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50歳のリアル④ 時の流れに身は任せない

50歳になって益々時間が経つのが早く感じる。

仕事をしていても、休日ゴロゴロしていても、やっぱり一日はあっという間に過ぎてゆく。

試しに息を止めてみると、息苦しくなって1分も持たないのだから、やっぱり時の流れは万人に平等なはずなのだ。

それなのに不思議なくらい、年を重ねるとあっという間に時は過ぎ去る。

50歳にもなってみると、時間の経過を遅らせたいとか、いっそのこと止めてしまいたいと思うのは、ボクだけだろうか?

時の流れに身を任せてたまるもんか!と思う。

だけど、いったいどうすれば、時間は20歳の頃のようにゆっくりと流れてくれるのだろうか?

50歳みんなの願いとして、今日は少し考えてみたい。

実は時間の経過が早く感じてしまうのは「過去をすぐに忘れてしまうから」なんじゃないかと思っている。

例えば20歳の人間にとっての1年は1/20だから、20回分の1年の記憶なら割と鮮明に残るのだが、50歳ともなると1/50というわけだから、50回分の1年を、細かく覚えられなくなる。

一刻一秒の経過とともに、過去がどんどん増えて行くのだから、いちいち細かなことは覚えていられない、というわけだ。

1日1日を忘れてしまわないように、ボクにできることは日記をつけることだったり、毎日の暮らしを時間をかけて丁寧に過ごすことだったりする。

ひとつひとつを丁寧にして、しっかり記憶に留めたい。

何がいけないと言って、なんとなく、が一番の敵なのだ。

朝起きて、なんとなく腹も空かないのに朝食を食べ、なんとなくいつもと同じ道を通って通勤する。

なんとなく会社で昼食を食べて、なんとなく帰宅してからはTVや動画を観る。

酔いたくもないのに習慣で酒を飲み、なんとなく風呂に入って、なんとなく布団に入り、いつの間にか寝ている。

大人になればなるほど、習慣化が上手くなり、これこそが効率的でパフォーマンスが高いと疑わなくなる。

だけど習慣化された生活は、あっという間に忘れ去られてしまうのだ。

言わば、忘却システムなのだ。

そうして、ボクらは言う。
「1年が経つのは、あっという間だね」と。

いや、ボクは抗おう。

忘却システムにハマったときから、人間は歳をとってゆくのだ

だとするなら、毎日未体験のことをすればいいじゃないか。

今まで覚えた全部、でたらめだったら面白い🎵

ブルーハーツの歌で歌われた、あのフレーズはあながち馬鹿にできないぞ。

そこでボクが思いついたのは、初心者🔰になることだった。

前々から薄薄に、それこそ何となく、カホンという楽器がしたかった。
     (カホンとは ↓ こんな打楽器です)

カホンを購入した後、自分がカホンを叩いている姿を想像して、思わず苦笑してしまった。

え?ボクがカホンですか?ぜんぜん柄じゃないんだけど・・

打楽器を始めようだなんて、この陰キャなボクがかい?笑っちまうぜ・・

とはいえ、初めてみると案外、ストレス発散になって楽しくなってきた。

そのうち、ご縁があってアイリッシュバンド(ジョンジョンフェスティバルのカバーをやる素人のバンド)に入れていただいて活動を始めることになった。

(↓ボクらがカバーしていたバンド。ご興味あれば観てください)

3カ月ほど活動してボクは転勤になって、あえなく脱退となったけど、あの3カ月は久しぶりに、時がゆっくりと流れる体験をさせてもらった。

社会人の集まりだったから、練習は仕事終わりの21時~24時とか、ハードな時間帯で週に2~3日は練習しただろうか。

マスターのご厚意で平日は暇だからと、パブの2階の客室を、無償で練習場として提供していただいたのは、今でも本当に感謝している。

練習、ライヴ出演、メンバーの家で鍋をしたり、イベント会場で飲んだり、濃密な時間が流れた。

思い返せばたった3カ月しか経ってなかったんだ、という体験は、大人になってからは本当に貴重だ。

まあ、なんでもいい。

初心者になって、毎日できないこと、わからないことと格闘していると、時間はゆっくりと流れる。

大人になってくると、できることしかしなくなってしまう。

もちろんそれは、社会で生きて行くうえでの生存戦略として大事なことではあるけど、一方では忘却システムにハマってしまう危険性もはらんでいる。

さあ、50歳の皆さん。

今こそ、初心者になって、できないことに挑戦しよう。

そうすれば、時は再びゆっくりと流れ始める。


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