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WHAT MUSEUM+クロネコヤマトミュージアム

週末に友人たちとで天王洲アイルと品川へ。平日に一人で行こうか、と思っていたWHAT企画展「感覚する構造 法隆寺から宇宙まで」。友人たちへ話題にしてみたところ、一緒に行くことに。
敷地内の建築倉庫も、もちろんセットで楽しんだ。

一昨年の秋、品川のクロネコヤマトミュージアムから天王洲アイル駅へ歩いたことがある。その後に家族ともニコンミュージアムから歩いたような…
最近、まだ行っていないと話題になったクロネコも、セットで楽しんだ日。

更には、全員でノーチェックだった、WHAT企画展のサテライト企画「(それは)重力下での」会場も開いている日時だった。


サテライト企画の話から書いてみましょうか。少し頭が働いているようなので。
タイトルと無関係なところから書くのか?というツッコミは、ありそうな、なさそうな…(勝手な選択により、ないことにしました。……頭は働いているのか?)


それはWHAT企画展会場の2階奥。
少しの間、友人たちから離れていた私は、謎な黒いドアを見つけた。

ご自由にお入りください、と書かれていたのだったか、小さな案内も見つけた。書かれている日時は、今は開いていることを伝えていた。
が、ドアの向こうに何があるのか、わからなかった。

友人たちは、この中の展示を楽しんでいるのか?
展示室とは何か違うような…?

ドアは開けずに離れ、その隣の展示室に向かうと友人たちがいた。
「さっきのとこのドアの中は見ました?」と訊いてみた。

友人たちはドアの存在に気づかなかったらしい。そのまま一緒にドアの前へ行ってみたものの… 何だかわからないことは変わらない。

よく一緒に出歩く友人たちではあるものの、何に興味あるかはそれぞれ。
ただそんなとき、わからないから開けない、という選択肢はない人ばかり。わからないなら行ってみる、という方向性は同じ。

いちばん躊躇ためらわない私がドアを開けた内部は、展示室とは異空間だった。ご自由に、というには何か違うような…
ただ、すぐに近づいてきた人がいたので、「ここは何を?」と訊いてみた。わからないなら訊けば良いこと。

中にいたのは、企画を担当されているアーティストさんたちだった。
準備体操とのことで、床でゆっくりとした動きで体操されていたアーティストさんも。
一緒に体操していたのは、関係者だったのか体験者だったのか。体験可能なようだった。身体がリセットされそうな柔らかで静かな動きだった。

「重力」についての書籍の展示もされていた。が、理科系の話ではない。

アーティストさんに、いろいろな案内を面白くいただいたのだが、事前情報なしで入ってしまったこともあり、よくわからない印象は変わらなかった。

わからなさを楽しんでほしい場合もあるので、そういう方向なら、そのままで良いのだろうと思っていた。
ただ、友人たちにはどこまで伝わったか不明なうえ、伝わったとしても興味の範囲ではない可能性も感じていた。

わからないとは言っても、私は理解して面白く楽しんだと思うサテライト企画の会場。

謎なドアの向こうにある、メインの企画展フロアとは違う重力のとらえ方で、考えたり表現したりの企画らしかった。哲学的にとらえ直して現代アートとして表現した重力、と思った。
企画展フロアとのギャップから、遊び心も感じた。

リアルな建築の企画展フロアでは、重力を勝手に解釈する訳にはいかない。地震などがなくても建物が壊れてしまう。

が、重力の話として展示されていた書籍に、ハンバーガーの本があったり。正しく記憶にないが、それも重力関連?という本がたくさん展示されていた。パラパラとめくって楽しんだ。

見ることについて興味がある。と、真っ白な紙を揺らしたり折ったりしながら、お話いただいた擬人化の内容も面白かった。どこかで昔、聴いたことがあるとも思った。

私や友人は事前情報なしで行ってしまったが、WEB上に情報はある。今後の内容は、私が行ったときと同じではない。そのときの考えで内容を変えることもあり得る様子。

市美のつくりかけラボを連想する雰囲気だった。これまでの内容について、大きなイラストと文字で掲示されていたりもした。

企画展のテーマ関連企画らしいが、そんなアート表現も楽しめるとは予想していなかった。思いがけない楽しい時間もあった企画展。

アーティストさんは、お話をしながら「ヘンな部屋でごめんなさい」というようなことも言ってらした。が、自信を持ってお話していただいて良いんですが… と、思ったりもした。
私の反応が薄いのは、いつも通りでごめんなさい。

まるで知らずに入った印象は、興味の有無とは別に、何だかわからない感の大きな場所ではあった。
結果としては、とても面白かった場所。友人たちも興味を持ったところを楽しんでいた。気になった書籍もあった様子。

その部屋は、動画を収録するスタジオ前の観覧席、という感じの場所だった。翌日になって、そんなことを思った。少なくとも普段の展示用の公開エリアではない。オフィスエリアに近い裏側を垣間かいま見た楽しさもあった。

きっと、謎なドアが持つ重力によって起きた楽しい時間。
それは引力じゃないか?というツッコミは、受け付けないことに勝手に決めた。


天王洲アイル到着後は、ビリヤニをいただいてからWHATへ。

スパイシーなお料理で夏を乗り切ろう計画

WHAT受付のそばでは、企画展関連の展示や資料があり楽しんだ。

竹製の小さな「井」型ユニットの組み合わせが、
しなって大きなアーチに。
レシプロカル構造(相持ち構造)と呼ぶらしい
竹製の三方格子というレシプロカル構造もそばに

建築倉庫の予約時間には早かったが、先に倉庫に行って良いらしかった。入館証を受け取り、建築倉庫へ。
中での写真は不可だが、前にも見た模型、新しい模型など、たくさんの建築模型を楽しんだ。

建築倉庫にも企画展エリアがある。「難波和彦『箱の家』の展開」が開催されていた。長期間、考えながら変化していく様子を楽しんだ。

模型は、行ったことのない場所、国内や海外のものを見られる楽しさもある。
実在する建築のものばかりではないのも楽しい。スタディ模型もあったり。
とてもきれいな模型だが、建築されなかったものもあったりする。
展示されている模型の入れ物、箱にもいろいろなことが書かれていたりで面白い。
部分詳細的な模型と思って見ていたのを、友人が後で調べると、実在する建築で驚いたものも。(M2)

倉庫は模型の保管がメインの機能。その中から展示されているので、企画展エリアと、天王洲アイルの大きな楽しい模型以外は、何があるか行ってみないとわからない。おそらく3回目だが、毎度、興味深く楽しんでいる。

建築倉庫を出て、再びWHAT受付へ
受付で建築倉庫の入館証を返却。WHAT企画展へ
展覧会タイトルの法隆寺
五重塔の大きな模型からスタート@2階
いろいろな形の木材による緻密な構造
八角形の心柱も撮ってみた。
東京スカイツリーに受け継がれている構造

心柱しんばしらの大きさを感じられる模型は床にあった。厳島いつくしま神社の大鳥居などと断面比較されていたり。
小さく縮尺された模型では伝わりにくいところも、伝わりやすい展示がたくさんだった。
法隆寺と、下の「円相」以外は、写真も撮らず、ひたすら見たり触ったり。集中して楽しんだ。(つもり。頭が働いていなかっただけかも)

「円相」の中には「円相」が
「円相」内のベンチと床も円かった。
座ると森の中のようでとても落ち着いた
「円相」のパーツは、WHAT受付そばでも見た三方格子。
触れる展示もあちこちに

2階の展示室で、他に書くなら…

平安時代の投入なげいれ堂。崖の途中に安定して作られた構造は不思議な感じ。
時間の経過を感じさせず、長期間、その堂が安定してそこにある。構造にも素材にもすごさを感じた。その崖自体も、変形などなく昔から安定しているということだろう。そこを選んだすごさも感じた。

新しい構造物、来年竣工になる万博の大屋根リングも。
古いものも新しいものも、古いものの改修も、いろいろと展示されていて楽しかった。建築倉庫の模型で見かけた建築もあったりした。

1階は、展覧会タイトルにある宇宙の話が、初めて見る内容で面白かった。竣工年は「202X」。

月でヒトは何をしようとしているのか。模型がどれも大きいことで、実感しやすいところがある。どれくらい大きいかというと、実物大だったり、縮尺1/10だったり。

月に到着した後、縦孔の縁にオーバーハングした、橋のようなところから縦孔に下りて、滞在モジュールを展開する。

月まではコンパクトに運ばれた道具が、月面で広がっていくらしい。ソーラーパネルは、ハサミムシの後翅こうしの機構で展開する。ロボットの動きが生物の動きに似ているのは、他でも見かけたことはある。

枕型多面体の滞在モジュールは実物大。くしゅくしゅに潰したペットボトルが膨らむように広がる。膨らみやすいように花型が型押しディンプルされていりもした。

建築の構造と言っても、この展覧会が前期・後期で長く展示されていることからもわかるが、素材も目的も本当に様々。
いつからこんなに広くなっていたのだか、想定外に広い展覧会場で多くの展示を見られた。とても満足だった。


満足したせいか、ランチを食べ過ぎボーっとした状態が続いていたのか、そもそも頭が働いていないのか…
どことなくボケボケな状態でクロネコミュージアムへ歩いた。

受付の後は一休み。館内の受付エリアに、スワンカフェ品川港南店がある。スワンはヤマトの特例子会社。どら焼きだけではなくクッキーやラテなど、いろいろなところに、クロネコなどのヤマトなデザインが楽しく入っている。

以前にもいただいたセットのような気がするが、どら焼きとコーヒーを美味しくいただいた。

どら焼きは、袋から出して撮った方が、ロゴの光の反射が減るかと思ったので手に持ってみた。が、大きくは変わらなかった。
しかも、どことなくバランスが悪い感じは、写真を切り抜いているから。
慣れないことを、まともにできる頭の働き具合ではなかったらしい。

そのカップの文字が気になり過ぎて切り抜きました

入館証で改札を通り、エレベーターでミュージアム最上階へ。
以前と変わった展示はないように思ったが、以前も面白く思ったところは、また面白く眺めた。
写真OKな場所は少ない。今回は展示室内では撮っていない。

正式名称は「ヤマトグループ歴史館 クロネコヤマトミュージアム」。大きく展示替えする展覧会場ではない。創業100周年記念で開館した企業ミュージアム。

良かった時代も、上手くいかなかった時代もあった様子。関東大震災の頃のことも展示されている。いろいろなことを考え、工夫しながら経営に繋げてきた様子を感じられる。先を見通す対応は強く感じた。

カフェのスワンの当初は90年代のことらしい。今も多くの人が働く場になって続いているということにも、問題と感じる早さ、行動の早さや工夫の良さを感じる。

エレベーターで上がったところは創業の頃の古い展示。ぐるぐると建物の外周を下りながら新しい時代の話へ。未来の話になって展示室は終了し、入場と同じ改札に戻ってくる。

改札そばの建築模型を見るとわかる、ぐるぐる巻きな車路と、その隙間を通るぐるぐる巻きな展示室。真ん中は集配センター等で来館者からは見えない場所。
窓から見える部分にも、斜めなデザインが見えていたりする。どことなく不思議な印象を楽しめる建物。

WHATの展示が予想外に多かったこともあり、クロネコへの到着が少し遅かった。が、友人たちと一緒だからこその、興味深く面白い休日。


※ 品川インターシティC棟にあった企業ミュージアム「ニコンミュージアム」を話に入れましたが休館中です。移転のため2024年3月~お休み。
公式サイト記載によると、ニコン新本社ビル@品川区西大井への移転。2024年秋にオープン予定。