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「夏の嵐」(1954)

植草甚一氏、没後37年。毎年12月2日には「映画だけしか頭になかった」で論じている作品を鑑賞しており、今年は1954年の「夏の嵐」。

4作目にして日本で初めて公開されたヴィスコンティの長編。19世紀半ばのベニスで伯爵夫人アリダ・ヴァッリがオーストリアの中尉ファーリー・グレンジャーに激しく恋する。

植草氏は、巨大な建造物などの背景に人物を配置する構図の正確さに感心し、背景の中に溶け込むように主人公の心理が表現されていることに驚嘆し、ショットが長いのは師匠のルノワールゆずりだと述べ、ヴァッリほど素晴らしい演技を示した映画女優は戦後ひとりもいないと信じるのです。

2016年12月2日

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