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【人流データ×渋滞対策】人の動きから交通の動きを読み解く

はじめに

みなさん、こんにちは!GEOTRA経営企画部マネージャーの小島です。
遅ればせながら、あけましておめでとうございます。本年も宜しくお願い致します。

今回は、GEOTRAのサービスを用いたユースケースの第二段として、交通分野、中でも渋滞対策に関する活用事例をご紹介します。

日本が抱える渋滞問題

休日に友人や家族で、ドライブを楽しまれる方も多いのではないでしょうか。ただ、いつも頭を悩ませるのは「交通渋滞」です。せっかくの楽しいドライブが、交通渋滞によりフラストレーションが溜まり、思う存分楽しめない、ということもあるのではないかと思います。

ご存じの方も多いかと思いますが、日本の大都市圏において、人口や交通が集中し、激しい交通渋滞を引き起こしている一方で、地方中核都市や地方の都市圏では、鉄道・バス等の公共交通の分担率が低く、自動車分担率が依然として高く、特に朝夕の通勤時間帯や大型連休中には、激しい交通渋滞が発生しています。

交通渋滞により、貨幣換算して年間12兆円前後の経済損失が発生しているとも言われています。他にも、交通渋滞により、移動時間の増加だけではなく、物流コストの増大による競争力低下、環境負荷への影響等、様々な面で深刻な問題となっています。よって、渋滞損失が集中する都心部や全国各地に存在する主要な渋滞エリアにて、効率的・効果的な渋滞対策を実施する必要があります。

令和3年度全国都市交通特性調査結果 P.8 地方都市圏の交通手段別分担率より。図の左側が平日、右側が休日)

人流データの活用

昨年のnoteでも紹介させて頂きましたが、内閣府が推進する取り組みとしてEBPM(“Evidence Based Policy Making”, 政策の企画を、経験や勘ではなく、データ等のエビデンス(根拠、証拠)から確りと現状を把握したうえで進めようとする取り組み)があります。

渋滞対策に向けて、渋滞エリアの周辺状況・渋滞の要因を特定していく必要がありますが、従来のパーソントリップ調査や交通量調査等の手法では、調査員による現地でのコストと労力を要する一方で、局所的かつ断片的なデータの取得に留まるといった課題がありました。そんな中で、まさにエビデンスに基づく効率的か効果的な手法として、人流データを活用したユースケースが増えてきています。

ユースケース事例

GEOTRAは、国土交通省総合政策局が実施する「ビッグデータを活用した実証事業」公募に対し、鳥取県様と共同で、「鳥取県東部における、人流データ・シミュレーション技術等を活用した旅客流動分析及び広域交通マネジメント手法の検討」を提案し、昨年10月に事業採択され、現在、本事業を進めています。少し概要について解説します。

鳥取県東部地域(鳥取市、岩美郡、八頭郡)においては市街地や観光地付近における慢性的な交通渋滞等の交通課題がある一方で、交通需要を評価する為の基礎データが乏しいという課題があります。
本事業では、GEOTRAが提供するGEOTRA Activity Dataやシミュレーション技術等を用いて、鳥取県東部地域における広域の交通流を再現し、渋滞要因等を分析評価するとともに、観光地の開発や高規格道路の整備による交通流の変化を予測し、効果的な渋滞対策を立案するとともに、交通流に関する基礎データに乏しい地方部におけるビッグデータを活用した広域交通マネジメント手法等の他地域に展開可能な汎用的な手法についても検討を進めています。

(取り組み概要、GEOTRAにて作成)
(広域交通流の再現の一例①、GEOTRAにて作成)
(広域交通流の再現の一例②、GEOTRAにて作成)
(交通シミュレーションの一例、GEOTRAにて作成)

最後に

本記事では、渋滞対策でのユースケース事例をご紹介しました。
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