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中国の中小企業、経営環境は依然厳しい

ものづくりの街として知られ、関連スタートアップが集積する中国・広東省深圳。現地のベンチャー企業は米中貿易摩擦や新型コロナウイルスによる資金調達難に直面している。

中国では、投資、消費、輸出と言われる「GDPの三頭馬車」が経済成長の重要な指標として重視されている。2020年1-6月の指標をみると、企業の設備投資や政府の公共事業の動向を反映した固定資産投資が3.1%減、個人消費の動向を示す社会消費品小売総額は11.4%減に失速した。輸出額が前年同期比6.2%減となり、新型コロナウイルスの影響による海外市場の需要減少が続いている。

 1-6月の新規就業者増は564万人21であり、年間目標900万人の62.7%を達成した。 雇用情勢は、コロナ初期と比べある程度好転したものの、内外環境は複雑であり、雇用圧力は依然としてかなり大きい。6月以降、大学卒業生の卒業時期が到来した後、大量の卒業生が労働力市場に集中的に参入し、雇用圧力を更に際立たせることになろう。同時に、雇用吸収能力の強い中小企業の経営圧力が依然として大きく、個人事業者が回復するには、一定の時間が必要である。

 新型コロナウイルスの世界的大流行に伴い、多くの中堅中小企業が、需要減少やコストの上昇などの課題を抱えている。中国工商局のデータベースと連携したアプリである「天眼査」を利用して調べた結果、2019の中国企業倒産件数は約100万件、2020年1-3月の中国企業倒産件数は46万件、そのうち輸出関連企業が2.6万社に上ると報道された(南華早報)。

 現在、コロナの打撃を受けた中堅中小企業が経営リスクを抱えており、消費マインドの低下は中国経済の回復に影を落としている。今後、経営状況が急速に悪化した中堅中小企業が増加すると、従業員所得の減少は消費マインドの低下につながり、サプライチェーンが途切れるリスクも懸念される。




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