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開発中止した、僕最後のマンション建設図面を紹介。分譲を大幅に超える策を無数に散りばめた構成とは

物語を語ることの出来ない、僕最後の新築マンション建設は、着工直前で中止となってしまいました。夢と消えた、幻の建築計画でしたが、今日はその内容をせっかくですので皆さんに特徴などを図面、図解で解説してみようと思います。
これから3LDK・4LDKを作られる予定の皆さんのお役に立てれば嬉しいです😊

設計に1年近くかかった革新的な分譲を超える高級賃貸マンション

60/200容積の地域の為、8階建てまでが限界でしたが、とても素晴らしい構成を実現できていました。

建築物として、ブランド価値を体現することは、何も見た目だけではいけません。これまで建築してきたマンションの経験から、未来の住宅、マンションはある意味平屋であるという概念を用いて、設計の先生と幾度も幾度も詰めに詰めました。
打ちっぱなし構成は当然ながら、今回は窓の配置、窓のサイズを徹底的に均一化すると同時に、FIX窓を大量に導入予定としました。

非常用侵入口などにもルーバーを一部加工したり、様々な経験も導入。誰が見ても僕の作った物件だとわかるように配慮したデザイン的な側面は、この建築でも表現していました。

2700サイズのアイランドキッチン(サンワカンパニーグラッド45)を軸に20平米を超えるリビング

立面上では、ハイドア、ハイサッシなどを多用することは必須で、1Fにはガレージ2台分を準備。EV充電設備も6kw対応を室内外に17台分設置予定でした。
バルコニーは全てルーバーで隠し、手すりがない代わりに、多くの彩光を取り込める工夫はここでも健在。

内廊下、内階段仕様のため、建築コストはかかりますが、どの角度から見ても美しく作る為には、過去作ってきたプロダクトも同様の構成のため、妥協できません。
最新の建築は、前作を越えなくてはいけませんから。


1Fエントランス部分の立面 テンパドア、オートドアは上下のみフレームで大変重たい仕様。

郵便受け一体宅配ボックスは当然のことながら、同室内にはAコープなどの宅配ケースをリターンできるような場所も作りました。エレベーターも接触タイプ。壁面は打ちっぱなし面と、タイル面の組み合わせとしました。

エントランス正面入り口には、このようなモニュメント植栽などを設置する予定でした。


1F外構部分には、これまで誰も行っていないであろう、大型車両の駐車も可能にする為の工夫を凝らしました。

外構の駐車場では、高級分譲には多い、高級車のメルセデスや、レクサスなどの最量販車両をメインに考慮した為、横幅を通常2400から2600を標準。
また奥行きの必要な車両も多いことから(ランクルやハマーなど)それら車両も停められるようにパターン化しました。

2台一つの割合でEV充電設備スタンドも配置し、全台分の充電を可能としていました。(全て6kw)
敷地内通行もできるように、余裕を持たせた構成でしたが、緊急時に通路に2台追加で駐停車できるよう工夫もしました。(救急車や清掃車両、ガス車両など)


エントランスは相当時間をかけました。

エントランスは横に川が流れており、そこからの流水を止めるためポーチ部分を隠し、出入りの際見えにくい構造としています。 吹き抜けには、植栽を設置して
雰囲気作りも行いました(これは脱出用避難出口としても機能します)
2枚の大型オートドアにより、非接触で出入りができる上、自転車置き場も、非接触カードをかざすとオートドアが開き、内部からエントランスに抜けられる仕組みとしています。

貸し倉庫、ガレージにはオーバースライダーシャッターを装備しつつ、室内はバイク、自転車なども一緒における構成。

エントランス、および各フロアの内廊下には、ラインライトを多数設置する予定でした。


2Fー8Fの間取り構成 各フロア2居室のため、贅沢な作りとなっています。

3LDK、4LDKともに、居室内廊下をいかに少なくするかを検討していただきながら、内廊下はとある機能も持たせる予定でした。
玄関は広めとし、いつも通りシューズクローゼットを設置、内部に手洗いも標準化を進めていました。

大型の浴室1620・1616に、16インチの浴室テレビ。4LDKでは2つのトイレ。どちらもLIXILサティスとサンワカンパニーのレプトカウンターを装備。
LDKもかなり広い21Jと20J。4LDKは70インチクラスの液晶テレビをおまけで標準搭載する予定でした。

特に4LDKには、パントリー、2面から入れる脱衣所、ガラスで仕切ったLDKに通じる室内など多岐にわたる豪華仕様を追求。
小型デスクも両間取りには標準化して、さらには座れる窓という新しい発想の仕組みも導入していました。


最終図面。

キッチンとキッチンから見える窓(2面)が料理を行う女性などには、一撃で撃ち抜かれるような明るさと開放感を達成した間取りでした。
見てわかるように、窓にイスと書かれた部分が、そのアイデア。 デスク、手洗いなども見えるかと思います。 



この開発にあたっては、土地取得から、設計の完了まで大変な時間を要しました。
しかし、長年の構想は、残念ながら実現することはありませんでした。
ただ、この設計の経験はかなりの蓄積を得た内容であり、僕が次作る可能性のある
全くこれまでの概念を変えてしまうような建築には、いくつかそのアイデアが生かされることになりそうです。

その概要がお伝えできるのは、まだまだ先ですが、同時並行で4物件の開発も行っていますので、公開できるようになれば、少しご紹介して行きたいと思います。


説明できない幾つかのアイデアが図面には、まだ多く隠れていますので、
図面マニアの方々は、ぜひ洞察してみてほしいともいます😊

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