インタビューシリーズ 第1回~奄美大島の地理と気候~


うがみんしょうらん〜🌺 (奄美大島の方言でこんにちはという意味です!)
しばらく、更新ができず久しぶりの投稿になります。          

近年開発が進んでいることで損なわれてゆく人間と自然の関係共生の形豊かな自然生物多様性の中で育まれた生活の術は文化として受け継がれ、九州のみならず世界各地に息づいています。そのような伝統文化が少しずつ風化しつつあること。近年になり開発が加速したこと。これらは全くの無関係なのでしょうか?その地の伝統文化を伝えてゆくことで、その地の自然や生物多様性を守ることへ繋がるのではないかと私たちは考えています。  このような思いから『生物多様性と文化』をキーワードに活動をしている九州チームですが、より沢山の人へ伝わるような情報発信の為には私達自身ももっと奄美について学ばねばいけない!ということで奄美大島南部の瀬戸内町を中心に、認定ガイドとして活躍している“國宗弓穂”さんを講師に迎え勉強会を行いました!今回から4週にわたり、奄美大島の自然や取り組みなど盛りだくさんの内容をお伝えしていきます!

記念すべき第1回目のテーマは  ≪奄美大島の地理・気候≫ です。

奄美大島は鹿児島県本土と沖縄本島のほぼ中間に位置しています。
本土との間には北から大隈諸島(種子島・屋久島・三島)、トカラ列島があり、奄美大島は続く奄美諸島*の中に位置しており、*(喜界島・奄美大島・加計呂麻島・請島・与路島・徳之島・沖永良部島・与論島)南には琉球諸島(沖縄諸島・先島諸島)が続きます。これらを総称して南西諸島と呼ばれています。

1億万年前、造山活動により海底が持ち上がり、日本列島と南西諸島のもとが形成されます。1千万年前くらいまでに古黄河の浸食と内海(日本海と東シナ海のもと)の形成が始まり、地殻変動もあって大陸から弧を描いて離れた陸橋になり始めました。
この頃から5百万年前くらいまでにアマミノクロウサギの先祖が大陸から分布を広げ、すみ着くようになりました。

水の浸食と地殻変動は、500~300万年前、現在の悪石島~小宝島間に
トカラ海峡を作り陸橋を分断しました。
その後、気候変動や断層活動をへて結合・分離を切り返しながら
奄美・琉球が形成されてゆきます。

八田線=宗谷海峡 (約1.1万年前)

奄美大島は、面積712k平米。東京23区の合計よりも大きく、
地形は大まかにみると島の北部はやや平坦でサンゴ礁を伴う美しい砂浜が続き、中央部から南西部にかけては山塊が連なり、最高峰の山は湯湾岳で694.4m平地の少ないリアス式海岸となって大島海峡周辺部に落ち込んでいます。

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気候は海洋性亜熱帯気候に属し、年間平均気温は21.6℃
最低10℃、最高34℃を外れることはごくまれです。
こんなにもちょうどよく暖かい理由は、
黒潮の通る安定した水温の海域に奄美大島が位置しているからです。
冬は言わずと知れた暖流の黒潮により湿って寒すぎず、夏は周りの海流が黒潮よりも暖かくなり、黒潮によって奄美周辺の海域の温度が低くなることでおだやかな猛暑です。海上でできる水蒸気が山に当たるため、雨量は多く年間平均2800mm。日照時間は少なく、年間1400時間ほどです。

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さらに、やはり南の島といったところでしょうか、台風が高威力で常襲します。
台風により森は痛めつけられますが、驚異的な回復力で再生を果たしていきます。風などでなぎ倒されたり、樹勢の弱った木には、昆虫などの小動物や他の植物、着生植物やシダ、菌類、苔類が育つ場所となり、更に木を弱らせ、枯らしてしまいます。枯れるころにはその木があった場所はすでに他の植物が大きく葉を広げています。
奄美大島の原生林は「もののけ姫」のような古老大木の森ではなく、
日々新しくなる更新の早い、若くて元気な木の森なのです。
他にも、台風が適度に来ないと、海水が温まり過ぎてサンゴが白化後、死滅してしまうこともあります。人間にとっては、災害を引き起こすマイナスイメージの強い台風ですが、自然にとっては成長していくうえで大事なサイクルなのかもしれませんね。

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余談ですが、地球を俯瞰してみると奄美大島のある中緯度域はほとんどが大陸で乾燥した地域が多く、温暖湿潤な亜熱帯の広葉樹林は世界でも珍しい存在なんです。

この豊かな森と生態系から来る恩恵を、シマの人々はありがたく、
また畏怖を持ちながら享受してきました。

「ハブに噛まれる」「ケンムンに化かされる」などこういった教えは、
“みだりに森に立ち入ることは神域を汚す行為であり、搾取が過ぎると罰を受ける”というような謙虚な姿勢からなるものです。

現代まで豊かな自然を受け継いでこられたことの大きな要因は、
先人のこの態度と心
だったのです。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました!
第1回、奄美大島の地理と気候 
とても簡単な説明になっているところも多くあります。
興味湧いてきた!奄美面白い!と感じていただけるとうれしいです。

次回は≪奄美大島の動植物・固有種≫をお届けします。
では、第2回でまたお会いしましょう~!


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