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【企業分析】4825ウェザーニューズ/toBとtoCのどっちで儲けてんの?

※ 本内容は2022/10/8時点の記事をWordPressからnoteに移行したものです

こちらの動画を見ました(無料で見れる前半部分だけですが)。

業績を確認すると、売上に関しては伸び続けており、利益も2019年5月期を底にそこからV字回復しています。フリーキャッシュフローはキレイに毎期プラスです。

出典:マネックス銘柄スカウター ウェザーニューズ
出典:マネックス銘柄スカウター ウェザーニューズ

売上の伸びの要因はtoCビジネス

ウェザーニューズ社はBtoB事業とBtoC事業をそれぞれ行っていますが、事業セグメント開示上は単一セグメントとなっており、BtoBとBtoCのどちらで稼いでいるのかがわかりません。一方で、売上高に関しては決算短信に事業ごとの内訳が記載されています。直近5年程度の事業別の売上高の推移をとると、2019年5月期以降にBtoC事業(モバイル・インターネット事業)の売上が増加していることがわかります。ただこれが利益の増加要因なのかがはっきりとわかりません。

出典:ウェザーニューズ決算短信から筆者が作成

以下は2017年5月期から2020年5月期までの決算短信での利益の増減理由です。営業利益が下降傾向にあった時期(2020年5月期以降は上昇傾向)にどういった要因で利益が減っていたのか確認する目的です。この時期グローバル展開に向けて投資をしていたことがわかります。ただ直近の売上高増加要因がBtoC事業でありBtoC事業は日本の事業なので過去の投資が花開いたわけではなさそうです。18年19年あたりは広告投資もしており、こちらはBtoC事業向けの投資でしょう。

出典:ウェザーニューズ2017年5月期決算短信
出典:ウェザーニューズ2018年5月期決算短信
出典:ウェザーニューズ2019年5月期決算短信
出典:ウェザーニューズ2020年5月期決算短信

結局、toBとtoCのどっちで稼いでんの?

これがわからんのです。感覚的にtoBビジネスの方が儲かりそうですが直近業績を見ると、toCビジネスの売上増加に比例して利益も増えているので、toCで稼いでいるようにも見えます。

toCビジネスは冒頭のNewsPicksの動画でも話していましたが、無料で手に入れられる天気情報について課金する人は少数派のような気がします。他の天気アプリよりも予測精度が高いようですが、それだけで有料課金が継続するように思いません。サブスク契約の解約率がどれだけなのかの開示もないですが、広告投資で人を集めるものの興味ある人がいなくなれば解約が新規契約を上回りだし、業績が逆回転しだす可能性があります。

一方で、toBビジネスは天気予報の予測精度が高いことが顧客にとって非常に付加価値が高いように思います。海運会社や航空会社にとってなくてはならない会社で、ウェザーニューズ社の予測精度の高さが観測地点の多さなど既存のインフラの強さに依存している現状、他社へのスイッチなどで解約するというのはほぼあり得ないように思います。

toBビジネスが安定してかつ収益性も高いのではないかと想像できますが、toCビジネスの今後の有料サブスクの解約率や広告投資の状況次第ではキレイに業績が伸びていくという感じではなく、2018年や2019年のように業績が不安定になる可能性も秘めているように感じる会社でした。


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