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【企業分析】7994オカムラ/ESGそこじゃない感、、

※ 本内容は2022/8/19時点の記事をWordPressからnoteに移行したものです

先日オフィス家具レンタル事業を行うコーユーレンティア社を取り上げましたが、そのついでにオフィス家具メーカーのオカムラもちょっとだけ取り上げます。オカムラもレンティアのOEM先ではないでしょうか。

業績は順調に伸びていますが、株価は割安と思える水準です。この理由を探ります。

出典:株探
出典:株探

オカムラのオフィスチェア

たまには動画でも貼ってみようと思い、YouTuber瀬戸弘司さんの動画を紹介します。

オカムラの開示資料レビュー(ESG経営に注力しているようですが、、)

まずは2022年3月期の決算説明資料から見ていきます。

リンク:オカムラ 2022年3月期 決算説明資料 2022年5月16日

この資料から見たのが間違いだったのかもしれませんが、スライドのっけから「パーパス経営の推進」というスライドで始まり、そこで記載されているサステナビリティ重点課題はESGそのもので結局何が重点課題なのかがわかりません(全部やん!?とつっこみながら)。そして次のスライドでCO2排出量削減・TCFD情報開示、さらに環境への配慮、人権への取り組みと説明が続いていきます。なぜオカムラにとってCO2削減や人権問題が大事なのか、ビジネス・事業との関わりについての説明がなく、その説明も総花的なので会社に対する印象が悪くなってしまいました。

これらESG問題に取り組まなければならないのはどの企業も同じあり、ESGについて説明するならオカムラ固有の部分を中心に説明してほしいです。今回確認した資料が決算説明資料だからなのかもしれませんね、すみません。次のスライドの役員構成にて社外役員の割合や女性役員の割合が書かれていますが、こちらもなぜオカムラにとって「女性」なのかの説明がありません。

ちょっと諦めぎみですが、次に有価証券報告書についても見ていきます。

リンク:オカムラ 2022年3月期 有価証券報告書 

有価証券報告書も一部ビジュアライズされていて、TCFD開示含むなど今風な様相です。

しかし、役員報酬に関する記載が他社に比べて薄いです。役員報酬の業績連動部分は20~30%とされてますが、その割合も低ければ、全体の指標である連結営業利益や経常利益の目標値と実績が示されているだけで、各役員に短期と長期でどのようなインセンティブが与えられているのかがわかりません(この部分だけ読むと役員は翌期の業績だけ考えて短期的思考で経営をしそうです。もちろん中長期の企業価値への貢献も評価されるようですが、具体的にどうやって?の部分が一切なしです)。また、社外役員で構成される報酬委員会が設置されていますが、そこでどのような議論が行われているのかも記載されていません。

おまけに、この会社は政策保有株が多すぎです。2022/3期の総資産2450億円に対して、約1割の250億円の政策株を持っています。同年度で26銘柄の売却はしており、徐々に解消に向けて進めているようですが売却金額にして14億円にすぎません。

環境や人権への配慮など耳障りのいい部分だけ強調して、ガバナンスの耳が痛い部分には蓋をしているようにしか見えませんでした。環境(E)や社会(S)も大事ですが、ガバナンス(G)はもっと大事です。ESもビジネスに関連する部分のみを取り上げてほしいです。

私はここでそっと有価証券報告書を閉じました。


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