「木と市長と文化会館」(1992)

ハリウッド大作の1分のシーンを撮る予算があればエリック・ロメールの全作品ができる。さもありなん!

16ミリカメラで、ロメールを含めスタッフは4人で、俳優も数名。田舎町で市長が総合文化センターを建設しようとするが、小学校教師ら環境保護派に反対される。

いつものように会話だらけですが、小ざっぱりした人たちが小ざっぱりした風景の中で小ざっぱりした会話を交わすのを見るのは心地よい。小学校教師よりも政治家に向いている10歳の娘が「文化センターを作るとみんなの遊び場がなくなってしまう」と市長に直談判するエピソードがチャーミング。

撮影しながらセリフが書かれ、女性ジャーナリストが本当の村人数名にインタビューする場面では、ジャーナリストを演じる女優に質問を考えさせたそうです。

2016年2月10日

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