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【JICA海外協力隊】の存在意義とは

元のツイート主さんのツイートは省くが、自分は任地にとっても、配属先にとってもいてもいなくても良い存在だ、というものに対して、私はこう思ったのが上のツイート。

私たちは必要なのか?

協力隊の多くがおそらく経験するであろう、

「あれ、自分ここにいる必要あるのかな?」

という疑問。
結論は、必要かもしれないけど、必要とされなくなるのが目標。

所詮私たちはボランティアで、専門家でも何でもない。そんな人間にできることは限られている。
世界を変える人になる、が協力隊のキャッチコピーではあるが、2年じゃ世界は変わらないし、その国も変わらない。でももし、自分の周りをほんの少し変えたならそれはとてつもなくすごいことになる。

何も変えられないなら行く意味ないじゃん、と思う人もいるだろうけど、個人的に協力隊は国際協力の第一歩で、これをバネにしてステップアップしていくものだと思っている。だから将来国連で働きたいとか、起業したいとか、NGOを作りたいとか、そういう人にとっては良い経験になるのではないかと思う。勿論それ以外の人にとっても、悪い経験じゃない。途上国で生活費をもらって、現地の人と近い生活で、現地の人と交流しながら生きていくことができる。私はある意味究極の国際交流なんじゃないかと思っている。

必要なのかどうか、という話に戻るが、協力隊という制度自体は必要だと思っているし、良い制度だとは思うが、現地の人がこれに頼りっきりになると困るというのが私の見解。
だからこそ、いてもいなくても良い存在になってほしい。
どういうことかと言うと、現地の人にとってあなたがいたら有難いけど、あなたがいなくてもなんとかやっていけるようになった。と言うのが理想。

ところで、私の協力時代のメインの活動は、CBO(NGOよりも小さな地元の人で構成される団体)へのサポート。彼らは率先してHIV予防啓発、HIV陽性者の差別や偏見をなくす活動、またその他地域で困っている人へのサポートを様々実施している、なくてはならない人たちだ。HIV予防啓発や陽性者へのサポートはもちろん病院だったり、社会福祉局が実施していくべきではあるが、コミュニティに属する彼らが率先してやる草の根は何よりも強い。
そんな彼らの能力開発をサポートしたり、CBO同士を繋ぐ橋になってみたりとにかくいろんなこをしてみた。結果、なんとか彼ら同士で助け合うネットワークを作ることに成功した。このネットワーク、私が帰国後も続いてほしいと思いつつなかなか難しいだろうなと少し諦めてはいた。

そして、2021年に戻ってきた時、まだしっかりと残っていた。成長もしてなければ、後退もしていないかもしればいが、残って活動をしてくれているという事実が何よりも嬉しかった。「Yukiがいなくても毎月ミーティングをして、みんなで活動を振り返っているよ」と笑いかけてくれたメンバーがいる。それぞれのCBOで交流が続いている。
私は橋役となって繋いだだけだけど、そこから彼らはちゃんと自分たちで自分たちが必要な行動だと思ってくれて活動をしてくれている。大変だけど、私がいなくてもなんとかなっている。

「あなたがいなくても大丈夫」


と言ってもらえるのがこんなにも嬉しいとは思わなかった。
結局今後も細々とサポートは続けていくけど、メインは私じゃない。彼らが自分たちで考えて、自分たちで決めて、自分たちで何かを実施する。私はサポート役で後ろからちょっと背中を押すだけ。

協力隊は必要とされているからこそ、派遣される。それは間違いじゃない。
でも、あなたがいなくても大丈夫、最終的に現地の人がそう言えるような活動を少し、心がけてほしいなと思う。

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