おやすみ私_ヘッダー2

おやすみ私、また来世。 #19

 少し前に比べると、ツイートする回数は増えてきていたが、相変わらず難解なつぶやきは多かった。それでも、つぶやきさえしなくなるほど無気力だった頃に比べれば、この方が断然彼女らしかった。一時は不定期だった集会も、今は週一回のペースに戻っている。そして今年に入ってからは、より深く宇宙的(コズミック)な話題に傾倒していった。
 僕はいつものように彼女のそれに耳を傾け、頷いてはときどき意見をした。今日もロッテリアで、興味のない者にとっては、ただただ荒唐無稽なだけの話をずっと続けていた。

「──ジン君には、まだ早かったかな」
 何日か前、僕は彼女にUFO──未確認飛行物体を見せられた。一体あれは何だったのかと訊ねると、『目に視えなくても、いつもその辺りを飛んでる。チャンネルが合いさえすれば、それは誰にでも視れるもの。あのとき、ジン君の信じる気持ちが強かったから、視ることができた』と、彼女は応えてくれた。
 テレビで時々見かけるチャネラーやコンタクティのように、奇妙な呪文を唱えながら、空に向かって呼びかけたりしなくても、ただ念じるだけでUFOが来る──たったそれだけのことで、未確認飛行物体が視れるようになるとはとても思えなかったが、実際それを目にした僕は信じるしかなかった。彼女自身にも視えることは稀で、どんな理屈で視えたり視えなかったりするのか、実際にはわからない様子だった。
 写真を撮ればオーブのようにものが写り、ときどきUFOとしかいえない未確認飛行物体を呼ぶことができる──気の持ち方ひとつで、そんな超常現象が起きる現実を、僕はどう受け止めればいいのかわからなかった。彼女の言う“そんなこともあるかもしれない”という可能性を尊重し、これまでも非現実を受け容れる気持ちを持っていたつもりだったが、いざそれを目の当たりにしてしまうと、素直に受け容れられない自分に戸惑った。

いつもの集会を終えた僕と彼女は、聖橋の上から神田川を眺めていた。春の陽気は、どこか薄ぼんやりとしていて、あまり好きとは言えなかった。
「──ジン君はどうするの?」
 彼女が僕の今後について訊いてきたことは、すぐにわかった。僕はこの春に大学を卒業したが、進学も就職もしなかった。きちんと就活をして、可能な限り条件の良い会社に就職することもできたと思うが、何処かで世間との隔たりを感じ、ついには進路を決めかねてしまった。自分が何をしたいのかわからない。大学にいる間に、それを見極めるのが普通なのだろうが、僕にはそれができなかった。単純に、社会に出るのが怖かったんだと思う。
「とりあえず、バイトは続けるけど──そうだな。あおりちゃんと同じく、何かの研究者でも目指そうかな」
「──そう。それもいいかもしれないね」
 そんな返答を彼女はしたが、それが本心なのかはわからなかった。みらい観測クラブがそうであるように、僕と彼女も、すっかり世間から隔離されたような気がした。

あおり@aoriene・2012/5/5
もうひとりの私が話しかけてくるような、そんな感覚。
もうひとりの私は、様々なことを教えてくれる。
それは宇宙の秘密に繋がるもの。

┃神@zinjingin・2012/6/9
┃『位相Ⅰ』。
┃ほぼ一年ぶりに観た相対性理論はリズム隊が変わっていた。
┃ツインドラムって派手だな。
┃そして、セルフカバー「愛、テキサス」!

┃あおり@aoriene・2012/6/9
┃雨降ってたし、ちょっと人が多すぎたけど
┃久しぶりに観れて良かった。
┃東京テレポ~ト!

┃あおり@aoriene・2012/6/17
┃なんか最近、誰かにつけられてる気がする。

┃神@zinjingin・2012/6/17
┃それってストーカー?
┃まさかMIB?

┃あおり@aoriene・2012/6/17
┃ううん。女子。
┃私に似てる気がする。

┃神@zinjingin・2012/6/17
┃まさかのドッペルゲンガー!
┃自分に似た三人と会うと死ぬってやつだ?

┃あおり@aoriene・2012/6/17
┃それって、会った瞬間
┃その三人は同時に死ぬのかな?

┃神@zinjingin・2012/6/17
┃さぁ、どうなんだろ?

神@zinjingin・2012/6/27
『Z女戦争/ももいろクローバーZ』発売。
Z女と書いてオトメと読む。遂にティカ・α、ももクロちゃんにまで進出。
それにしても、歌詞の情報量がすごいな。
いいね1

┃神@zinjingin・2012/7/3
┃DUM-DUM PARTY 2012 ~夏の黄金比~
┃会場までの富士急行の車内放送は、やくしまる嬢がしていたらしいし、
┃お土産と称する限定CDもあったりして、今思えば行けばよかったな。

┃あおり@aoriene・2012/7/3
┃!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?