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生きる#25 足の指を骨折しても去年より幸せな理由


イノシシ繁忙期が過ぎました。
わたしの住む町では、有害鳥獣捕獲は10月末まで。
11月からイノシシ・シカは猟期に入ります。

毎年9月、10月は有害鳥獣として捕獲されたイノシシ受け入れ頭数が集中し、今年も例に漏れずほぼ毎日のように加工施設にいました。
実は、その間イノシシの入った桶が落下し、右足の薬指を骨折するというハプニングも…

地味な場所だけどちゃんと痛い


しかし、足の指の骨折なんて気にならないくらいw夢中で解体に集中できたのは、このイノシシ達が旅立つ先が増えたこと。

①安分亭(あんぶんてい)

加工施設から車で3分。
週に3日だけの営業ですが、週替わりで『猪のごはん』を提供します。
その時の旬の野菜と猪のミンチを組み合わせ、料理人カオリさんのひらめきでメニューが決まります。
5月にオープンして半年になりますが、これまでのメニューを並べると、いろんな料理に変身させてもらって嬉しい。


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②FeMEETS(フェミーツ)

わたしが特に今後力を入れていきたいのが、
有害鳥獣として捕獲されるイノシシ・シカの栄養価に着目したサービス
2年前に受講したアクセラレーションプログラムで自分の原体験を深く深く思考し、
ここに、その後に起こった『自身の貧血の診断』と、わたしの長きにわたる『管理栄養士としての経験』が組み合わさってできたプロダクトです。

こちらはまだテスト販売中ですが、モニターさんからの声が返ってくるたびに、わたしが実現させたい世界がどんどん見えてくる感覚を味わっています。

島根県産業技術センターさんとの共同開発も決まり、日本人女性の貧血によりコミットすべく、一緒に研究を続けていきます!

各部位ごとにミネラル・ビタミンを測定

この『研究』という言葉もまた、わたしの『学習欲』をくすぐります。

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一昨年〜昨年は、コロナの影響もあってイベントが中止になったり、卸先や販売先もストップしたり。
イノシシを捌いても冷凍庫に溜まっていき、結果在庫パンパンで受け入れを断ったり…自分の力の無さが一番悔しかった。
しかし、今年は有難いことに、去年よりたくさん捌いたにも関わらず、在庫の心配をしています。


そして、この2つに共通していること。
それは、
『イノシシたちが、ちゃんと喜んでくださる方の元へ届いている』
ということが私にはっきり見えていること。

このことは、わたしにとってはとても重要なこと。

誰のために、何のためにするか?
実際に喜んでもらえてるか?



わたしの根底にあるのは、
『有害鳥獣として捕獲される動物を幸せにしたい』
という思いです。

その方法の一つに、
『イノシシの命の価値を理解し、おいしい!と食べてもらえること』
があると考えています。
(これが全てだとも思っていません)

安分亭やFeMEETSに限らず、
今お取り扱いいただいている飲食店さんもみんな、
おいしく食べ、喜んでくださる方の顔がくっきり浮かぶことが、今の私の原動力となっています。

恐らく、今後お店やプロダクトを続けていくときにも大事にしたいこと。

人も、イノシシも、山も、社会も、変化していきます。
まだまだ勉強が必要なことはたくさんありますが、変化を柔軟に楽しみながら進んでいきたいと思います。


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