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分譲マンションと賃貸の差が無くなって来ている件。 福岡市や大都市圏は異常な狭さが浸透、福岡市の賃貸3LDKの現状。

建設費用の増大、人件費、資材高騰、土地値段の高騰、金利の高騰、人口減少、地震や災害のリスクなど、分譲に限らず賃貸住宅建設の市況は前回記事にも書いた通り厳しい状況が増して行くと感じています。

そのような中で、現在の賃貸マンションと大差のないローコストモデルの分譲マンションが量産されている状況下で、僕の思ったことを書いてみようと思います。

驚くべきローコスト分譲マンションが増産されています。

タイル無し、吹付のみ、雨垂れ汚れを目立たなくするためバルコニーはグレー系を多用

下手な賃貸と大差ないようなローコスト仕上げの分譲が増えて来ています。これは仕方のないところでもありますが、賃貸でもボロ隠しの為、基本タイルを多用していますが、それすらせず、吹付をメインとする分譲が非常に多くなりました。
将来のメンテナンス時においてのタイル検査を省くこと、タイル落下のリスクを排除する、長期的な面を考慮しての内容ではありますが、そのような分譲ばかり目につくようになってしまいました。

間取りに至っても極めて普通であり、設備も普通。まさにそこそこの賃貸と変わりない様相です。

間取りを見てみましょう。

極めて普通。工夫がない。廊下幅も狭い。自由度のない施工。浴室位置は最適解だと感じます。
さらに賃貸でも多くある構成。自由度どころか、工夫する意思さえ感じられない間取り。スロップシンクもなし。

続いてフロア構成を見てみましょう。

建物形がいびつ。自由度より南向きしか売りがないような広告内容と、外廊下。
一部外廊下、外階段、敷地に対しての配置に苦労した形跡は見られますが、本当にこれが最適化は不明。

これら構成に至ってもPSの位置や避難経路を熟考した形跡が見られない。

建物入り口デザインからローコスト仕様を読み取る

杉板打ちっぱなしは一部、サッシはステンレスフレーム付きのローコストタイプ。張出しが多く、デザインも洗練されていません。ボロ隠しと思しき箇所が随所に見えます。
シンプル傾倒仕様。電飾、上部張り物で印象を形作るも、入り口周辺の外構構成が簡単な造作物。
もうここまで来ると立派な賃貸マンション。
内部、賃貸と遜色ない仕様です。オートドア、タイル、張り物で豪華に見えるけど、この手のデザインはもうありふれてしまっています(賃貸でも)

廊下を見てみましょう。

シューズボックスや、見た目が完全な賃貸仕様の分譲マンション。

このように、賃貸に負けているのでは?と感じる分譲マンションが本当に増えて来ています。また扉建具なども、ハイサッシに見えて、天井が低く、ハイではありません。

ここから何を読み取るか、賃貸の世界で分譲相手に戦うためには何が必要なのか。

ここまでしっかりローコスト化した分譲は、福岡の有数の高級分譲地のものです。
真の高級分譲になると構成は全く違ってきます。内廊下仕様はマストで、室内も短い廊下、収納、ユニットバス位置の最適化などPSへの取り回し含め、シンプルにする為に工夫がみえます。

見えてくると思われるのは、分譲でもはっきりと分かれている
幾つかの段階が存在するということです。

①超ローコストタイプ
②コスト抑えても間取りを考慮した(梁に関しても)タイプ
③建物制限をかなり考慮した高級分譲タイプ
④コスト度外視の超高級分譲タイプ

ここで勝負を挑むとしたら、一般の投資家は
2LDK、3LDKを軸にした ①をターゲットにすべきでしょう。

おそらく、分譲の返済金額+積立修繕費+共用部費用+固定資産税+駐車場費用
vs 家賃といった構図になると考えられます。

最も、建設する場所によって、分譲の値段も違いますから、賃料も同じく、
それ相応の賃料を設定するのがよろしいでしょう。

それと、福岡市をベースに考えますと、vs広さということも
賃料以外で重要なファクターとなってきます。

福岡の分譲マンションが近年狭すぎる問題。 これを見てピン!と来た投資家はお分かりだと思います。

上記のデーターは、3LDKを基本として考えています。
64平米なんて、僕の作ってきた2LDKの広目の物件より狭いです。
この広さで3LDKを語れるのですから、平米単価で考えると、
如何にセコく作られているかがお分かりいただけるかと思います。

逆に3LDKを賃貸で64平米で作れば相当安く作れると言うわけです。

いつも言うけど、その地域に必要な間取りを作る行為は選ばれる物件に必ずなりうる

福岡に限らず日本の大都市圏は、投資対象だが、必要な間取りを提供している賃貸物件は極めて少ない。

以下のアットホームの情報をご覧ください。
福岡市の3LDKの募集状況です。

1443件の募集しかありません。

そして、家賃が15万円以上の物件のみを選定すると

874件の募集内容が出ました。

僕がTGTとすると、この少ない3LDKファミリータイプを建設することでしょう。
賃貸の1LDK以下で2万2千件もあるのにも対して、3LDKは僅か1443件
そして15万円以上の3LDKで874件です。
この春のタイミングで引越しを考えられている方を満たす物件は
たった874件しか選べないことになります。

そして20万円を超える家賃だと・・・

そして20万円を超える賃料の物件を検索しますと、236件。
家賃補助などで住まわれる方、ダブルインカムの方、高級賃貸を探している方向けの物件としてたったこれだけしか選べないことになります。

このことから地域に本当に必要なのは、その地域に本来供給するはずの間取りであり、そこを見過ごしていない方々は、安定した入居率と高い利回りを確保し続けている訳です。

またこれ以外に、福岡市や大都市圏は、高級賃貸市場もありますから
当然ながらハイクラスの方々が望まれる物件が提供されているか否かに掛かっています。 当然そのような物件を目にするのは、福岡では僅か数十件。
関西、東京では、100万円クラスの物件もかなり供給されています。
福岡が劣っていると言うより、その分野を目指している企業や投資家がいないと言うことでもあります。


いかがだったでしょうか。
分譲のローコスト化が進んでいること、賃貸のレベルに等しい分譲が多く提供されていること、その分譲の室内は狭いと言うことに加え
賃貸と質の部分でレベル差がなくなっているからこそ、勝負できる環境だと考えました。

そして、福岡市の3LDKの市場は、建設する側からすると非常に高い利回りが期待できるし、安定した経営もできそうであること
将来に渡り、周りもこの分野には気づいていないどころか見ていない可能性があるからこそ、投資家、事業家は福岡市、それ以外の地域に対しても、必要な間取りという観点で取り組んでみることが、重要ではないかと思った次第です。


今日の記事がどなたかの役に立つと嬉しいです。
投資家は目先の利益のような、誰かが作った収益情報を信じず
自分の目で見て、経験したことを信じて
本当に市場で長きにわたり優位に立てるような物件取得を目指して欲しいと思っています。

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