、心がすっきりと軽くなり、日常への原動力となる。

そういう感覚を得られる「旅」は、私の人生に欠かせない。


今はまだ行動が制限され、遠出をするのも心苦しく、実際に「旅」に出ることがあまりできない環境になっている。

海外はおろか、国内にも積極的に旅に出られない日々。

当初は、のしかかってくる無言の重圧感に気が滅入っていたが、それも時が過ぎれば慣れてくるから不思議だ。

最近では、身近なことの中から「非日常」を見つけて、小さな旅に出た感覚を味わうのを楽しむようになった。


例えば、近所の商店街。

いつもは目的の店に直行し、用事を済ませたら足早に帰路につく。

しかし、あえて目的もなく気の赴くままにぷらぷらと歩いてみると、通ったことのない路地や、今まで目に入らなかった面白い看板など、新しいモノとの遭遇がそこらじゅうに転がっている。

「旅」先では心がオープンになっているからか、人との出会いや対話が生まれることも多く、それが醍醐味でもある。自分の用事だけを済ませる買い物と違って、あてもない商店街ぶらり旅は時間と心にゆとりがあるため、視界が広がり、街の人とも出会いや対話が生まれやすい気がする。

それがまた、最高に面白い。

運よく人と出会うことがなくても、路地裏でくつろぐ猫や道端に咲くカワイイ花など、自分的にテンションが上がるモノを見つけてニヤリとするひとり遊びも、けっこう楽しめる。


そんな、日常に転がっている小さな「旅」探しに、はまりつつある。これから、そういうものを見つけた記録を残していけたらと思う。


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