【JICA海外協力隊】国際協力やってみたい人におすすめの理由6つ<前編>
2017年10月から2019年10月まで、私はマラウイというアフリカ大陸の小さな国に青年海外協力隊(JICA海外協力隊)として2年間滞在した。
私自身がとても楽しんだこともあり、ぜひこの先も協力隊に行く人が増えてほしいなと思ったため、協力隊に来てよかったことを書き連ねていく。
これを読んで興味のある人が増えてくれるととっても嬉しい。
1. 途上国の実態を知れる
私もそうだったが、国際協力をやってみたい人にとって、途上国の現状を知るということはとっても重要なことだ。実際、大学の講義で聞いたこととも、本で見たものとも異なる点はたくさんあった。
もちろん基礎知識として、勉強しておくことは大事だけど、実際来てみて分かるのは所詮紙の上の話なんだなってこと。
そういう意味で、2年間という長期スパンで現地に入り込める協力隊は本当に魅力的だ。生活水準は人それぞれだけど、中には村に日本人1人なんて人もいるし、生活水準がマラウイ人並みな人(電気なし、飲み水は井戸から運ぶ)もいる。
2年間は、最初から最後まできっと濃いものになる。今まで自分が当たり前に思ってきた常識は基本的に捨てて良い。以下、行ってからびっくりしたことの例。
時間通りに、予定通りに物事は進まない(ミーティングは1時間、2時間遅れが当たり前、雨が降れば延期になることも)
何かトレーニングやワークショップをする度にAllowance(謝金)とランチや軽食を要求される
日本人?ならお金持ってるよね!ちょうだい!助けて!
お金貸して!
日本人?昔お世話になったのも日本人なんだ!だから困ったことがあったら何でも言ってね!
活動が昼まで長引くと、ランチを当たり前のようにご馳走される
(私の配属先の場合であるが)午前はきっちり仕事して、午後はのんびりおしゃべりタイム。ベンチに横になったり、談笑したり、適当に仕事して、4時にはさようなら。(残業とは???)
街を歩けば、白人!中国人!と呼ばれる(中には差別用語も)
困ってたらすぐに助けてくれる
思い出せたただけでもこれだけあるし、きっとまだまだ増えてくる。現在合計3年マラウイ在住だけど、それでもいい意味でも悪い意味でも新しい発見があるからこそ楽しめる。
途上国の実態を知れるもう一つのきっかけは、現地語を学ぶ機会があること。基本的にアフリカ諸国、どこに派遣されても現地で現地語を学ぶ機会が少なからずある。(マラウイは大体1ヶ月)
私は都市隊員だったので、英語でほぼ会話できていたが、田舎隊員は現地語必須。むしろ現地語ができないと生きていけない。そして現地語ができた方が圧倒的にウケが良い。ここで言うできたらというのは挨拶程度でも然り。めちゃめちゃ喜んでくれる。
現地語で話すからこそ、本音を話してくれることもあるのではないかと思っている。英語だと勿論言語能力の問題で伝わりにくいということもあるが、そもそも心理的に話しやすい関係が作れる。(ウガンダやケニアに研究で短期滞在したことがあるが、今にして思えばインタビューした現地の人は本音を話してくれていたんだろうかと思うことがよくある。)
よく他の団体(企業さんとか、国連関係とかJICAとか)さんが、現地ではまず協力隊にその国のことを聞くと言うのは協力隊が一番現地の人とよく話して、現地のことを知っているからだと思う。
2. 試しにやってみようが許される
協力隊って所詮はボランティアで、仕事としてて関わるわけでないからこそ、色々なことに挑戦ができる。失敗も許される。成果も特に求められていはいない。(報告書を書く義務はあるが)
これやってみようと思えば、やってみれば良い。誰も止める人はいない。
だから逆に言えばサボれたりもする。よく協力隊は遊んでいるだけじゃないの?と言われることがあるが、一部そういう人もいるかもしれない。でも私の知る隊員はボランティアながらにみんな一生懸命自分の活動に取り組んでいた。自分の裁量一つで自分の活動ができることって他の国際協力の仕事ではなかなかない(起業とか自分でNGOを立ち上げるとかならあり得るけど)ので、これはかなり貴重な経験だと思う。
かく言う私も職種は感染症・エイズ対策ながら、色々なことをやってみた。本来の要請内容は地域住民向けのHIV/AIDSの予防啓発、学校での性教育、ヘルスセンターや他団体との連携を強化する(詳しい要請内容はこちら)だった。
予防啓発はもちろん力を入れたが、一方学校での性教育はそこまで必要性を感じなかったのでやらなかった。自分でも上手くできたなあと思っているのはCBO(地域の住民団体)のネットワークを作ったことだ。彼らは地域住民のために様々な活動に取り組んでいるが、それぞれのCBOが完全に独立していて交流が全くない。もっと交流して協力しあえばより良い活動ができるのではないかと考えネットワークを設立するに至った。(この辺の詳しい話はまた別の時にでも)
必ずしも要請内容と全く同じことをする必要はない。そもそも要請が書かれた時点から隊員が派遣されるまで、通常であれば2年ほどのブランクがある。そのため、状況が変わっていることも珍しくない。
だからこそ、自分の任地に行ってから、自分の目で見て耳で聞いて、現状を理解して、自分ができること、相手が望むことを擦り合わせて活動ができる。
3. 全てにおいて守られている
協力隊の説明会で話をさせてもらった時に何度か聞かれたのが、
「実際、安全なんですか?」
特に女性からは感染症などの病気だけでなく、性被害などのリスクの懸念も多い。
結論から言うと、こんなに守られながら活動ができることはなかなかない。
健康面では、健康管理員と呼ばれる看護師資格を持った人がJICA事務所に常駐しているので、何か健康上の問題があれば電話をすれば答えてくれる。私も粉瘤が膿んだので、相談したら首都で簡単な切開をして膿を出してもらった。基本的に何か不安事があればいつでも相談できる体制になっているので、あまり心配する必要はない。それこそ緊急の何かが起こればJICAの車が迎えに来てくれるし、国外への緊急輸送もある。(マラウイの場合は南アフリカ)
病院にかかるのも基本は無料なので(立替払いで後で戻ってくる仕様)、首都まで行かずとも近場の大きな街の私立病院にかかることもできる。
渡航前には一通りの予防接種を無料で受けることもできる。これは個人的にかなりメリットがあると思っていて、と言うのも、今回マラウイに戻ってくる時ほぼ全ての予防接種を改めて打たなければならなかった。その時かかったお金が約10万円だった。協力隊時代に約10万円を無料で打たせてもらえていたのは本当に有り難った。他にもマラリア流行地域では、予防薬を無料で配布してもらえる。(これも年間で支払えばかなりの額になる)
安全面においては、同じくJICA事務所にボランティア調整員という人が何人か常駐している。(調整員についてはこちら) 安全面で何かあったときは担当の調整員の人が24時間体制で対応してくれているので本当に有難い。同期には、夜中に隣の大家さんの家が火事になってしまい自分の家も危ないかもと言うことで、緊急で調整員に電話した人もいる。
また、自宅の安全のために(国にもよるが)ウォッチマンと呼ばれる警備員的な人もJICAのお金で雇うことが可能。私の場合は昼・夜両方雇った方が良いということで、2人のウォッチマンが日曜の昼間以外は常に敷地内にいてくれた。特に泥棒に入られなかったのは彼らのおかげだと思う。
前半はここまで!後半も良かったら読んでみてください。
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