「東京オリンピック」「東京オリンピック・世紀の感動」

ブルーレイのオリンピック集は二つの「東京オリンピック」を収録。

2019年1月28日

市川崑の「東京オリンピック」はカラーでワイドで3時間もある壮大な作品。入場行進や開会式から感動的。観客たちは戦後20年を生き抜いてきたんだなあとか、選手たちは遠路はるばるやって来たんだなあとか、これだけの人々をどこに泊めたんだろうとか、あれこれ考えているうちに、胸が熱くなる。

1964年10月に大会が開催され、翌65年3月に映画が公開されて大ヒット。東宝は翌66年5月にも「東京オリンピック・世紀の感動」という2時間半の映画を公開。市川版に対するオリンピック担当大臣や文部大臣の「記録性よりも芸術性が強い」という批判を反映したものなんだろうけど、競技と国旗掲揚が繰り返されるだけの単調なドキュメンタリー。競技や選手たちの様子を面白くとらえている市川版のほうがスタンダードになっている今、そんな作品の存在を誰が知る?

2019年1月28日

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