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【時事VIEW】国内未上場スタートアップ

NewsPicksでプロピッカーをやっているTAKAです。ここではこれまでコメントした内容の中から、国内未上場スタートアップに関連するものをまとめたものです。

2020年12月31日
ガバナンスで最も大事なのは社外取締役の人選。優れた社外取締役を選任するだけではなく、その個々の社外取締役が与えられた役割をしっかりと果たせるような環境、仕組み作りが欠かせません。

「裸の王様」の話をさせてもらっていますが、言うは易し、ある種独特な取締役会において「あなたは裸だ」などとエレファントインザルームを徹底できる人はそうそうはいません。

だからこそ、ボードカルチャーや仕組み作りが極めて重要だと思います。

H.Davidさんが指摘されている通り、日本の経済・経営・資本政策・ガバナンス、どれも根深くメインバンク制が影響しています。これは「ファイナンス思考」でも言及している通りです。

幸いなことに、スタートアップはメインバンクの影響が旧来型の大企業よりも圧倒的に低いのは無視してはいけない大きなアドバンテージだと思います。スタートアップを日本のガバナンスの最先端にすることができれば、日本全体の経営に大きな変革を促すことができるはずです。

日本がテクノロジー、終身雇用、低金利を武器にしていた時代は終わりを告げました。ガバナンスだけではいけませんが、ガバナンスも一つの日本の武器にしていければ、大きな産業創出ができる可能性は飛躍的に高まると信じています。

2020年12月30日
ガバナンスは単に上場するための「形式」や「守り」のためだけにやるものではありません。経営者でガバナンスには全く興味がなく、誰かに丸投げしたりするケースも多いのではないでしょうか。

ガバナンスは経営そのものと言っても過言ではありません。ガバナンスを学び、会社経営に反映させることは、経営者の責任であり、安定企業だけではなく成長企業にとっても大変重要です。

特に市場・事業環境などの変化のスピードが速いスタートアップにおいては、急成長を実現する「攻め」のためには、「攻め」と「守り」のバランスをとった舵取りが極めてクリティカルになってきます。

本文でも触れられていますが、私はガバナンスとは以下の「株主3つの期待」に集約されると考えています。

1)企業価値を毀損しない
2)安心して投資できるようにする
3)企業価値を高める

ガバナンスを「形式」ではなく経営の「武器」に変えることができるのか。それができる会社とそうではない会社は、長期的であればあるほど社会的価値として極めて大きな差につながると思います。

先日とある大企業の有名経営者の方とガバナンスについてお話しする機会がありました。詳細はゲストで参加するプロジェクトの第一回でもお話しできればと思いますが、ガバナンスがない経営は「選手だけでやっているスポーツ」のようなものです。今年オリンピックは開催されませんでしたが、チームの強さはここの選手の能力だけでは決まりません。経営も全く同じです。

このプロジェクトを通じてガバナンスの意義を感じていただき、経営に反映させ、大きな社会的価値を実現していただければと願っております。

2020年12月22日
素晴らしいインタビュー。個別に抜き出して参照する必要はなく、全て読んで「それが全て小川さん」という内容。小川さんの素晴らしさも経営者や個人としてのスタンスやものの見方も滲み出ている。ビジネスモデルではなくて、物の見方や人間性にこそ、本質が宿っているのだと思います。

2020年12月22日
清水さん、最高ですね。誰が何と言おうと可能性があるものにトライし続け、どんどん実現していっていること自体が素晴らしい。作って稼働させないと分かってもらえないことは多く、これもその類です。「マグナス効果」って聞いた時点で??という人が多いと思いませんか?

エネルギー問題はなにかシングルソリューションで解決すべき問題だとは個人的には思っていません。細かいことの積み重ね、元気玉のように少しずつ集めて、大事に活用していくのが重要だと思っています。送電のエネルギーロスも大きく、効率を考えるとそうなります。単一の解決策に頼ってしまった失敗が「原発」だと思っています。

清水社長が最後にふれているように、まさにいかしきれていない資産はたくさん埋れています。これまで人類が森だ、石炭だ、石油だと一気に傾斜したことの反省を生かして、多様化・分散・エコを実現して欲しいと思います。


清水社長:「日本が今、活かしきれていない資源が2つだけあります。それは風と海水。それらを本当に活かせたら、日本が世界中に水素を供給するというのは夢じゃない」

2020年12月17日
プレイドはメルカリ、フリーに次ぐいわゆるVC投資を伴うスタートアップの上場で三件目のグローバルオファリングです。特にこの規模で実現したことは、経営チームの明確な意図を反映しており、決断しやり切った会社および証券会社は賞賛に値すると思います。

以下の通り、これまでマザーズに限らず全上場企業でみても500億円未満のIPOオファリング規模でのグローバルオファリング(144A)はかなりレアでした。それは時価総額や規模対比、費用対効果が悪いとみなされていたからです。フリーがあの規模でやり切ったのは、海外投資家の重要性を明確に意識したからこそで、費用対効果はポストIPO後の株価上場で十分回収できるという算段でした。

さらにフリーの功績で大きいのは、当初、国内・海外比率は当初42:58の予定であったが、海外の超過需要を確認し、最終的に国内・海外比率は26:74するなど、海外投資家の日本のSaaS企業への注目の高さを全体に示したことも大きかったと思います。

今回のプレイドはフリーの規模よりも時価総額・オファリング規模それぞれで最低限の目線を引き下げました。これにより今後、グローバルオファリングを検討する企業は、少なくそも近年増えているSaaS企業では増えてくるでしょう。

オファリング規模(海外比率)
・メルカリ:約1,300億円(約53%)
・フリー:約370億円(約74%)
・プレイド:約240億円(約82%)

なお、グローバルオファリグは欧米アジアを含む機関投資家への販売を行うもので、規制上、米国機関投資家への販売は負担が伴います。非米国企業の販売を可能にするのが、「1933年米国証券法に基づくルール144Aに従った適格機関投資家に対する販売」を可能にするいわゆる144Aルールというやつです。

2020年12月14日
「鈍感力」の低い、「体力」のない起業家もいますから、あくまでも傾向ということです。なんでもステレオタイプで物を見ること「こそが危険」です。色々な人がいますし、「外れ値」にこそ新しい価値がある場合があることを忘れてはいけません。

「精神力」「体力」「鈍感力」の高い出世するサラリーマンも大勢いますし、それを兼ね備えていること=起業家or出世ではありません。

なので、自分は「鈍感力」が足りないから起業家に向かないとか、そういう風には考えて欲しくないし、起業家なら「鈍感でいい」という風にも考えて欲しくないですね。

2020年12月13日
参入障壁は最初から盤石とはいきません。少しずつ堀を深くし他社が入ってこない、入る気をなくす状況を作れるかが大事です。その意味で、障壁そのものの高さもそうですが、障壁が積み上がっていくスピードも大事だと思います。早ければ早いほど追いつくのが大変で、そもそも競合がヤル気をなくすのです。


「そもそも多くの場合、プロダクトのみで競争優位性を維持できているのは相当レアです。
創薬や特殊なIPで守られている領域であれば別かもしれませんが、多くのスタートアップが手掛けるメディア、C向けサービス系の事業では、プロダクトそのものを永続的に差別化することはできないでしょう。そうした前提を踏まえ、グロースステージの参入障壁は総合的に構築していかなければならないと言えます。」

2020年12月9日
絶やすことなく続けることが大事だと思っているので、LOVOTを育てるように、長い目で運営して欲しいです。

資金調達は本当に素晴らしいです。

2020年12月6日
プロダクトそのものをコーディングしたりしなくても、プロダクトの価値は向上されられます。ある意味創業からプロダクトを磨き込みきってきたスタートアップであればあるほど、ビジネスとしての価値の向上余地は大いに残されているとも言えるでしょう。

以下抜粋

「これはサブスクリプションの課金形態にした方が良いのでは」、あるいは「値上げする余地はないか」「無料プランを導入すべきでは」「代理店をもっと活用できないか」といった議論を重ねることでプロダクトがより大きく羽ばたくケースは、上場後の企業でもよくあることです。

プロダクトそのものの磨き込みには直接タッチしなくても、プロダクトの価値向上にまつわる議論に与することはできますし、そうした糊代が残っているからこそ、グロースキャピタルが介在する余地もあるのかなと思いますね。

2020年12月1日
愛しか感じませんね。LOVOTが元気に育っていくことを願っています。

まさに「生みの親」

相当な開発費をかけて、半導体含めて部品点数も相当に上っているはず。最新技術を詰め込めば詰め込むほど、歩留まりやパフォーマンスのデルタが広がっていく。これはスケールは違うとはいえ、Appleですらハマる罠。だからこそ、部品選定やOEM先は慎重を期して選定する、Appleの隠れた強みSCMが生まれている。

昔は日本は垂直統合モデルを強みにしていたが、今はSCMが常識。物づくりの復活に向けて、今後同様のチャレンジをするスタートアップはどんどん出てくる。

GROOVEの前進に心から敬意と期待を込めて。

2020年11月23日
ここ最近増加している少額投資のフェーズから、育ったスタートアップを大型買収(数百億円〜)するフェーズに日本も移行できるか否か。

買い手としての日本経済(大企業)の存在感が小さくなっていけば、結局育ち始めたスタートアップのエコシステムも尻すぼんでしまう。

米中もスタートアップだけが成長しているのではなく、GAFA/BATを例に挙げるべくもなく、大企業の存在感がますます増している。新興+大企業のセットが競争力の源泉となっている。

日本もスタートアップも大事だが、新産業における大企業の存在感を高めることもそれ以上に大事。どちらかではなく、両方。難しいが理想はそこにある。

2020年11月22日
連載もいよいよ終盤三回目です。今回はスタートアップの「未上場か上場か」という選択肢について考察をしてみました。これまでの二回と同様に、できる限りスタートアップや資本政策に馴染みのない方向けに、わかりやすく工夫しているつもりです。至らない点はご容赦ください。

日本のスタートアップエコステムにとって、長らく「IPOは憧れ」であり、「IPOはスタートアップのゴール」でした。「未上場か上場か」という論点は存在しませんでした。

確かに、一定の成功をおさめた中小企業を生み出すという観点ではIPO/上場は素晴らしいゴールです。また、長年エコシステムのボトルネックであった終身雇用、大企業主義の日本の「常識」を変えていくために、「人材の流動化」を促し、「起業家という希少人種」を増やすために、上場というゴールは有効に機能していたと思います。

ただ、今GAFAという巨大企業、BATを中心とした中国ネット企業の台頭をみて、何も感じない人はいません。今、「上場はゴールではない」と明確に認識すべき時代が到来しています。認識が遅すぎたという指摘はありますが、そう言っても仕方ありません。

そこで改めて考える必要があるのが「IPOとは何か」「未上場か上場か」という問いです。

この問いを考える上での基本的な理解をお伝えするために、本稿を執筆しています。少しでも多くの方にこの論点自体をまず認識いただき、「IPOをスタートアップのゴール」としてではなく、「IPOをスタートアップの通過点」として捉えることで、その先のより大きな成長、社会へのインパクトを皆で目撃できる機会を少しでも増やしていければと思います。

(参考note)
メルカリ
https://note.com/201707/n/nd0c83ac5d4ca

ライフネット生命
https://note.com/201707/n/n73837225a14b

BASE
https://note.com/201707/n/n6fb5e0b21c35

2020年11月21日
女性の登用がクローズアップされているが、日本のスタートアップを見ていると、日本のこれまでの大企業で見てきた縮図が再び繰り返されそうな危機感は数多く持っている。

いまは成長や成功事例を優先すべきフェーズだから多少は仕方ないという意見もあるだろうし、確かに成功無くして次はないわけなので、その意見もわからなくはない。

ただ、個人的にも思うのは、目標設定を持つことや課題意識を強烈に持つことはいつでも早すぎることはない。成功を目指しつつ課題意識をしっかりと植え付け、将来への備えをいち早くさせることは、社会の役割であるし、私を含め個人個人の責任だと思う。

女性の登用も間違いなく一つのテーマだが、以下も間違いなくテーマだと思う。

・男女
・LGBT
・日本人と外国人
・世代/年齢

年齢分布については一言付言しておきたい。今スタートアップの人材登用はリファレンスが大きな役割をになっている。結果的に、創業メンバーにかなり近い年齢帯、もしくはその5-10歳下の年齢帯に圧倒的に偏っている傾向があると思う。

今は若者主体で盛り上がっているスタートアップであるから、創業者が35歳であれば平均年齢30歳、40歳であれば33歳という感じで、一般的な大企業の40歳程度と比較して確かに若い。

ただ、このままあと10-20年経ったらどうだろうか。おそらく社長は高齢化し、平均年齢も大企業と同じようになってしまう可能性もある。

今から、ものすごく若い人材の積極的な登用を進めることと同様に、世代が上のノウハウを如何に取り込んでいくか、ということを仕組みをして考えていかないと、気がついたら手遅れになってしまう気もしている。

何が言いたいかというと、女性の登用も今から積極的に考えていくべきということ。早すぎることは全くない。

仲良しこよし、ではいけない。様々な観点でダイバーシティはものすごく大事だと思う。

2020年11月15日
今回の連載は第三回、第四回がハイライトですが、その段階として上場前後のスタートアップにまつわる成長フェーズや「資本政策」という言葉の意味、またなぜ重要かという点を実際の実務現場を知らない方にもできる限りイメージがつくように考えてみました。

なぜならば、「資本政策」があまりにも概念的にイメージが掴みづらく、またファイナンスや財務といった専門性の高い分野である(というイメージが強い)からに他なりません。

私はテクノロジー、ビジネス、ファイナンスの現場にいる機会を非常にラッキーなことに数多く頂戴しています。だからこそ、どうしてもそれぞれの分野が「分断」されてしまっており、有機的に結び付き、会社であるとかステークホルダー価値に活かしきれてないということを、長年歯痒い思いで感じてきました。

今回の連載を通じて、テクノロジーやビジネスの分野により所属し、ファイナンスから縁遠い方に、少しでも「資本政策」の重要性を理解いただければ、この「分断」が解消されるのではと期待しています。

日本はテクノロジーに大変強みを持った国でした。しかし今は、テクノロジーはコモディティ化し、単なる技術力だけでは世界と戦えない時代が到来しています。グローバルに通用する会社、社会を変革する産業を創出するには、テクノロジー、ビジネス、ファイナンスという「分断」の解消が不可欠だと思います。

ぜひ、今回の連載をご覧いただき、少しでも「資本政策」やファイナンス、スタートアップに興味を持っていただければ幸いです。第一回をご覧いただいてない方は、ぜひこちらの記事も併せてご覧ください。

<第一回目の記事>
【完全解説】ゼロからわかる、スタートアップの資金調達
https://newspicks.com/news/5368543

2020年11月12日
2020年1-10月の資金調達ランキング。独断で20社を無理やりカテゴリーに分けてみました。20社で合計1,350億円

モビリティ:3社, 355億円
エネルギー:3社, 268億円
フィンテック:4社, 198億円
EC:3社, 184億円
SaaS: 2社,118億円
IT/データ:3社, 106億円
素材:1社, 66億円
宇宙:1社, 55億円

2020年11月11日
詳細全くよく知らなかったが、100名で100億円ちょっとの売上。成長性は乏しいが、10%程度の利益を製造業としてしっかりと利益を出している、安定収益企業のように見えますね。

資金使途にブランド投資が含まれるようだが、白物家電が残存者利益の奪い合いのところで、ブランド投資でいかにシェアを向上できるか、というところか。

<目論見書>
https://www.jpx.co.jp/listing/stocks/new/nlsgeu00000539d8-att/12BALMUDA-1s.pdf

2020年11月9日
中国のエコシステムのどんどん変化している。特にポストIPOの環境変化が大きい。日本も上場未上場を連続して考えていくことがますます重要。

四半期(7-9月)で185件のIPO、それまでの半年の161社と比較すると市場が一定落ち着いてから一気に上場ラッシュである。中国は米国と同様、これまでスタートアップのExitはM&Aが中心であったが、新興市場の整備により一気にIPOが増え、ポストIPOにより成長を目指す選択肢がより広がった。

未上場市場への投資は、バイオ・ヘルスケアとSaaSなど企業ソフトウェア、モビリティが注目産業で、調達の大型化と資金集中がおきている。資金集中は日本も同様。

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<中国IPO動向>
・すでに9月末時点までに346社が上場しており、2019年の298社を超えている
・7月〜9月のIPOはM&Aの件数を初めて上回り、185社だった
・米国ナスダック市場(Nasdaq)、ニューヨーク証券取引所(NYSE)への新規上場も見られるが、上海証券取引所と深圳証券取引所が中国スタートアップ上場の90%近くを占める
・新規上場が増えた背景には、国家戦略により新たに設立された「中国版ナスダック市場」。2019年6月、上海証券取引所に設立された新興企業向け株式市場「科創板」では、新興のハイテク、研究開発系の企業が上場
・2019年には70社、2020年には121社がこの市場から上場した(10月末時点)。
・同市場は中国スタートアップへの資金流入によりイノベーション、中国産業全体を押し上げることを目的としているため、上場基準が緩い
・新規上場株式も5営業日は値幅制限がないため、コロナ禍でも継続的に成長可能なテクノロジー企業が積極的に上場した

<中国スタートアップの資金調達>
・2020年(1〜9月)の中国スタートアップ投資件数は2710件
・前年比78%と減少
・投資額は約6481億人民元(約10兆円)と前年比から119%の水準で増加

<中国主要投資家七社>
BAI, GSR Ventures, Hillhouse Capital, IDG Capital, Legend Capital, matrix, Sequoia

2020年11月8日
スタートアップはどうしても社長への依存度が高くなるからこそ、デリゲーションはCEOの「トラックレコード」として見るべきです。初期フェーズのスタートアップは一点突破でも良いが、いずれ成長のボトルネックが発生するからこそ、デリゲーションによる「経営機能の充足度」が非常に重要だと思います。

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参考)
<経営チームの評価における5つのポイント>
「経営機能の充足度」
「経営チーム内の関係性」
「対外的な折衝力」
「組織マネジメント力」
「エグゼキューション(実行)力」

参考)グロースキャピタルとしての見極めポイント
<シニフィアンペンダグラム>
① 経営チーム
② 事業の価値
③ 上場企業候補としての耐性
④ 財務体質
⑤ 投資条件

2020年11月8日
村上誠典(TAKA)です。

「スタートアップの成長と資本政策」

宇宙工学エンジニア→ゴールドマン・サックス→シニフィアン創業、と歩んできました。一貫して産業創出を、エンジニア、アドバイザー、経営者、投資家、という多様な立場で目指してきました。専門的になりすぎず、異なる立場&異なるフェーズで得た「学び」を実務に役立つ形で共有できればと思います。

今回、3つの問題意識から、プロピッカー新書の機会を頂戴しています。

1)スタートアップ経営において、事業戦略の重要性は多く語られるが、コインの裏表の関係にある、財務戦略、特に「資本政策」について語られること相対的に少ない

2)資本政策と資金調達を混同されているケースが多く、資本政策の明確な定義を説明できる人が少ない

3)未上場スタートアップと上場スタートアップで「分断」が生じており、本来は連続的に捉えるべき「資本政策」を未上場と上場の双方の知見から連続的に語られることが極めて少ない

4回シリーズで、毎週日曜日に掲載されます。週末のちょっとした読書として、また翌月曜日からのビジネス脳への切り替えの準備として、是非ご覧いただけると嬉しく思います。多岐にわたるテーマで正直1回では語り尽くせていませんが、4回を通じて少しでもエッセンスを掴んでいただけるように工夫しています。

最後に、「資本政策は財務の専門家に任せておけば良い」という誤解があると思います。それは本当に勿体ないことです。資本政策を含めた財務戦略を、組織戦略やテクノロジー戦略などの事業戦略と同様に武器にすることができれば、日本はもっと良くなると思います。少しでも多くの人に「資本政策」の重要性を理解いただくことで、日本のエコシステム全体が活性化し、もっとオープンに人とサービスが繋がってくると思います。今回の寄稿を通じて、少しでも産業創出のお役に立てれば嬉しいです。

2020年11月6日
会社側がコミュニケーションコストをコントロールでき、優良投資家を選択できるなら、多様な投資家からの出資はメリットが大きいと思います。

「事業家目線か、あるいは投資家目線か」、両方必要というFred Wilson氏の指摘に同意します。
(ニューヨークのベンチャーキャピタルUnion Square Venturesでパートナー)

2020年11月5日
業界内ポジションについてどうみるかは重要です。

業界4位とか3社とか記載がありますが、実態はどうでしょう。今の世の中、winner takes allの業界も増えてきています、それでも2強というケースも多いでしょう。そうであるならば、Rettyはかなり厳しい立場と言わざるを得ません。

一方で、ホットペッパーやぐるなびは紙ベースや初期のインターネットサービスという意味では、1.0のサービスです。それらをリアルな競合と見るか否かで、ポジショニングの見え方が大きく変わっていきます。

ユーザーにとって本当の利便性や差別化要因が提供できれば、このポジショニングの見え方が変わってきます。それができるかどうかが、分かれ目ということでしょう。

2020年11月2日
鈴木さん、応援しています。以下の一言が最大の気づき、かつ今の米スマートニュースの最大の仮説ですね。

「そこを回ったら“典型的なアメリカ人”というのは、どこにもいなかったんですよ」(鈴木CEO)

モザイクアメリカと言われていましたが、近年のより複雑化したモザイクを理解し、そこにPMFさせたのが日本人だとすると、それこそが痛快なストーリーになりますね。

均質化した世界、それを主導するアメリカに、逆張りでアプローチする、素晴らしい仮説だと思います。

2020年10月30日
内容が詰まったすばらしいインタビュー。創業、現在、上場、未来と色々と触れたいことはあるが、個人的には(あまり知らなかった)創業に至る経緯のストーリーが非常に印象的でした。

創業者のメンタリティは、あらゆる起業を考える方に必読だなと感じました。以下、私が気になったコメントをピックアップしておきます。

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「以前ソフトバンク創業者の孫正義さんが『どの山を登るかで人生の半分が決まる』といった趣旨の発言をされていて、それが心に残っていました。実際にECでも何を売るかで売上規模が全然違っていたし、広告事業でもどの業界とビジネスをするかによって大きく結果が変わっていた。過去の経験を踏まえても、『どれだけ頑張るか』以前に『どこで頑張るか』が重要だと感じていたんです」

「やっぱりスマホの登場が1番大きくて。先行するサービスはPCから200〜300字ほどのちゃんとしたクチコミを、ブログの延長で書くような構造だと捉えていました。そこにスマホが普及するとどうなるか。誰でも簡単に発信ができるようになり『発信者が爆発的に増える』と思ったんです。飲食の領域でも必ずスマホを通じて大量のコンテンツが生み出されるようになる。だったらその体験にフォーカスしたSNSを作ろうと。また現地でFacebookが広がる様子を見て、これからは『誰が言ったか』がより重要になると感じていたので、それらの要素を掛け合わせながら整理した結果、Rettyに行き着きました」

「不思議だけど根拠のない自信があって、絶対いけるとしか思わなかったです」

「スマホ×ソーシャルは「2度と来ない程のビッグチャンスになる」と確信していた」

「投稿側の体験に絞ってプロダクトを作り続けたこと」

2020年10月22日
スタートアップの資金調達に関するノウハウがどんどんエコシステムに溜まってきていると感じます。資金調達を含めた資本政策は極めて多様であり、会社の事業の特性や、フェーズ、今後の資金ニーズ、競合環境など、様々な要因を総合的に考えて行う必要があります。

今回は、オープンロジの資金調達を例に、現場でどのようなことがなされているのか纏めてみました。探索期から拡大期に向かう中で、資本政策も多様なオプションがあった中、またコロナという難しい曲面での執行となりましたが、それだからこそ学ぶべきことが多いと思います。

テクニカルな話も含めていますが、それだけではなく:
・現場で実際何が起きているのか
・資金調達を今後の成長に活かすには

という観点で、スタートアップ経営に関わる皆様によい気づきがあれば幸いです。

2020年10月2日
IPOは多様なステークホルダーへ影響が大きく、またステークホルダーの移転も発生する非連続なイベントです。だからこそ、難しいテーマだし、複雑で異なる立場の人が多くいるからこそ、公に声をあげて議論するのが難しいテーマの一つになっていると思います。

上場後の資本政策の事例が増えてきたことを良い意味できっかけにして、少しでも問題提起に貢献できればと思います。

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