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納豆コールスローの思い出。

以前にも書いておりますが。

私と娘が二人家庭になったのは娘の九歳のお誕生日でした。

さて、二馬力が一馬力になってしまったわけです。そして自力で住宅ローンを払わなければなりません。

マイナスのことばかり考えていても仕方ないので私は娘に提唱しました。

母と娘、楽しい母子家庭を目指そう!       今考えたらヤケクソ感満載なスローガンを掲げて。

削らなくてはならないのはまず食費、つまりエンゲル係数問題です。まだ九歳ですから美味しいものをたくさん食べさせてあげたいから頭をひねりました。

安い。美味しい。楽しい。面白い。手間もお金もかけたくない。

トップ画像には娘が書いてくれた手紙なのですが、毎日のご飯の思い出がちらりと出てきます。

……納豆コールスロー。あぁーいまだに娘からネタにされてるメニューですが。

納豆コールスローについてはまたのちほど書いていきますが。

食べることは幸せなこと。お腹いっぱい食べて笑顔になることの喜び。一緒に料理する楽しみ。彩りよくこしらえたら栄養バランスも良いのですよね。炊きたてのご飯、野菜たっぷり彩りよく。予算は控えめに。二人してスーパーに行くことも楽しみでした。

ちなみに納豆はひきわり納豆が母娘で好きなので、ホカホカ炊きたてのご飯に卵とネギを入れた納豆をたっぷりかけてよく毎日の夕飯にしていました。

娘は椎茸が苦手なくらいで好き嫌いはあまりなく、そしてまだ小さくて台所に立つには踏み台がいるような小さな頃からお料理も片付けもよく手伝ってくれていました。

よく食べたのは納豆ばかりではありません。とにかく食費を削るのと育ち盛りの娘にもりもり食べさせてあげたいを両立させようとよくスーパーでは「見切り品」を買い、その日のうちに調理をしてました。

見切り品のベーコン、見切り品のししとう。

ししとう、これがくせ者で少し日にちが経つと一袋の中にからーい辛いのが混じっています。唐辛子の辛さですね、辛味がかえってきちゃうんです。

そのししとうとベーコンを塩コショウで炒めていざ食卓へ。鮮やかな緑色とベーコンの香りが食欲をそそります。二人分で300円でお釣りがあります。

始まりますのは、THEししとうロシアンルーレット!です。

ルールは交互に一皿に盛られたししとうベーコンを1個ずつ母娘で食べるんです。当然、かなり辛いのが混じっています。

ししとう挟んで向かい合い私と娘。コップには氷水。

ご飯とともに、ですが中には当たり!のししとうが……。

で、水飲んだら負け!!   です。

圧倒的に娘が負けます。悔しいのでまたやりたい!と娘は言うわけです。見切り品のベーコンとししとうで楽しかった晩御飯でしたね。デザートはひんやり、ヨーグルトを食べる、がお決まりでした。

私の自宅は対面式キッチンでしたから娘の顔を見ながら料理ができてはいましたが、娘もやはり並んで台所に立つんですよね。

ある日、お肉、焼き肉用カルビとかが激安でしたので、今夜は焼き肉食べよう食べよう、ってなりました。

もちろん、ホットプレートならぬグリルパンがありましたからそれまではテーブルで、でしたが。

そのときは調理台を片付けてお皿にタレや塩の小皿を用意して、あーちゃん、ビュッフェスタイルだ、お箸持ってコンロのそばにおいでー!と娘を呼び、左手にお皿、右手に箸、二人して立ったまんまフライパンで焼き肉やるんです。これも楽しくて、何回もやりましたね。片付けも楽チンで二人してお腹いっぱい食べて二人して台所片付けて。
時には後ろにある冷蔵庫から、これも焼こう!って娘が焼きたいもの(たいていソーセージでした)を出してくれたりして。天ぷらも揚げたてのサクサクを食べたいので、やはり台所に小さなテーブルと椅子を用意して揚げた端から、ホイ、海老。ホイ、オクラ。ホイ、蓮根って食べきれなくなったらおしまいにしていました。揚げ油は危ないので娘には少しだけ離れて座ってもらいました。もちろん、片付けもコンロ周りや食器洗いくらいでテーブルはきれいなまんま。ちょっぴりお行儀悪いけど、楽しい!!を優先しましたね。

娘もそうしているうちに料理するようになりましたね。

ある日、帰ったら、ママーお帰りー! お鍋見てー!と娘の声がしました。

お鍋はミネストローネでした。茹でてあるよ?蝶々のパスタあったから、ママ食べてみて。

ケチャップを使った残り野菜とソーセージのミネストローネは娘が公文の機関誌の裏表紙のレシピを見てこしらえてくれたものでした。

美味しかったなぁ、嬉しかったなぁ、って思い出されます。

お野菜はよく、お隣のおじさんが家庭菜園でこしらえたのをいただけました。スナップえんどう、ナス、ネギ、苦瓜、きゅうりにトマト、白菜など。

私は菜園はやってはいませんでしたがお隣のおじさんが娘を可愛がってくれていて、畑で収穫される野菜たちの成長を娘は毎日じっと見ていました。私はレモンとか木いちごなどは植えてはいましたが。

ご近所、地域の皆さんのご厚意で新鮮なお野菜をいただき、娘も皆さんに可愛がってもらえました。

さて、件の「納豆コールスロー」ですが……。

納豆が1パック、余っていたんですね。

その納豆をみていて、これサラダにできないか?と、冷蔵庫のキャベツやニンジンの残り、きゅうり半分を眺めていたらふと思い出したんですよね。私が中学生の時に調理実習で作ったコールスローがあまりに美味しくて、うちに帰ってこしらえたら家族から、「うまい!これならなんぼでも野菜食べられる!」って言われたのを………。

キャベツは千切りにして水に放ちます。水気を切っておきます。レーズン少々はお湯でもどしておきます。ニンジン、きゅうり、あればセロリ(私は入れました)も千切りにしておきます。
調味料はマヨネーズ、少しのお醤油、胡椒、味の素ちょっぴり、レモン汁少々、そして「納豆のタレ・付属品」。

千切り野菜をマヨネーズで和えます。レーズンと納豆1パックを加えて少しだけレモン汁を混ぜて、お醤油少々、タレ1個、胡椒も加えます。
全体を混ぜて中央を高く盛り付け、仕上げにパプリカを振ります。隣のおじさんにもらったパセリを飾りつけて完成です。

写真ないのが残念ですが…見た目スッゴクきれいで美味しそうなんです。

娘。大喜び。美味しそう!!ママーいただきまーす!

はーい、ママもいただきまーす!

パク。      もぐもぐ。   ……気まずい雰囲気の直後、娘がブハッ!!………。

ママ、ダメだこれ。納豆は普通に食べよう食べよう。

ちなみにあれから25年経ちましたがいまだにいじられてる幻のサラダですが、娘との生活で笑い、お腹いっぱい食べ、何気ない毎日に母娘二人になった私たちをご近所の皆さんが温かく守ってくれたな、うちの台所は皆さんからの愛で冷蔵庫がいっぱいになって、娘もすっかり料理がうまくなったな、って思えます。

鮭のキノコソース、朝から仕込むじゃがいも入りの関東風のおでん、お正月だけは昆布と鰹節の一番だしでお雑煮を。贅沢はできないけど細々貯めた余剰でたまに行く外食やカフェ。いろいろなおうちパスタなどなど。

娘との暮らしの中で楽しかった夕飯の時間は私が母親として、食育ってことをあらためて考えたほんの短い時間でした。

しかし、あーちゃん。披露宴で渡された手紙に納豆コールスローが出てくるなんて、よっぽど強烈だったんだね。

そのうちパワーアップした?納豆コールスローをこしらえてあなたに食べさせてみせるわね。ふふふふ。

笑顔いっぱいの食卓と献立の話の中で二人して覚えたたくさんのこと。何気ない毎日のお話しと食後に紅茶。アイスクリーム。いっぱい笑ったね。いっぱい食べていっぱいお話ししたね。

そう、美味しいって楽しいんだね。あーちゃん。

あなたも立派なお母さんになりましたね。美味しい料理たくさん作って笑って、お皿いっぱいに愛をてんこ盛りにしてほしいなーって。
あなたとまだまだ小さなあなたの息子、そしてご主人と楽しく食卓を囲んでほしいな。

食育。   難しく考えないで。
美味しいね、楽しいね。

家族で食卓を囲むこと。

そして子供と一緒に温かいご飯を食べられるってことはなによりもとっても、とっても幸せな時間だった、当時の私はすごく幸せなお母さんだったなってあーちゃんのママである私、ゆーは本当にそう思っています。                              
 

            ゆー。

#THE_NEW_COOL_NOTER賞9月参加記事です

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