見出し画像

ある冬日

寒い冬の日。こもる空気と向かう机、窓の景色は美しく、されど出られなき。受けたチャイムに居留守を使い。外では友の遊ぶ声。いつか、いつかを思い出し、また気を落とす。

朝焼けの空を家から望む。差し込む光。美しい。されどふれられず、また机に向かう。

学校より戻る。白々とした静寂を聞く。冬の光は冷たく私の体を刺す。チラチラと、ガラスに反射する光が我が家の壁を彩る。されどふれられず、浴びられじ。 また机に向かう。

時は過ぎ、はや夕焼けを望む。光が差し。私の顔を照らす。ふと鉛筆を置き、顔を上げる。
沈めかけた太陽の赤い赤い背中をみる。太陽が最後の光を放ちやがて青い時間を残して、むなしさの中に沈んでいく。
私達も、あの太陽と同じなのかもしれないな。
などと考えてみる。つまらないことは考えるな。 ともう1人の自分が言う。また机に向かう。

日は沈み、真っ黒い墨が空を覆ってくる。私達は包まれる。さずがに電気をつけようかと思いたち 椅子をたつ。しばらく考え、また座る。
私の枕も黒い流れに包まれて、私の影を消してゆく。
暗い世界に光はある。
私は見る。暗い世界に光の影を。                    夜の暗闇も深くなって 空には月が昇ってくる。
ゆらり。 白い光が差す。
美しい。 手をかざす。 光を受ける。 
ああ、私はここに、私はここに。光を受けている。自分はいるさ。ここに。この場所に。ここには私がいるし、 私は光を受けている。無じゃないさ、この行動だって。きっと。そう きっと。
ああ、感じている。 ここに、この場所に。 ああ。 私が 生きている。

満足して かざした手を下ろす。しばらく静寂を聞く、椅子をたつ 電気をつける。
もう少し、あと少しだけ、やっていこうと思った。 駆け抜けようと思った。 明るい部屋で また机に向かう。かりかり、 心地よい鉛筆の音が そして、  私を満たしていく。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?