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賃貸住宅における電気自動車設備導入。僕の考え方、今後の取り組みに注意する点 BEVの普及

電気自動車の普及は、これから更に進むことは確実だと思います。インターネット設備ほど重要視されることは無いにしても、充電設備を賃貸住宅に備えることは、普及する中で今後ある程度重要と考えています。
その理由は、車両を持つ顧客に、設備があるか否かで選ばれる時代が来ること、そして現在は補助金などの支援もあることから、検討しない手はないとも考えます。

今日はそのような電気自動車設備を賃貸物件で進める上で、取り組みへの考え方、進め方、注意した方が良い将来に向けた内容などを少し記してみようと思います。

世間の物件に充電設備が付いていないからこそ備えるその理由。

200v 3kW x 2台分 を設置した例 2020年施工の戸建賃貸に導入

まず大前提として、電気自動車のバッテリー製造、充電する為の電力は、Co2発生の電力によって賄われていることは、日本国においても世界でも同様の事ですので(主に地熱発電)この点に関して触れることは今日は致しません。

そして、僕が電気自動車の充電設備を物件に備えることとなったのは、2018年からの開発に遡ります。当時の電気自動車、つまり=EVに関しては三菱のアイミーブシリーズ、アウトランダーPHEV、日産リーフ程度しかありませんでした。
しかし備え付けたその理由は、今後主流となりうる環境構築を先んじて導入することで、マーケティング的にイノベーター、アーリーアダプターに選ばれるためでもありました。

その意図は、彼らはEVやPHEVを選ぶ可能性が高いことと、実際にEVを買って使ってみると経済的であることを理解することは明確であったこと、そして、EVを購入して使い慣れてゆくに従って、僕の作った物件以外には、充電設備がついていないことで、引越しできない、他を選べない→退去抑制となることを理解していたからです。

これまで設置してきた設備の状況。そして収益の仕組み。

Panasonic製 200v 3kW x 2台 キー付きスタンドタイプ充電施設 2018年度から主にこのタイプを2022年まで導入しました。

これまで設置してきたEV設備は以下の通り。
2018年建築 戸建賃貸 10棟10世帯 100%設置
2019年建築 RCマンション(売却済)30世帯 20%設置(6台)
2019年建築 RCガレージ 10世帯 100%設置
2020年建築 戸建賃貸 10棟10世帯 200%設置
2021年建築 RCマンション 20世帯 20%設置(4台)
2022年建築 RCマンション 20世帯 20%設置(4台)

現在建築中 RC住宅 6世帯 100%設置(3kW-6kW)
本年着工 RCマンション 14世帯 100%以上設置(3kW-6kW)

2022年までの建築で、マンションタイプは戸数の20%に
戸建賃貸などでは、100%以上に
3kW設備を設置してきましたが、今後主流となりうる6kWの
施工を進めるに至っています。

収益構造に関しては単純にEV充電設備を使う方は、駐車場金額+〇〇〇〇円アップで充電し放題を設定したことで分かりやすい内容としています(現在でも)

しかし6kWを標準とした場合と、バッテリーの容量が多いEVの登場(全個体電池はある意味驚異)によって、いくらに充電金額を設定するかは、検討の余地がありそうです(車両の容量によって決める可能性もあり)

次世代型の充電器、急速充電器に関して

RCガレージに搭載した200V 3kW。  この充電設備は、6kWにできない。

2018年ごろから設置してきた200V3kWでの充電時間(当時の車両のバッテリー容量を加味)を考えると当時の車両は十分でしたが近頃は状況が変わってきているなと感じています。

BEVのバッテリーの容量が増えてきたこと、充電器の性能アップ、車両バッテリーの性能アップに対して、これまでの3kWでは大容量車両だと、充電時間の大幅アップとなる可能性もあり。これからは6kWを主軸として賃貸住宅や分譲などは導入を進めなくてはいけません。

200V×15A=3kWが一般的に家庭にすぐ取り付けられる充電電圧
しかし最近では、家庭では専用工事が必要な8スケアケーブルで施工する、
200V×30A=6kW の普及が始まりつつあります。


それら6kW充電は、主にMode3という規格がほとんどです。

また、6kW充電器は、3kWと違い、コンセントタイプではなく、充電回路が搭載された充電器ケーブル一体型を建物、充電器スタンドなどに固定されたものが主流となっています。
車両とコンセントを繋ぐ充電ケーブルでは対応していません。
ですので、施工コストも大幅にアップする(充電器設備)し
充電器までの電力線も8スケア ケーブル規格としなければいけないので、施工費もアップします。(大電流を流すための高電圧の規格ケーブル)

家庭用、マンションなどの普通充電では、6kW以上は一般的ではなく
それ以上は、急速充電となりますので、高電圧の為、専用電線引き込みなどが必要であり個人で設置となると現実的ではありません。

導入するなら、高圧電流に対応した8スケアケーブルを介した6kW、それとも普通充電の3Kwという形になろうかと思います。
3kWと6kWの充電の違いは、充電時間であり、高速で充電できる6kWですと、電流値が高いために、3kWより早く終わるということです(約半分)(しかしかかる電力は、倍まで行かない)
また6kW充電器は、充電器とケーブルが一体ですので、野外の雨が降る駐車場では運用が厳しいでしょう。

補助金を目的に、業者に任せるか、自分で付けて補助金申請をするか。しないか。

既に外構で設置した充電設備は、別電源を取ることで、8スケアケーブル施工と、6kW対応充電器にアップすることが可能です。

現在、補助金(2024年度はもうすぐ)にて、施工費用、設備費用は国が負担する仕組みもあります。この申込に関して、業者を使って施工、設備を依頼すると、補助金の一部を摂取されることもあります。(火災保険のアレみたいなやつもいますので要注意です)
ですので、自分で電気工事会社に連絡して、見積もりを取って、施工してもらい、申請することが最も良いと思います。
設置する品物は国から指定があり、補助金の金額も設定されていますので
ご確認されることをお勧めします。

https://www.cev-pc.or.jp/lp_evphvcharge/


急速充電は、専門業者に依頼して、設置することが望ましいと感じますが
賃貸住宅では利用頻度が低いため、モールなどの大勢が利用する施設におそらく限定されるような設置の仕方がメインになってきます。

↓こんなやつですね。今後増えてくると思いますが
 収益構造は、自動販売機みたいな感じで、
 こちらは設置台0円で利用者から徴収する仕組みです。


PHEV、BEVの普及がどうなるのか。

LEXUSは2030年に全車種BEV化を目しています。

BEVとはバッテリーEVであり、PHEVは、プラグインハイブリッド、今後はこの混合が主流となり、ガソリンのみで走行する内燃車両は消えてゆくこととなりますが、現在の様なハイブリッド車は存続するでしょう。

また、PHEVのような、内燃で充電を行うような車両は残り続けると思いますし、いづれにせよ、充電が一般的な状況が増えてくるでしょう。

今は、イノベーター、アーリーアダプター世代と、オフグリッドに興味のある方々がEV車両を購入している傾向ですので、キャズムを超える世代が増えてくると、急激に売れてくると思われます。しかし、2030年になっても、ガソリンハイブリッド車両は無くならず50%程度がBEVになれば良いのではと個人的に感じています。

が、予想が外れてBEVの市場が本当に伸びたら設備はより重要な物件の差別化になるかもしれませんね。

なぜBEV、EPHVなのか、それは、車両が電力源としても稼働する時代は避けられないものになると想定されているからです。
自然災害も増える可能性がある、だからオフグリッドを目指す人も増えてくる。

そして自然エネルギー

オフグリッド世代の人が増えると、ソーラーパネルで蓄電池(ポータブル電源の容量が大きいもの)に貯めて、その電力で車を充電することで、完全無料化となり、真の意味でCO2削減になるというもの。

僕自身もオフグリッドの自宅化を目指しており、一部送電線から電力も時として使いますが、パネルからの充電を行うことで、災害に強い住宅を実現したいし、電力源として車両も使えるため、そのような環境を国も、世界も目指しているその一環だと感じています。

ボロ戸建投資家であれば、古い物件をオフグリッド化すると、電気代は節約できるし、ポータブル電源だけで生活もできる。より生活が低価格かできるということです。

よって、オフグリッドもより広まっていること、BEVなどの普及も少しながら増えてくる、その後、性能の高い全個体電池などの開発が行われた場合、圧倒的な距離の走行と充電性能の向上もあり内燃自動車、ガソリン車よりオフグリッドや、再生エネルギー発電を生かした充電費用のコストも抑えられた世界がくるのは間違いありません。

エコであることは将来は間違いないでしょう。
電力も自分で作る時代になってきています。
昨今のポータプル電源の凄まじい普及が物語っています。
脱炭素社会というのは何もCO2削減が目的でも無いのです。

最後に、僕がEVやBEV、PHEVに興味があるからある程度書ける記事でもありますが
賃貸住宅、分譲に限らず、設備が整うことは、良いことだと感じています。
しかしここでも悪徳業者などが制度を利用してよくないことを行なっていることも知っていますからその辺りだけは気をつけて、設備投資に向けてください。

設備がついていることはきっと差別化になります。
僕の設備が既に差別化として力を発揮しているからこそ
伝えられるお話でした。

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