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憧れと、戸惑いと、恋と、そよ風

恋にあこがれて目が覚めて想いを告げてみたら
ここにはもう何もなくて
恋の可憐な花は散りました

恋には優しい声が欲しくて
どんなに欲しいと望んでも
恋の可憐な色には手が届きませんでした


あの時こうすれば、もしあの時こうしておけば
そんな言葉ばかりが私を通り抜ける
恋を手放せなくて
後悔ばかりが攻めてくる


声を出して泣けるなら
泣いてもいいよと風が言いました
思いっきり泣けると
何かがするする音を立てて消えていくようでした


恋の面影は優しい眼差しと優しい声
あなたがいないことを悲しむより
わたしが縛られなくなることを望みました


優しく触れる手のぬくもりが
忘れられないと泣きました
抱きしめてもらう優しい手が欲しいと泣きました


風はわたしのそばにいて
あなたの欲しいものを全て
あなたの欲しい、今を全て、差し上げようと言いました

風はわたしのそばにいて
涙は一人で流さずに
涙は誰かに見てもらうのがいいのだよと告げました

風はわたしの傍らで
恋は涙と一緒に流したら
明日のあなたの顔が元気になることが好きだからと語りました


すこしだけあごを上げ
スカートの裾をふわっと揺らして
通り過ぎる恋に風を贈ろう
この恋を手放せば、今以上のわたしに出会えそうだから







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